光マイクロバブルフォーム技術・技能イノベーション(7)

 光マイクロバブルフォームによる「かけ流し洗浄」における第4の注目点に関する考察に分け入りましょう。

光マイクロバブルフォームのかけ流し洗浄の「妙」(3)

 参考のために、前回、前々回と同じ画像を掲載します。


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FOAMYによる光マイクロバブルフォームのかけ流し洗浄の様子
((株)ナノプラネット研究所提供)

 この画像から明らかなように、光マイクロバブルフォームは、噴射後の流下に伴って被毛のなかを通過していくようになることから、その部分(画像の中央部やや右下)において白さが薄まっています。


 もともとは、このワンちゃんの被毛は主として油脂汚れですので、その部分は水をはじきます。

 一方、光マイクロバブルフォームの界面においてはシャンプー液、すなわち界面活性剤のミセルが集中していることから、油脂汚れに馴染みやすい性質を有しています。

 しかも、油脂汚れはプラスに帯電していますので、それとは反対の負電位を持つ光マイクロバブルフォームは、その汚れに吸着しやすい性質を有しています。

油脂汚れへの光マイクロバブルフォームの吸着

 たくさんのしつこい油脂汚れが被毛上に形成されている場合には、それらにびっしりと光マイクロバブルフォームが付着していくことになります。

 そこで、この流れの状態に注目すると、最初は噴射に伴って乱流としての挙動を示し、上下左右に流動していて、そのことが濃い白色化で表されています。

 その流下に伴い、光マイクロバブルフォームが被毛のなかに侵入していって、流れはおとなしくなって乱流から層流化に向かいます。

 この現象は再層流化を意味し、ここまでは前記事において考察済みでした。

 この層流化によって流れは被毛の倒れた方向に整流されて整然と流れていきます。

 光マイクロバブルフォームは、内部に気体を有する気泡ですので、それは、流れの抵抗を軽減させる、すなわち流れやすくする性質を有しています。

 その意味では、光マイクロバブルフォームの流れは、より円滑に整然と流れていくはずですが、それに抵抗するのが、油脂汚れ成分です。

 光マイクロバブルフォームは、被毛間を整然と流れながらも、被毛に付着した油脂の汚れに触れると、それに付着して、そこに留まってしまいます。

 この場合、油脂汚れの塊は、被毛の太さ程度ですので50~100㎛(0.05~0.1㎜)前後ですが、光マイクロバブルフォームは、それよりもかなり小さいことから、複数個が、その汚れに触れて吸着するようになります。

 そうなると、被毛に付着した油脂汚れとそれに吸着した光マイクロバブルフォームは流れの抵抗要素になって、流れにくくさせることになります。

 油脂汚れが多ければ多いほど、光マイクロバブルフォームが吸着する数も増えますので、それが進むと流れを整然と促進させるのではなく、その流体抵抗を増やすように変化していきます。

 本来であれば、重力で加速されて落下していくはずの光マイクロバブルフォーム水が、その流下に伴って、多くの油脂汚れに吸着していくことによって流れの抵抗が増えて、よりゆっくりと流れるようになっていくのです。

汚れた部分において本領発揮

 犬の場合、一番汚れているのは腹の部分であり、光マイクロバブルフォーム水を背中から流して流下させていくと、自ずとその水が腹の部分まで落ちていきます。

 その部分は、油脂汚れの顕著なところですので、そこに達した光マイクロバブルフォームは、存分に、そこの油脂汚れに吸着していきます。

 そうすると、その吸着によって、被毛内の流れは、より停滞してゆっくり流れるようになります。

 この状態を外観すると、その腹の部分の被毛が膨らんでいるように見えます。

 これは、トリマーにとって非常にふしぎな現象であり、なぜそんなことが起こるのかと頭を傾げていました。

 ながれは、依然として整然と流下していても、そこの被毛が膨らむほどにゆっくりと落ちていくという現象が観察されたのでした。

 しかし、この膨らみ現象は、洗浄主のトリマーにとっては、非常に好都合なことでした。

 なぜなら、一番汚れている腹の部分をゆっくりと時間をかけて丁寧に精密洗浄してくれたのですから、後で、腹の部分を余計に洗う必要がなかったのです。

 光マイクロバブルフォーム洗浄におけるいくつもの流れの制御の「妙」、なかなかおもしろい現象の発見でした。

 次回は、第5の注目点に
分け入ることにしましょう(つづく)。

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クリスマスローズ(前庭)