山形・酒田からの来客(2)  
 
 19日の朝9時前に、Oさん夫婦が来訪されました。

 山形県の酒田から、キャンピングカーで揃って南下されてきたそうで、その挙行には少々驚きました。

 そういえば、私のすぐ上の姉は、ご主人と一緒に日本一周の旅を行ったと語っておられました。

 高齢者になってからのゆっくりした旅は、それまでの人生を振り返るのに適していますね。

 それらには、まったく敵いませんが、来年二月には、家族で8日間の沖縄旅行に出かけることになりました。

 家内の方は、8枚目のCDづくりという大切な目的がありますが、私は、そのカバン持ちでしかなく、その間は、ホテルでゆっくり人生を振り返りながら書き物でもしようかとおもっています。

 さて、その酒田のOさんですが、約20年余の再会を非常に喜ばれていて、その間に積もり積もったエピソードを語り始めました。

 Oさんの専業は化学洗浄の分野だそうですが、かれの特徴は、幼いころから釣り好きで、それが歳を重ねるにしたがって本格化し、釣り雑誌の編集や漁師仲間との交流が進んで、その分野では、かなり有名な方になっていました。

現代の釣りキチ三平

 昔、マンガに『釣りキチ三平』がありましたが、この三平が成人になり、さらに高齢者になった姿と目の前のOさんが、重なって見えていました。

 酒田の沖は、庄内浜・飛島・日本海に広がる海域で、暖流・寒流の混合海域的構造を持ち、真鯛の天然資源が育まれていることで有名です。

 昔から、この地域は、「明石の鯛に勝るとも劣らない天然真鯛」の産地として知られています。

 この豊かな真鯛海域を背後にして、Oさんが、最初に提案したのは、海中に電灯(最近はLED灯)を下ろして魚を釣る方法、つまり集魚灯法に関することでした。

 最近では、このLED灯のなかで真鯛を引き寄せるのに効果的な波長も明らかになっているようで、その第一位は緑色の波長(520nm)、第二位は青色の波長(450nm)、第三位は白色とされています。

 しかし、真鯛そのものは、これらの光に直接反応するのではなく、これに反応するのは、動物性プランクトンや小魚であり、これらを摂取しようとして真鯛たちが集まってきて、それを捕獲するのが、この漁法です。

 なお、真鯛が回遊する水深は30~100mのようで、ここに、そのLEDと共に光マイクロバブルを投入したらどうか、これが最初の話題になりました。

 これに関連して、私がすぐにおもいだしたのが、北海道の噴火湾での出来事でした。

 もともとはホタテ貝に光マイクロバブルを供給する実験をしていたのですが、乗船員の一人が魚釣りを始めたところ、次々に大きなアイナメ(50~60㎝、アブラコ)が釣れ始めたことから、みんながこぞって釣りだして、その大物釣りの度に歓声を上げていました。

 しかも、船の右舷側では、その大きなアイナメが、そして反対の左舷側では、これまた大きなヒラメ(40~50㎝)もまた次々に連れ始めたのでした。

 たしか、このアブラコが98匹、ヒラメが約50枚という豊漁でした。

 これらを持ち帰って地元の漁師に尋ねると、いずれも、これらの魚は、一か所に集まっていないのだそうで、「噴火湾中のアブラコとヒラメを集めたのではないか!」と冗談半分にいっていました。

 そこで、光マイクロバブルが、この集魚効果を発揮したのかが問題になりましたが、この時の海中撮影をしたビデオをよく観察してみると、その光マイクロバブルが大量発生してゆるやかに上昇している様のなかに、たくさんの小魚が集まってきていることを確認しました。

 おそらく、このアブラコとヒラメは、小魚を餌にしていますので、それを目当てに集まってきたのでしょう。

 また、その小魚は、動植物プランクトンに寄ってきたのでしょう。

 光マイクロバブルの大量発生によって、ゆるやかな上昇流が形成され、それが、海の底からの上昇流も誘起させ、それらによって各種のプランクトンが浮上してきて、それを餌にする小魚が集まり、今度をそれを餌にするアブラコとヒラメが集まってきて、それを入れ食い状態で釣り上げたのでしょう。

 これと同じ現象が、今度は酒田沖の真鯛においても起こる可能性があり、そのLED灯とともに光マイクロバブルを発生させて鯛群を集め、釣る、これは、非常におもしろい新しい漁法になるのではないか、こう提案をしました。

LED+光マイクロバブル漁法

 この新漁法の長所を以下に示します。
 
 ①光マイクロバブルは、外部から発せられた光に乱反射します。一つの反射が、すぐ隣の光マイクロバブルに反射して、集団としても輝くことになります。

 ②また、光が届かない海域においては、すなわち深い海中においては、それだけ圧力が高くなりますので、光マイクロバブルはすぐに収縮して、内部圧力と温度を高めて熱エネルギーから光エネルギーに変換されて発光します。

 ➂この発光色は、青、緑、赤、白色であり、真鯛が寄ってきやすい発色です。

 ④発色のみならず、ゆるやかな上昇流を形成させますので、より下部に棲息していたプランクトンやより密度の濃い海水を上部へとゆるやかに上昇させることができます。

 ⑤ここに各種のプランクトンや小魚が集まってきて、それを目当てに真鯛が集まってきて釣りやすくなる可能性が生まれます。

 ⑥光マイクロバブルによって、その周囲の海水が、新たに水質浄化された栄養豊かな光マイクロバブル海水となり、それに小魚や真鯛たちが集まってくる可能性もあります。

 こう考えると、この新漁法は、たしかに検討に値するのではないか、これがOさんとの話し合いの重要な結果の最初の一つとなりました。

 このOさんとの「爽やか懇談」は、朝の9時前から始まり、それが終わったのは夕方の18時でしたので、延々と9時間に至りました。

 それゆえ、この最初の結論を得たことは、その序の口にすぎませんでした。

 次回も、Oさんとの懇談によって生まれたエピソードによりふかく分け入ることにしましょう。

 まだ、先は長いですよ(つづく)。

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ローズマリー(前庭)