ホタテの大量斃死の素因問題(24)
陸奥湾における一連の緊急対策措置を第1期から第4期までを、それぞれ個々に考察しています。
その時期区分と当面の対策は、次の通りです。
1)第1期:3月~6月
2)第2期:6月~7月前半
3)第3期:7月後半~8月後半
4)第4期:8月後半~10月前半
これまでの叙述を踏まえて、「光マイクロバブル船」についてより詳しく言及しておきましょう。
上記の第3期においては、まず、陸上での「光マイクロバブル水槽」に「小型冷却装置」を配備したシステムが重要であり、これで一つの水槽ごとに4万個前後のホタテの稚貝を救命することが重要です。
このシステムと連動させて、この水槽近くの海域において「光マイクロバブル小牧場」方式のホタテ育成拠点を設置して対応していくことも大切な緊急対策となります。
しかし、これらのシステムでは、陸奥湾全体で養殖されようとしているホタテの全量に対応することができません。
それらの対応できないホタテを除外することは到底できません。
また、緊急対応だけでなく、初期および中期的対策としても、この光マイクロバブル船の配備は重要であり、今後ますます異常高温化が進展することが予想されますので、それに備えての今後の対策の重要な柱としても検討される必要があります。
この異常高温化の3年が発生する前に青森県はホタテ産業の育成によって、年間総生産額を150億円と見積もっていました。
しかし、この異常高温化の3年が起きて、この計画は頓挫してしまいました。
おそらく、現在は、この3年間のホタテ大量斃死問題を、どう解決していくのかを懸命に検討されいるのではないかと推察しています。
そのために、次のような方策がなされていると報道されています。
1)北海道産の稚貝を購入する。
2)稚貝の分散の時期を従来の10月から7月の早める。
3)陸奥湾に海水が侵入してくる平館海峡付近でのホタテ養殖試験を行うなど。
これらは、それぞれ重要な試みといえますが、ホタテ漁師の心配は、昨年のように、ホタテの稚貝までもが大量斃死して、壊滅的状況が今年も再現されるようになってしまうことです。
すでに述べてきたように、陸奥湾は、非常に閉鎖性の高い内湾であり、それが非常に著しいのが東湾の方です。
周知のように、ここでは、西湾からの海水が浸入してくる以外に海水交換できる場所がありません。
また、西湾から東湾に海水が侵入してきた際に、わずかな海水交換が平館海峡から出ていくことでなされている海域でもあります。
しかも、平館海峡から西湾に流入してきた海水は、その南奥にある青森市の沖からやや北上して東湾に入っていきます。
そして東湾に入ってきた海流は、平内付近で再び軟化して東湾内を反時針方向にぐるっと回って、最後には再び平館海峡の東側を通過して外海へと流出していきます。
この閉鎖性の高い東湾に、西湾から海水が流入していく際には、その両者における海水温の違いがあり、その西湾と東湾では、後者の方が常に約2℃高くなっています。
温かい海水は上に停滞し、より冷たい海水が下に潜りこみます。
こうして、西湾からの流入海水は平内沖で水深約30m前後の海域に潜りこんでしまいます。
もともと東湾は、上層の温度が高く、下層の温度が低いという構造になっていたのですが、その下層に西湾から温められた海水が、水深30m前後にまで侵入してきますので、その後の東湾は、上層も下層も高温状態が形成されるという状況に追い込まれてしまうのです。
現に、この3年間の陸奥湾における9~10月の海水温では、上層と下層の水温がほとんど変わらない、このような海水環境に陥っているのです。
これでは、海水温が低い下層にまでホタテ筏を下げても、あまり効果はなく、また、光マイクロバブル装置で下層のわずかに低温の海水を上層まで上昇させても、それによってホタテの大量斃死問題を抜本的に解決することは難しいといえます。
また、最下層付近では、溶存酸素濃度が極端に低くなることも観測されていますので、これを上部にまで上昇させると、ホタテはたちまち斃死に向かうことになる恐れもあります。
もともと、この東湾における上下層における温海水の二重構造は、そこでのホタテ漁には適した環境条件であり、いわゆるホタテ漁における「豊穣の海」として成り立ってきたのです。
しかし、この3年間における異常高温の連発は、この豊饒さを一挙に崩壊させ、逆に大量斃死という「想いもよらぬ仕返し」を強いてきたのです。
ここに自然の報復的仕返しの恐ろしさがあります。
この報復は、私たちに、より仕返しに抗する智慧と工夫を発揮せよということを促しているのではないでしょうか?
