「一隅の灯」は宝になるか(46)

    「一難去ってまた一難」とは、このようなことなのでしょうか?

 この数か月、光マイクロバブルと光マイクロバブルフォームの撮影に没頭しています。

 最新式の電子カメラだから、きっとよく撮影できるでしょう、とおもっていましたが、それは浅はかな願望でしかありませんでした。

 たとえば、ニコンのD810という大変立派なカメラを用いても、光マイクロバブルと光マイクロバブルフォームを写すことはできるのですが、それはあまりにも小さすぎて、その構造的特徴を考察できるものではありませんでした。

非常識の撮影

 その撮影対象は、サイズが10~30㎛前後の光マイクロバブルと光マイクロバブルフォームですから、そんなに小さなものを写すことができる機能は配備されていないのです。

 しかも、これらの光は、極小さく、わずかな光量しかなく暗闇でしか観ることができず、その撮影も、その環境のなかでしかできない、このような困難の塊のような条件下に置かれているのです。

 通常であれば、そんな撮影はできっこない、無理だ、こういって諦めることが多いでしょう。

 現に、そのようなチャレンジのあげくに諦めて放棄したという撮影者(研究者)の話をいくつか耳にしたことがあります。

 この経験によって、最新の電子制御による一眼レフカメラとデジタルカメラの撮影における限界を正確に認識できましたので、10数年前の一眼レフカメラによるフィルムを用いての撮影に戻ることにしました。

峠をめざす困難

 ところが、ここにも小さくない困難が待ち構えていました。

 その第1は、フィルムそのものが非常に高価になっていたことです。

 目当てのフィルムは1本で約2200円もしていましたので、これには正直驚かされました。

 今や誰もがデジタルカメラを使う時代ですので、フィルムは貴重品になってしまったことから、それだけ高価になったのでしょう。

 また、スライドフィルムは、この値段よりも2~3倍にもなっていて、さすがに、これを購入する気にはなりませんでした。

 第2は、現像問題です。


 これは昔と同じように処置をしていただきました。

 しかし、この時、カメラ専門店の方から、研究員のD君は、こういわれたそうです。

 「このフィルムには何も写っていません。

 その原因は、シャッターが上手く作動してないということではないですか?

 つまり、カメラが故障してるのではないですか?」


 D君は、そのことを私に伝え、現像フィルムだけを届けてくれました。

 それを聴いて、まず、次の2つを確認することにしました。

 1)カメラのレンズを外し、内部の反射ミラーを見えるようにして、シャッターを押してみました。

 数種類のシャッター速度で試してみましたが、正常に動いていました。

 「これは、正常なシャッターの動きですよ。壊れてはいませんよ!」

 2)今度は現像されたフィルムを眺めてみました。たしかに、この限りにおいては、何も写っていないように見えました。

 しかし、目視でフィルムのなかの光マイクロバブルや光マイクロバブルフォームを見出そうということは土台無理なことであり、それを見て写真屋さんが「何も写っていません」と判断したことは間違っていませんでした。

現像後の難関

 そこで近くの写真店に尋ねてみると、ネガフィルムのCDポジ化(可視化)が可能だというので、それをしていただくことにしました。

 この過程は、フィルムをスキャンし、ディジタル情報をえることで、ポジ可視化をPCで行うのだそうです。

 ここで問題が明らかになりました。

 そのスキャンした情報をPCが認識できなかったことで、そのCD化が無理であることが判明しました。

 おそらく、真っ暗な画像なので、それをPCが認識して作業を止めるというプログラムが組み込まれていたのでしょう。

 これは、別の写真店においても、同じ結果だったそうです。

 「それは、困りましたね、どうしましょうか?」


 D研究員と、この問題を検討しました。

 「CD化ができないと判断したのは、スキャナーではなく、そのPCですよね?」

 「そうだとおもいます」

 「そうであれば、フィルムスキャナーでスキャンした情報をみてみる必要がありますね。

 これを、独自にやってみるしかありませんね。

 その情報が科学的に正しいかどうかの判断は、私たちこそが行うべきですよ」


 こうして、この難関を突破していく方途が観えてきました。

フィルムスキャナー

 こうしてフィルムスキャナーの製品情報を調べることになりました。

 この資本主義の世の中では、高性能なものほど商品の値段は高く、その原理が、これにも貫かれていました。

 高性能なことはよいけど、それが高価であることから、やや二の足を踏んで、もう少し調べてみようと慎重になりました。

 難関には、それを突破する有効な手段が求められますが、はたして、それは見出せるのか。

 光マイクロバブルとマイクロバブルフォームの発光撮影という非常識な試みは、必然的に難関を創り出し、そのブレイクスルーのために智慧と工夫を総動員しなければならないのです。

 ここに難しさとおもしろさがあるようです。

 新しい峰に辿り着けば、そこから観える世界に感動することがあります。

 その感動が、この試みにおいても生まれてくると幸いですね
(つづく)。

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AI画像(参考のイメージですが、おもしろく描けています)