「『一隅の灯』は宝になるか(59)」
前記事に続いて、技術イノベーションが生起しているかどうかの検証を行いましょう。
下記に示す、その3要件のうちの1)については、その考察を済ませていますので、ここでは、2)と3)について論証を試みましょう。
下記に示す、その3要件のうちの1)については、その考察を済ませていますので、ここでは、2)と3)について論証を試みましょう。
技術イノベーションの3要件
1)新規性(Novelty):従来と異なる技術的特徴・方式を持つ
2)実用性(Practical Utility):実際の問題解決や価値創出に利用可能
3)普及・社会実装(Diffusion):市場・産業・社会で採用される
2)の「実際の問題解決」に関しては、従来の「手もみによる泡づくり」とその「泡による洗浄」という2つの難問を解決しました。
これらは、とくにトリマーに成り立ての初心者にとっては、非常に困難なことであり、小さくない苦労の一つでした。
その修行においては、可能な限りの小さい泡を作りなさいといわれ、そのために指を速く、巧みに動かせといわれ、さらには、シャンプー液を多く使わずに泡づくりをせよとまでいわれ、その洗練に苦労を重ねていました。
また、その泡による洗浄を上手くやれともいわれ、それにも途方に暮れる日々を過ごしていたのです。
さて、指を動かしながら、被毛を揉むことによって、本当に微細な泡を作ることができるのでしょうか。
その原理的考察を試みましょう。
被毛にシャンプー液を掛けながら、指もみをして泡づくりをするとしましょう。
この時、シャンプー液が注がれた被毛を指で揉みながら小さな泡をつくるには、可能なかぎり指を素早く動かす必要があります。
また、その動作において、その指は被毛を揉みますので、そこに摩擦が起きます。
その指の動きを毎秒1~2回とし、ゴシゴシ動かしながら泡を作ります。
もちろん、その泡は指が動いた範囲にしかできませんから、その領域を移動しながら泡づくりをしていきます。
犬の身体全体に被毛は覆われていますので、全身を覆う泡づくりには相当な時間を要します。
当然のことながら泡には寿命がありますので、それが消えてしまっては元の子もありませんので、消えないうちに洗浄していかねばなりません。
これらは大変な作業ですので、トリマーの初心者にとっては、トリマー泣かせの作業となっていました。
また、この手もみの泡づくりで、手荒れを起こし、傷ついてリタイアするトリマーも少なくなりませんでした。
FOAMYによる泡づくり
これらの困難を一挙に変革したのが、FOAMYによる泡づくり、すなわち、光マイクロバブルフォームづくりでした。
まず、光マイクロバブルフォームづくりを振り返りましょう。
FOAMYに組み込まれている光マイクロバブル発生装置P5型は、その内部において、低濃度のシャンプー液と自吸された気体が混合、切断される際に秒速500回転で旋回しています。
これを手もみと比較すると、手もみの指を動かす速度は、速くても毎秒2回程度であり、これを長時間動かし続けるのであれば、せいぜい毎秒1回の指稼働になります。
これらを比較すると、光マイクロバブルフォームの方が約500倍、あるいは250倍の速度の違いになります。
手もみで作られた泡のサイズは、せいぜい0.5~1.0㎜でしょうから、当然のことながら、光マイクロバブルフォームの方は、それに比例して極小になると想像できます。
その速度差で類推すると、手もみ泡が1㎜だとすると、10倍小さいとすると0.1㎜、100倍だと0.01㎜、すなわち10㎛になります。
実際の光マイクロバブルフォームのサイズは、そのほとんどが20㎛以下ですので、ほぼ、その旋回速度と指稼働の速度差に準じているといってよいでしょう。
しかし、より厳密には、光マイクロバブルフォームは、その発生後に自己収縮していきますので、それを考慮すると、上記の250倍、あるいは500倍のサイズの違いが生まれているといってもよさそうです。
これだけの大差が生まれれば、それは単なる改善ではなく、大変化、あるいは革命的変革といっても良さそうです。
さらに、この違いは、サイズという質の違いに留まりませんでした。
それは、発生量という量的問題においてはより大きな差異が存在していたのでした。
次回は、その量的変化について詳しく分け入ることにしましょう(つづく)。
モッコウバラ(前庭)

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