ここが、その考え処、智慧の出し処なのです。
陸奥湾の面積は1668㎢、深さは平均40mです。
この広大で深い海において、約3トン、その数にして1.5億枚のホタテが生産されています。
この広さと深さに対応するには、そこを自由自在に動き回りながら光マイクロバブルを大量に発生させることを可能にしなければなりません。
それを短時間に大量発生させて機動的に陸奥湾の各地を移動していくには、光マイクロバブル発生装置を配備した光マイクロバブル船が最も適した対策といえます。
光マイクロバブルの発生装置は、400~600機を配備し、毎分500~1000ℓの光マイクロバブルを発生させることがよいでしょう。
この装置の数が多いほど、短時間により大量の光マイクロバブルを発生させることができます。
また、その発生地点は、ホタテ筏の下部がよく、その発生位置を上下に制御して下降、上昇できるようにします。
こうして、上記の第1期から定期的に光マイクロバブルを供給してホタテの成長に貢献していくことが重要です。
この第1期は、2週間から1か月、1回4時間の光マイクロバブル供給を目安とし、第2期以降は、その回数を増やしていくことが重要です。
第2期は、週に1回、第3期はフル稼働で可能なかぎり3日に1回のペースでの光マイクロバブル供給がなされるとよいでしょう。
こうして、とにかく、ホタテの大量斃死問題を克服して乗り切る、これが今年の課題ではないか、そうおもわれます。
さて、この光マイクロバブル船が果たす役割は、 陸奥湾のホタテのみに限られることではありません。これも非常に重要なことです。
それには、次のことが想定できます。
A)光マイクロバブルの大量発生によって、陸奥湾の海底近くの水生生物の生育環境を改善するこが可能になることです。
かつて私は、周南市の浄水場のダム貯水池の水質浄化を光マイクロバブルの大量発生によって行い、その副産物として、次の注目すべき現象を観察したことがありました。
ア)小魚の大量発生(1㎡に20数匹の小魚が棲息していた)。
イ)トリゲモとオオカナダモの大群が発生(じつに壮観な光景でした)
ウ)大きな二枚貝が多数発生
おそらく、これに似た現象が、より大規模に形成されるでしょう。
海藻の森群の可能性が高まり、異常高温の長期化に耐えうる新たな「豊穣の海」の創造の可能性が生まれるでしょう。
B)この環境は、有益な動植物プランクトンの生成と繁殖にも有益になるでしょう。
C)さらには、陸奥湾での魚や海藻などの漁業の発展にも重要な貢献をなすでしょう。
D)わずか2億円の光マイクロバブル船を10隻製造してもたかだか20億円です。これに比して豊穣の海の復活によって、ホタテ漁を含めての漁業の生産額は軽く200億円は超えるでしょう。
このことを行政機関によく検討していただきたいとおもいます。
当面の対策問題(10)
①無酸素水塊の発生に伴う連鎖反応的斃死をどう防ぐのか?
②異常高温下においても、ホタテの体力低下をどう防ぐのか?
➂餌不足であっても、物質代謝量を増やし、ホタテの各部位の損傷をどう防ぐのか?
④陸奥湾は広大であり、養殖ホタテの量は莫大であり、それらの量的問題をどう解決していくのか?
