ホタテの大量斃死の素因問題(23)

 陸奥湾における一連の緊急対策措置を第1期から第4期までをそれぞれ考察しています。

 その時期区分と当面の対策は、次の通りです。

 
1)第1期:3月~6月
 2)第2期:6月~7月前半
 3)第3期:7月後半~8月後半
 4)第4期:8月後半~10月前半

当面の対策問題(9)

 ①無酸素水塊の発生に伴う連鎖反応的斃死をどう防ぐのか?
 ②異常高温下においても、ホタテの体力低下をどう防ぐのか?
 ➂餌不足であっても、物質代謝量を増やし、ホタテの各部位の損傷をどう防ぐのか?
 ④陸奥湾は広大であり、養殖ホタテの量は莫大であり、それらの量的問題をどう解決していくのか?
 ⑤必要な緊急避難的措置をどう講じ、初期および中期的対策をどう練り上げるのか?
 ⑥これらは、平内漁協のみなさんをはじめとして、多くのホタテ漁師や関係者のみなさんの理解と協力なしには遂行できないことであり、それらをどう可能にしていくのか?
 
緊急避難的措置と初期および中期的対策(4)

 上記3)の期間は、過去3年間において最も異常高温になった時期であり、その温度範囲は23~27℃です。

   ここでは、次の2つの重要な壁の突破が可能かどうかの課題が存在しています。

 (1)海水温が23℃になると、ホタテが弱り始め、その内臓器官に支障を来し、摂餌できなくなるという従来の研究成果があります。

 この結果は非常に重要ですので、それを光マイクロバブルの供与によって何らかの要因で突破(ブレイクスルー)できるのかどうかの問題が存在しています。

 それは、23℃以上の高水温になっても、その弱化、支障を来たし、非摂餌の問題を乗り越えて、それらとは反対の非弱化、支障非生起、摂餌可の状態にまで改善できるかどうかの問題です。

 より具体的には、次の問題が想定できます。

 1)その耐性温度をわずかでも23℃以上にして、たとえば24℃以上にできるのかどうかの問題があります。

 2)この海水温度における耐性の問題は、海水温が1℃違うと、その距離の違いにおいて約100㎞になりますので、その1℃前後における耐性、すなわち、元気に生育できるかどうかは、非常に大きくて重要な問題になります。

 より具体的には、23℃以上の海水温において、上記の3つの障害を光マイクロバブルによって、どこまで生起させないようにするのかが問われているのです。

 3)この問題は、海水温がさらに増加して26~27℃になっても、同様に問われる問題であり、この究明が可能になるかどうかで、陸奥湾におけるホタテ漁の命運が決まることになるでしょう。

 
これらの1)~3)の問題は、現地の実験において、上記の第1期において検証されることが望ましいでしょう。

 4)その第1期において光マイクロバブルによって養成強化されたホタテが、この1)~3)において、どの程度の耐性と突破(ブレイクスルー)力を有するのかを検証することです。

 5)第2期において、冷却水槽のなか、あるいは小海洋牧場において光マイクロバブルによって活性化育成されたホタテが、上記の高温障害をどう突破できるのか、あるいは、そうではないのかを検証することも重要な問題です。

 6)また、その他の地域においてマイクロバブル船で光マイクロバブルを供給したホタテについても、その耐性と高温障害をどう乗り越えたのか、あるいは困難であったのかをより詳細に検証する必要があるでしょう。


 残念ながら、光マイクロバブルによって、どう高温障害を克服したかについては、充分な研究データの積み重ねがなく、その成功の可否については、現地において実践的に究明していくことが非常に重要です。

 この課題は、単に陸奥湾におけるホタテ問題に限らず、日本各地の閉鎖海域、あるいは半閉鎖海域において、必ず大変深刻な災禍として出現してくるでしょうから、それを避けて通ることはできないとおもわれます。

 その意味で、これをスルーパスしていくことはできないのではないでしょうか?

 最後に、この最悪の異常高温期間の第3期においては、それまでの第1期から第2期までの緊急避難的措置において、比較的に成功した事例をヒントと踏み台にして、この第3期の課題を探求していくことが最善ということができるでしょう。
 
 
 その意味で陸奥湾のホタテ漁に則した実践的究明によって、どこまでホタテの救助ができるかどうか、この真価が問われることになるようにおもわれます。

 次回は、光マイクロバブル船の活用方法についてより具体的に分け入ることにしましょう(つづく)。

ho -112
 AI画像(参考程度のイラストですが、嘘字がかなりあります。左から、正しくは「弱化」、「摂餌停止」、「危険域」、「大量へい死」です)