「暖かい初冬」

 いつものように杵築駅8時33分発の特急ソニック16号に乗り込み、中津に向かいました。

 これまでは列車の前方に向かって右側の席でしたが、本日は空き席がなく左側に座りました。

 この車窓からは、宇佐平野の田圃風景とその奥には安心院や耶馬渓に位置する山並みが、やや霞んで見えました。

 列車が柳ヶ浦駅を過ぎるころに至ると、幼いころに、毎日のように眺めてきた八面山(はちめんざん。どの方角からみても同じように見える)の雄姿がありました。

 中学校の二階の教室からは、この姿が常に見え、美術の時間には、この山をよく描いていたことを想いだします。

 しかし列車が中津に近づいていくと、この姿が変容し、西の端の大きな立岩の壁の傾斜が微妙に変化して、それはおとなしい様相になっていました。

 「やはり、八面山は、宇佐市四日市から観た姿が一番美しい、私の中学校時代に観た姿が一番勇ましい」

 こう懐かしみました。

 9時過ぎに中津駅に到着、すぐにタクシーでK整形外科病院へ。

 そこで血圧、体温などを計った後に血液採取しました。

 本日はベテランの看護士さんでしたので、一度で無事採血が済みほっとしました。

 その結果、肝心のヘモグロビンA1Cが正常値により接近していました。

 先生からは「何も問題はありません」といわれました。

 ただし、血中のカリウムの量が若干増えていましたので、このことを尋ねられました。

 先生から示された資料のなかに、納豆がカリウムが多いとありましたので、こう答えておきました。

 「最近、毎日のように納豆をいただいていますので、そのせいかもしれません。しかし、この納豆のおかげで血糖値が低下したのではないかとおみうのですが、どうでしょうか」

 先生は、これについては笑っておられて、何も返事がありませんでした。

お任せ定食(900円)

 その後、薬局で薬をもらい、タクシーで駅前の割烹「丸清」へ、すでに家内が先に着いていて「お任せ定食」が注文されていました。

 目の前に出されてきた料理は立派で、メインはメンチカツ、ほかにはソーメン入り味噌汁とポテトサラダなどがありました。

 「今日の料理は、かなり充実しているね!今日は数値がよかったので、褒美として生ビールを飲むことにしました」

 久しぶりの家内との愉快な昼食を終えて、彼女は歯の定期検診へ、私は、駅の構内にある八百屋の傍にある椅子に座って読書を愉しみました。

 間もなく、検診を終えた家内がやってきて、早速八百屋で野菜を購入していました。

 ここは新鮮野菜が安く売られていますんので、家内は、この店主と顔なじみになっていて、たくさんの野菜を購入するので喜ばれていました。

 なかでも、イチゴの「ヤマオウ」が格安で並んでいましたので、それを少し購入していました。
ノースライナー

 帰路は、13時55分中津駅発の高速バス「ノースライナー」に乗り込みました。

 例によって乗客は少なく、終点の大分空港から降りる客は私たちを含めてわずか3名でした。

 この高速バスに乗車していつも快くおもうのは、中津、宇佐、高田の市街地を抜けた後に、国東半島の森のなかを通過する際の車窓からのみごとな景色に出会うからです。

 この森に入ると、冬の広葉樹が優しく色づき、半島の中心部に向かうと、その彩が赤みを帯びて、より鮮やかさを増してくる様を心躍らせて観続けてました。

 そして、国東半島の中央部の高原平野を過ぎると、今度は下りながら、その森のなかを再び過り、一路空港へと向かっていきます。

 徐々に視野が開け、今度は両側の丘の上の森を挟んで稲作の田圃と丘に隣接した家屋群が観えてきます。

 ここで、ほっとして田舎の家屋街に進み、約2時間のバス乗車は終わりとなり、終点の大分空港に到着します。

 この降車時に、ちょっとしたことが起こりました。

 私たちを含めて3人のうちの男性の客が先に降りたのですが、その後で私が降りる番になって、その客が乗車金を払う際にバッグを席に置いたままで忘れて降りていました。

 それを運転手に告げると、かれが慌てて大声で、その乗客を呼び戻して忘れ物を届けていました。

 おそらく、このバッグの中に貴重品が入っていたとおもわれますので、事なきを得たというか、真に危うい処の発見でした。
 
 このバッグのことを咄嗟に運転手に告げなかったら、運転手は、そのままバスで行ってしまったはずです。

 もしかしたら、そのなかに航空券やお金が入っていたら、この旅行者はさぞかし困ってしまったでしょう。

 他人事ながら、それに気づいて、すぐに運転手に知らせてよかったとおもいました。
 
 空港からは、車で近くのスーパーへ、明日は、福岡からのお客がありますんので、よい魚がないかと探しました。

 そこには、地元産の鯛と長崎産のサバ、太刀魚の刺身などがあり、これらでもてなすことにしました。
 
 こうして17時すぎに帰宅、ほっと一息、夕食は、三パック1000円のうちの鯵の刺身とポテトサラダ、少々のワインを美味しくいただきました。

 真に、いろいろなことがあった中津行きの小旅行となりました。

 偶に、このような外部刺激を受けることは、よいことですね(つづく)。

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水菜(緑砦館1)