⑤必要な緊急避難的措置をどう講じ、初期および中期的対策をどう練り上げるのか?
⑥これらは、平内漁協のみなさんをはじめとして、多くのホタテ漁師や関係者のみなさんの理解と協力なしには遂行できないことであり、それらをどう可能にしていくのか?
⑤緊急避難的措置と初期および中期的対策(6)
これまでの叙述を踏まえて、「光マイクロバブル船」についてより詳しく言及しておきましょう。
上記の第3期においては、まず、陸上での「光マイクロバブル水槽」に「小型冷却装置」を配備したシステムが重要であり、これで一つの水槽ごとに4万個前後のホタテの稚貝を救命することが重要です。
このシステムと連動させて、この水槽近くの海域において「光マイクロバブル小牧場」方式のホタテ育成拠点を設置して対応していくことも大切な緊急対策となります。
しかし、これらのシステムでは、陸奥湾全体で養殖されようとしているホタテの全量に対応することができません。
それらの対応できないホタテを除外することは到底できません。
光マイクロバブル船は強き味方
また、緊急対応だけでなく、初期および中期的対策としても、この光マイクロバブル船の配備は重要であり、今後ますます異常高温化が進展することが予想されますので、それに備えての今後の対策の重要な柱としても検討される必要があります。
この異常高温化の3年が発生する前に青森県はホタテ産業の育成によって、年間総生産額を150億円と見積もっていました。
しかし、この異常高温化の3年が起きて、この計画は頓挫してしまいました。
おそらく、現在は、この3年間のホタテ大量斃死問題を、どう解決していくのかを懸命に検討されいるのではないかと推察しています。
そのために、次のような方策がなされていると報道されています。
1)北海道産の稚貝を購入する。
2)稚貝の分散の時期を従来の10月から7月の早める。
3)陸奥湾に海水が侵入してくる平館海峡付近でのホタテ養殖試験を行うなど。
これらは、それぞれ重要な試みといえますが、ホタテ漁師の心配は、昨年のように、ホタテの稚貝までもが大量斃死して、壊滅的状況が今年も再現されるようになってしまうことです。
閉鎖性内湾の利点と欠点
すでに述べてきたように、陸奥湾は、非常に閉鎖性の高い内湾であり、それが非常に著しいのが東湾の方です。
周知のように、ここでは、西湾からの海水が浸入してくる以外に海水交換できる場所がありません。
また、西湾から東湾に海水が侵入してきた際に、わずかな海水交換が平館海峡から出ていくことでなされている海域でもあります。
しかも、平館海峡から西湾に流入してきた海水は、その南奥にある青森市の沖からやや北上して東湾に入っていきます。
そして東湾に入ってきた海流は、平内付近で再び軟化して東湾内を反時針方向にぐるっと回って、最後には再び平館海峡の東側を通過して外海へと流出していきます。
この閉鎖性の高い東湾に、西湾から海水が流入していく際には、その両者における海水温の違いがあり、その西湾と東湾では、後者の方が常に約2℃高くなっています。
温かい海水は上に停滞し、より冷たい海水が下に潜りこみます。
こうして、西湾からの流入海水は平内沖で水深約30m前後の海域に潜りこんでしまいます。
もともと東湾は、上層の温度が高く、下層の温度が低いという構造になっていたのですが、その下層に西湾から温められた海水が、水深30m前後にまで侵入してきますので、その後の東湾は、上層も下層も高温状態が形成されるという状況に追い込まれてしまうのです。
現に、この3年間の陸奥湾における9~10月の海水温では、上層と下層の水温がほとんど変わらない、このような海水環境に陥っているのです。
これでは、海水温が低い下層にまでホタテ筏を下げても、あまり効果はなく、また、光マイクロバブル装置で下層のわずかに低温の海水を上層まで上昇させても、それによってホタテの大量斃死問題を抜本的に解決することは難しいといえます。
また、最下層付近では、溶存酸素濃度が極端に低くなることも観測されていますので、これを上部にまで上昇させると、ホタテはたちまち斃死に向かうことになる恐れもあります。
もともと、この東湾における上下層における温海水の二重構造は、そこでのホタテ漁には適した環境条件であり、いわゆるホタテ漁における「豊穣の海」として成り立ってきたのです。
しかし、この3年間における異常高温の連発は、この豊饒さを一挙に崩壊させ、逆に大量斃死という「想いもよらぬ仕返し」を強いてきたのです。
ここに自然の報復的仕返しの恐ろしさがあります。
自然の報復に対抗する智慧
この報復は、私たちに、より仕返しに抗する智慧と工夫を発揮せよということを促しているのではないでしょうか?
