「老いるが勝ち!」とは(2)

 和田秀樹著『老いるが勝ち!』には、真に歯切れのよい、おもしろいことがいくつも述べられています。

 さすが、高齢者を診断している第一線の精神科医だけあるなとおもいました。

 「人は齢を取れば取るほど幸せになるようにできている」

 このような観点から、今の高齢化社会を正しく観て、何をなすべきかを考えよう、この内容には説得力を覚えます。

 今の高齢化社会とは

 2025年9月15日時点における65歳以上の人口は3619万人であり、総人口における割合は、29.4%と過去最高を記録しています。

 これは世界最高であり、歴史的に例を見ない高齢化社会が、この日本で進行しています。

 約3割が高齢者、世界をリードする高齢者先進国、これが今の日本であり、その意味で、高齢者の在り方、生き方が問われているのです

 その日本の高齢者が持っている預金は1200兆円だそうで、この途方もなく莫大な金が眠ったままなので、和田先生は、これをも少し活用したらどうかといわれています。

 そういえば、私たちは若いころから預金をするのは当たり前のことであり、それをコツコツと貯めることに難の違和感がありませんでした。

 我が家の場合、4人の子どもがいましたので、かれら、かのじょらが大学に進学して卒業するまでに、およそ2000万円が要ると算定して、それに備えて可能な限りの預金を試みてきました。

 そのせいか、いつも薄給の生活に耐えるしかない、こうおもうことが普通の感覚でした。

 おかげで、遊びや飲みにはいかず、至って真面目に過ごすことができ、金を使うのは研究で出張するときのみになり、それも外部資金を豊かに得るようになってからは、その家計負担はほとんど無くなりました。

 その後、子どもたちが、自立した生活を行なうようになり、退職金で自宅を建築してからは、ほとんどお金を使うことがなくなりました。

 薄給ではありますが、今でも仕事を続けていて、それに年金を加えると、そこそこの金額になり、さらには、年間100万円あれば、人並みの生活ができるといわれている国東に居を構えていますので、生活費が不足してしまうようなことはありません。

 しかも、この10年余は、お金を保持する、あるいは使うことをほとんどしなくなったために、貨幣とおさらばした生活感覚になってきて、ますます金への執着心が薄らいできました。

 金を自分で払うのは病院代ぐらいで、コンビニやスーパーで物を買うといっても、それらが遠くにあるので立ち寄りがたく、いつのまにか、生活意識の中から忘却されてしまったようです。

 代わりに得たのが「自由」であり、これは、貨幣の価値と比較すると、比較にならないほどに豊かで尊いものであると実感できるようになりました。

高貴高齢者をめざして

 高貴高齢者をめざそう、こう本気でおもいはじめたころ、同時に「自由とは何か」をより深く考えるようになりました。

 上述のように、まず金から離反し、その概念が抜け落ちていきました。

 自由とは、自分の好きなことをここちよく考え、実行することではないか、そしてのことによって自分を少しずつでもよいから高めていく先に、その重要な何かがあるのではないか、このように想像するようになりました。

 この自由を基礎にして、それにふさわしいお金の使い方があるのではないか、とも考えるようになりました。

 そんなおり、日頃なにかと世話になってきた家内に、何か恩返しをしなければならないという想いが募ってきて、それが、すでに述べてきた14年ぶりのCDづくりでした。

 これを提案すると、彼女はすぐに乗ってきて、その準備が始まりました。

 その実現のために要した費用と、そのでき上ったCDの価値を比較すると、はるかに後者の方が勝っていました。

 また、その後、孫の一人がハワイでの体操の大会に出席するというので、その遠征費を支援する話が出てきて、それを検討しているうちに、この際、その支援組織を作って、今後に備えた方がよいと判断するようになり、その結果が「ナノプラネットスポーツ・文化倶楽部」の創設に結びつきました。

 この支援を受けて、孫のMIONはハワイで活躍してきました。

 また、この度は、家内の8枚目のCDづくりに関しても。その支援を行うことになりました。

 単なる個人的なお金のやり繰りではなく、社会的に意味のある組織的支援を行うことの方が、高貴高齢者にふさわしいのではないか、こうおもったのですが、それらを実践してみて、その価値を初めて実感することができました。

 お金は使ってこそ意味がある、今や、子供のために金を残す時代ではなくなった、これが和田先生の主張であり、これでこそ
「老いるが勝ち!」になり、高貴高齢者をめざすことができるのではないか、そうおもい始めています。

 次回は、このお金の問題をもう少しふかく分け入ってみましょう(つづく)。

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ハゴロモジャスミン(前庭)