6250回記念を迎えて(5) 
 
 研究室の前庭のミモザの花がすっかりなくなって、無数の実が生り始めています。

 この主役を、今度はモッコウバラが演じるようになりました。

 すでに多数の白い小さな花が、華やかな春の彩りを見せています。

 さて、記念シリーズの6250回を連続で認めています。

 このような連載は初めてのことのようですが、この初動の勢いに乗じて、その五回目に分け入りましょう。

 この間、沖縄のH氏から、ヒマワリさんの8枚目のCDのパンフレットの素敵な草稿案が届きました。

 みごとな出来栄えでした。

 いよいよ、今月末には、それが完成版として送付されてくるでしょう。

 さて、前記事において、光マイクロバブルフォームの技術イノベーションの同時発生とその相乗作用に関する考察が開始されました。

 本論においては、それをより深掘りしていきましょう。

光マイクロバブルフォーム技術イノベーションの過程(4)

 (1)P5型光マイクロバブル発生装置(FOAMYに配備)の技術イノベーション性

 この要素を箇条書きにまとめて示しましょう。

 ごく微細な光マイクロバブルフォーム界面において界面活性剤のミセルが集積された光マイクロバブル)が大量に、かつ時間的に連続で生成され続けることを可能にしました。

 重要な部分を赤字で示し、その解説をやや詳しく行いましょう。

4つの優れた要素

 1)
ごく微細な光マイクロバブルフォーム:

 このサイズ問題は、光マイクロバブルとの比較において説得力を有します。

 すでに述べてきたように、光マイクロバブルの平均径は、約25~30㎛です。

 ところが、光マイクロバブルフォームは、これよりもはるかに極小だったのです。

 当初は、水槽内において光マイクロバブルフォームを発生させた際に、その表層に蓄積された泡層をを掬(すく)い上げたものを計測したことから、その平均径は60㎛としたのですが、これは小さくない誤りでした。

 その反省を踏まえて、水中において発生した光マイクロバブルフォームを測り直すと、それは、はるかに小さく、その値は、3分の1以下が大半だったのでした。

 このサイズが小さくなると表面張力は大きくなり、内部の圧力も増加しますので、洗浄力の優れたアップに結び付く、非常に有効な物理化学的現象を発生させたのです。

 ここが、光マイクロバブルフォームの優れた第1の特徴です。

新たな「鬼に金棒」

 2)
界面において界面活性剤のミセルが集積された光マイクロバブル:

 当初は、この特性に気付いていませんでした。

 界面活性剤は、ミセル(界面活性剤要素の集合体)という親水性と疎水性の両方の要素を有していますので、それが光マイクロバブルの界面に集積しやすく、その界面における水側に親水基が、そして気体側に疎水基が並ぶという特殊な配列が形成されます。

 また、ミセルは負電位を有していますが、それよりも負電位度が高い光マイクロバブルの方に、その電位差によって引き寄せられますので、その強固な配列が、ある意味で整然と実現されます。

 これは、光マイクロバブルという気体の周囲にぎっしりとミセルが覆われている姿を想像していただくとよいでしょう。

 界面活性剤の溶液は、シャンプーとして身近な生活用品として存在しています。

 これによって油汚れをはじめとする各種の汚れ落としを行なうことができます。

 当然のことながら、シャンプーをたくさん注ぐと泡がたくさんできて汚れは落ちやすくなります。

 そのたくさんの泡を形成させているのがミセルですので、ミセルの濃度が高くなると泡を作りやすくなりますので必然的に洗浄力が向上します。

 都合がよいことに、光マイクロバブルの周囲に、そのミセルの群れが自動的に集まってきて、光マイクロバブルを覆ってしまうことから、その光マイクロバブルフォームは抜群の洗浄力を発揮できるようになります。

 すなわち、光マイクロバブルが光マイクロバブルフォームに変貌していくことは、その界面に洗浄において威力を発揮するミセルを寄せ付けて洗浄力を大幅にアップさせるようになるのです。

 もともと光マイクロバブルはマイナス数十ミリボルトの負電位を有していますので、プラス電位の汚れに吸着しやすく、またそこでは、ミセルが集積していますので、その吸着と同時に、その汚れへの吸着の徹底、剥がし、分解などがたちどころに起こってしまうのです。

 この抜群の能力アップは、まるで「鬼に金棒」のようです。

 この場合、鬼は「光マイクロバブル」であり、金棒は「ミセルの界面集積」といってよいでしょう。
 
 次回は、その続きに、よりふかく分け入ることにしましょう(つづく)。

MB噴射正面
光マイクロバブルの発生の様子((株)ナノプラネット研究所製、M2-M型装置)