「光マイクロバブルフォーム・イノベーション論(6)」

 本日は、第76回ナノプラネットゼミが、16時30分から18時30分においてオンラインで開催されますが、只今、その準備を終えたところですので、本稿の執筆にとりかかりました。

 この形式でゼミが開始されて、おそらく8回目ではないかとおもわれますが、「継続は力」の言葉にあるように、その定着にょるリズムを感じるようになり、そこにおいて、光マイクロバブルフォームに関する究明が進展してきた手ごたえを覚えています。

 これは、足元に潜んでいる泉を掘り当てるような営為であり、そこにスコップを入れて土砂を除けて掘り進んでいくうちに、その泉の水の小さな湧き出しが見えてきたような気がしています。

 「やはり、ここを掘っていってよかった!」

 この想いは、その水が沁みだしてきた様子によって裏付けされています。

 その「たしかなもの」を覚えながらですが、光マイクロバブルフォームイノベーション(LEMBF-TI)の論考をさらに進めることにしましょう。

技術イノベーションが技能イノベーションを誘起させた(1)

   この考察を行うにあたり、前記事において示した要点をまとめておきましょう。

 このLEMBF-TIは、次の2段階の構造的特徴を有しています。

 第一段階:科学的なLEMBFの3つの基本的特性(小ささ、多さ、広さ)

 第二段階:その基本的特性を活用した「LEMBFのかけ流し洗浄」

 この構造には、光マイクロバブルフォーム技術の実践者であるトリマーの技能が関係していました。

 より具体的には、この光マイクロバブルフォームによる技術イノベーションが、その実践者であるトリマーにおいて技能イノベーション(LEMBF-SI)を誘起させていました。

技術と技能の融合

 この技能イノベーションは、LEMBF-TIに誘起されて発生しました。

 その誘起の形態は、光マイクロバブルフォーム洗浄における技術的なイノベーションを実践的に利用する際に、それに適合する洗浄技能を学び、修得することが必要になりました。

 これは、「手もみによるシャンプーマクロ泡づくり洗浄」から「光マイクロバブルフォームによるかけ流し洗浄」への転換が遂げられたことでした。

 この転換においては、数ミリメートルサイズの泡から、それよりも約100~1000分の1以下のサイズを有する光マイクロバブルフォームの発生によって、飛躍的な微細化が実現されたことで、そこに技術的イノベーションの要素の一つがありました。

 この洗浄法の採用によって、洗浄技能は、手もみから、光マイクロバブルフォームを、そのノズルからかけ流すという方式に切り替わりました。

 それまでの、いかに指をすばやく、かつ強く動かして、被毛との摩擦によって泡を作る、その泡はより多く、より小さくなるようにしようとしたのですが、そこには限界があり、ミリサイズの泡をせいぜい数百個程度しか作れませんでした。

FOAMYの役割

 ところが、FOAMYの登場によって、ごく小さな泡づくりはトリマーご本人の役割ではなくなり、FOAMY自身が泡づくりの革命的主体者になってくれたのです。

 しかも、FOAMYが作り出した泡、つまり光マイクロバブルフォームは、手もみの泡よりも100~1000分の1以上にごく小さかったのです。

 この、いわば自動的に、ごく微小な泡が発生してきたことは、手もみの泡づくりに限界を覚えていたトリマーにとって、願ってもないことであり、その泡を手で触って小さくない手ごたえを覚えたのでした。

 おそらく、この泡であれば、かなりの汚れ落としをしてくれるに違いないとおもったことでしょう。

 そして、これを実際のワンちゃんの洗浄にどう使うかを考え始めた、どう、光マイクロバブルフォームによる洗浄技能を探り当てようか、となりました。

 その結果として、最も手っ取り早く、有効な方法として見出されたのが、光マイクロバブルフォームを直接「かけ流す」という「前代未聞」の洗浄技術と技能だったのです。

 「かけ流し、こんな簡単な方法で、本当にきれいに洗浄できるのか?」

 少なくないトリマーのみなさんは、FOAMYを最初に使ったときに、こうおもったはずです。

 しかし、目の前にあるごく小さな光マイクロバブルフォームを見て、こうもおもったはずです。

 「こんなに小さな泡は、これまで一度も見たことがない。

 これだけ小さいと、何か予想以上のことが起こるのかもしれない!」

 さらに、

 「何はともあれ、この見たことがない泡で、どこまできれいになるのかを確かめることが先だ!」

こうも想起したのではないでしょうか。

 ここで2つ目の驚きが生まれました。

 それは、光マイクロバブルフォーム洗浄を行った跡をよく観察すると、きめ細かい汚れまでがきれいに落ちていたからでした。

 「そうか、このかけ流しでよいのか!こんなに簡単な方法であっても、これまで落ちていなかった汚れが、ことごとくきれいになっているではないか!」

 それは、この驚愕が感動に変わっていった瞬間でもありました。

 また、この感動は、光マイクロバブルフォーム技術とそのかけ流し洗浄法の組み合わせが実践的にトリマーに認知されたことを意味していました。

 そして、ここから、このかけ流しの方法をより上手く取得していくのかという技能イノベーションの問題が真剣に探究されるようになりました。

 これは、「光マイクロバブルフォーム技術イノベーション」と「かけ流し洗浄技能イノベーション」の融合を意味し、この融合が、さらにそれを発展させる契機を誘起させたのでした。 

融合から結束へ

 トリマーが、これまで培ってきた技能力を、このかけ流し洗浄において最高度に発揮する方法は、どのような実践的方法なのか?

 これを、どう発展させていくのか、これらが、個々のトリマーにおいて直に問われ始めました。

 その課題は、次の2つにありました。

 ①いかに精密に洗浄できるのか。

 とくに、最も汚れが困難な皮脂膜や被毛のキューティクルの溝内の汚れ、毛穴の角質の汚れの除去において、その精密洗浄度が詳しく問われることになりました。

 ②いかに早く精密洗浄を終えることができるか。

 この時間短縮問題は、光マイクロバブルフォーム技術イノベーションが、光マイクロバブルフォーム経済イノベーションへ向かうことができるかどうかの試金石になる課題でした。

 しかも、この時間短縮の課題は、従来の洗浄時間を20分とすると、それが半減になるのか、さらに60%減、70%減になるのかにおいて、その経済イノベーションへの進行度に大きく影響する問題でした。

 こうして、光マイクロバブルフォーム技術イノベーションとそのかけ流し技能イノベーションの融合がより進み、そこに無くてはならない、硬く結び合う「結束」問題が新たに形成されるようになり、両イノベーションの統一的発展がめざされるようになりました。

 しかし、そこには、未だ「科学の目」が届いておらず、光マイクロバブルフォームとは何か、その物理科学的特性は何か、そのかけ流し洗浄が、なぜ最高度の洗浄技術に近いのかなど、これらの問題はほとんど究明されてはいませんでした。

 次回は、この未解明問題についてより深く分け入ることにしましょう(つづく)。

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光マイクロバブルフォーム洗浄の様子(㈱ナノプラネット研究所提供)