「一隅の灯」は宝になるか(32)

    今回から、ナノプラネットゼミの報告を、このシリーズで行うことにしました。

 その理由は、ナノプラネットゼミそのものが、かなり頻繁に行われるようになったために、その報告が追いつかなくなったことにありました。

 つまり、第67回の報告が終わらないうちに第68回が開催され、その報告を行わなければならないという事態になり、さらに、近々、第69回と第70回が、同日に行われる予定となったために、その順次の報告が難しくなってしまう恐れがでてきました。

 そこで、これらの動きを逐一気にせずに、一貫してナノプラネットゼミの報告を円滑に行う、その流れのスムースな概要的解説として報告することにしました。 
 
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8つの疑問

 上図に示された疑問を順に解説していきましょう。

 ①光マイクロバブルと光マイクロバブルフォームの違いは明確です。

 前者においては、界面活性剤(シャンプー液)が含まれていません。

 しかし、後者においては非常に低い濃度ではありますが、界面活性剤が混入されており、そのことが非常重要な特性を発揮するようになります。

 おもしろいことに、この両者は、兄弟のようによく似ていますが、それぞれ個性が違っていて、その差異が洗浄技術においては、非常に大きな格差を生じていました。

 これは、なかなか予知できないことでした。

光マイクロバブルフォームは新物質

 ②光マイクロバブルフォームの長所は?

 光マイクロバブルフォームとは、界面活性剤溶液が極低濃度において注がれた水溶液中で製造された光マイクロバブルのことです。

 極低濃度であっても、その界面において界面活性剤が覆われていると推察可能な泡(フォーム)です。

 光マイクロバブルも泡ですから、光マイクロバブルフォームは泡の泡ともいえます。

 これも、光マイクロバブルフォームの正体を突き留めるまでは、未知のことであったのです。

 光マイクロバブルよりははるかに小さく、そしてはるかに多く発生していました。

 これも予知できなかった「新物質」だったのです。

 そして、その長所の素は、光マイクロバブルよりはかなり小さく、そして遥かの多く発生していたことにありました。

 その2つの長所が、犬の洗浄という非常に難しい洗浄を、いとも簡単に成し遂げていたのです。

 これを換言すると、洗浄イノベーションを担ったのが、この光マイクロバブルフォームの「小ささ」と「多さ」だったということになります。

 それでも、この2つの優れた非常識が明らかになったのですが、それらが、直接的には、洗浄技術の革命、あるいはイノベーションを、どう起こしているのかについては、不明なことが多く、その全体像が観えるまでには至っていませんでした。

 犬の毛は、人よりも3倍小さく、3倍多い、そして皮膚は、毛で覆われ保護されているから非常に弱く、しかも、日本の高温多湿の気候に合わない洋犬は、すぐに皮膚病を患うという悪条件が加わります。

 単に洗うだけではなく、そのケアも大切に行わなければならない、それが日本のトリマーのみなさんに背負わされた重大な課題だったのです。 

 次回は、上記三番目の「なぜ」に、よりおもしろく分け入ることにしましょう(つづく)。

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紫陽花(前庭