ここが、その考え処、智慧の出し処なのです。
陸奥湾の面積は1668㎢、深さは平均40mです。
この広大で深い海において、約3トン、その数にして1.5億枚のホタテが生産されています。
この広さと深さに対応するには、そこを自由自在に動き回りながら光マイクロバブルを大量に発生させることを可能にしなければなりません。
それを短時間に大量発生させて機動的に陸奥湾の各地を移動していくには、光マイクロバブル発生装置を配備した光マイクロバブル船が最も適した対策といえます。
光マイクロバブルの発生装置は、400~600機を配備し、毎分500~1000ℓの光マイクロバブルを発生させることがよいでしょう。
この装置の数が多いほど、短時間により大量の光マイクロバブルを発生させることができます。
また、その発生地点は、ホタテ筏の下部がよく、その発生位置を上下に制御して下降、上昇できるようにします。
こうして、上記の第1期から定期的に光マイクロバブルを供給してホタテの成長に貢献していくことが重要です。
この第1期は、2週間から1か月、1回4時間の光マイクロバブル供給を目安とし、第2期以降は、その回数を増やしていくことが重要です。
第2期は、週に1回、第3期はフル稼働で可能なかぎり3日に1回のペースでの光マイクロバブル供給がなされるとよいでしょう。
こうして、とにかく、ホタテの大量斃死問題を克服して乗り切る、これが今年の課題ではないか、そうおもわれます。
さて、この光マイクロバブル船が果たす役割は、 陸奥湾のホタテのみに限られることではありません。これも非常に重要なことです。
光マイクロバブルは水生生物を活性化する
A)光マイクロバブルの大量発生によって、陸奥湾の海底近くの水生生物の生育環境を改善するこが可能になることです。
かつて私は、周南市の浄水場のダム貯水池の水質浄化を光マイクロバブルの大量発生によって行い、その副産物として、次の注目すべき現象を観察したことがありました。
ア)小魚の大量発生(1㎡に20数匹の小魚が棲息していた)。
イ)トリゲモとオオカナダモの大群が発生(じつに壮観な光景でした)
ウ)大きな二枚貝が多数発生
おそらく、これに似た現象が、より大規模に形成されるでしょう。
海藻の森群の可能性が高まり、異常高温の長期化に耐えうる新たな「豊穣の海」の創造の可能性が生まれるでしょう。
B)この環境は、有益な動植物プランクトンの生成と繁殖にも有益になるでしょう。
C)さらには、陸奥湾での魚や海藻などの漁業の発展にも重要な貢献をなすでしょう。
D)わずか2億円の光マイクロバブル船を10隻製造してもたかだか20億円です。これに比して豊穣の海の復活によって、ホタテ漁を含めての漁業の生産額は軽く200億円は超えるでしょう。
このことを行政機関によく検討していただきたいとおもいます。
異常高温という自然の報復を、今度は、智慧と工夫で、今度は私たちが仕返す、これをぜひ実現したいものですね(つづく)。
AI画像(参考程度のイラストです。陸奥湾の描写はかなり現実離れしています。ご勘弁を)

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