「光マイクロバブルフォーム・イノベーション論(8)」

 私は、N学会におけるブレイクスルー技術研究所の所長を兼務しています。

 この度、その理事会への「報告」の依頼がありましたので簡単な報告書を認めました。

 一部具体名は、イニシャルで示していますが、その内容を以下に記します。

N学会理事会への報告「最近の ブレイクスルー技術研究所の成果について」

所長:大成博文(㈱ナノプラネット研究所)

  最近の新たな2つの取り組みの成果について次のように報告します。

 (1)ペットイノベーションについて

 2012年において、地元国東のペットサロンの経営者であり、日本を代表する松林智宜トリマーとのペット洗浄における共同研究が開始され、その成果が世界を代表するトップトリマーのJ氏とA氏へと拡大していった。

 また、それらの弟子のトリマーや各セミナー参加者へと光マイクロバブル技術の導入が広がった。
 さらに、その発展に伴って、その核心となる発生装置がP1型からP4型までの持続的改良がなされ、より高度なペット洗浄技術の向上が図られた。

これらの成果を踏まえて、㈱ナノプラネット研究所を核とした新会社㈱NANOPLANET・NEBULAが2021年に設立され、その商品として上記P4装置をさらに改良したP5装置が組み込まれた商品であるFOAMYが販売されるようになった。

また、その科学的根拠となる光マイクロバブルフォーム(界面活性剤を含む溶液で発生させた光マイクロバブルの泡)技術の新たな研究が開始された。

さらに、このP5装置は、日本、欧米、中国他に特許申請され、日本においては特許査定が済み、その認定の高い可能性が示されている。

同時に、上記NEBULA社においては共同研究の成果を踏まえた技術イノベーションが進展したことによってFOAMY商品の拡販が進み、数社の大手ドッグサロン(Iペットなど)などへの導入が相次いで始まっている。

こうして、この光マイクロバブルフォーム技術のイノベーションは、年間売り上げ数億円に達する経済的イノベーションへと発展しつつあり、今後、その規模がより拡大し、わが国におけるペット洗浄技術の標準化を達成していく可能性を高めている。

 本ブレイクスルー技術研究所は、2012年以来一貫して、本光マイクロバブルフォーム技術の核となるP1P5までの装置開発を支援し、さらに、光マイクロバブルフォームによる洗浄技術の研究にも尽力し続けてきた。

この現在の状況は、高専から生まれたわが国発のオリジナル技術の発展が、その技術イノベーションを経て経済史的イノベーションへと転化してきているといえ、その今後の発展が大いに注目される。

(2)グリーンイノベーションについて

 上記のイノベーションとほぼ時を同じくして2つ目のグリーンイノベーションが沖縄の恩納村を中心にして起こっている。もともとは、2019年ごろに、恩納村の植物工場を訪ね、そこを見学したことから始まった。

周知のように沖縄は亜熱帯地方であり、夏場のハウスのなかは50℃にもなり、そこでのレタス栽培に苦労していて、その改善のために光マイクロバブル技術の導入を勧めたことで、その導入がなされたことが始まりであった。

この栽培においては、光マイクロバブルの植物活性作用を利用して苗から幼葉の生育において抜群の成長力を発揮させることが重要であり、それによって、室温50℃という過酷な条件下においても立派にグリーンレタスが早期に成長できることを実現させた。

また、その成果を踏まえて、2022年には、さらに光マイクロバブル発生装置の大規模再導入がなされ、より効率的で早期の栽培が可能になった。

これらの成果を修めてきたことで、2025年には大手野菜栽培会社との協力共同が可能となり、販売促進が可能となった。これに備えて、沖縄県I市に現在の恩納村の植物工場の2倍(1650㎡×2倍)の植物工場設置工事が進んでいる。さらに、O村においても、その2倍の面積の植物工場設置が決まっている。

これらの栽培面積の拡大と販売促進によって、ハウス温度50℃でも栽培可能なグリーンレタス栽培(味がよく、嫌味がない、1か月状の長持ちなどの特徴)が実現されるようになり、その技術イノベーションが、年間売り上げ数億円へと拡販していく経済イノベーションへと発展していることが明らかになっている。

なお沖縄では、各種のレタス栽培を中心とする植物工場が同時期に導入されてきたが、そのほとんどすべてにおいて採算が取れずに撤退と赤字経営を余儀なくされてきた。

そのなかで、唯一のブレイクスルーを実現してきたのが、この光マイクロバブル技術を巧みに適用してきた植物工場であったことから、今後の沖縄においては、この光マイクロバブル型植物工場が、典型的モデルとなって、より積極的に導入されていく可能性を高めている。

また、この沖縄での成功は、より南の国々への技術導入の可能性を秘めていて、その沖縄での小さくない成功が、その引き金となっていくであろう。

本ブレイクスルー研究所は、この導入時からの支援を持続的に行ってきており、今後も小さくない支援を続けていく予定である。なお、このグリーンイノベーションも高専発のオリジナル技術であり、その2例目として認知され、大いに注目されるであろう。

なお最後に、これらの本研究所の活動は、本学会が掲げる技術革新と社会実装の推進に直接寄与するものであることを付記する。


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                          ローズマリー(前庭)