光マイクロバブル技術考(1)
ブログの記事を毎日2000字前後執筆することが、私の習慣あるいは癖(くせ)になって久しいのですが、それが、突発的なことがいくつか重なることで中断してしまうことがあります。
それが起こると、どういうわけか筆が重くなって、すぐに改善できないままに長引いてしまうこともあります。
しかし、それとは反対に何も問題なく改善されて、スイスイと筆が進む場合もあります。
この2つの現象が同居しながらの17年間でしたが、それが交互に起こるという人間の心理というものは真にふしぎですね。
さて、4月の中旬ごろから、いろいろなことが重なったことから、その皺(しわ)寄せが、本ブログの執筆に影響を及ぼしていました。
なんとか回復しようと少しづつ努力し、ようやく本日、あと少しのところまで漕ぎつけるところまでやってきました。
そんななかで第5950回の記念シリーズの日を迎えることができました。
嬉しいことに、大台の6000回まではわずかに50日にまで迫ってきましたので、「とうとう、ここまで来たか!」と心がやや弾みました。
いつものように、それでは、この記念シリーズのテーマを何にするか、この思案を始めました。
予め、それを考えてはいなかったので、どうしようかと思案に明け暮れるのではないか、その不安が最初に過りました。
すでに50回ごとにいくつもの記念シリーズを執筆し、しかも、それがかなり持続するということになっていますので、それを重ねるにつれて、その想起がより難しくなってきていました。
今回もそうなるのかもしれないとおもいながら、それでも、よいアイデアはないかと思考を深めていくと突如、本主題が浮かんできました。
二段階論
それは、1995年の創成以来の光マイクロバブル技術を振り返りながら、その技術イノベーション性に焦点を当てて考察をし直してみようとという想起でした。
この初歩的問題意識は、すでに、「OIだより(4800回記念)(41)一隅の灯(15)」において、次のように概略的に示されています。
第一段階:光マイクロバブルを発生させて、その物理科学的特性や生物活性の特徴を活かすことを主眼とする。
第二段階:光マイクロバブルの特徴をより引き出す物質との組み合わせによって、より効果的に、その作用効果をもたらすようにする。
本論においては、これらの区別を行いながら、その第二段階おける諸問題をよりふかく、そして、よりおもしろく考察していくことにしました。
なぜ、このような区別が必要だとおもうようになったのか、その理由は、以下の2つがありました。
①第一段階における光マイクロバブルの構成物質は気体と液体の2つの物質です。
前者における代表物質は空気であり、これは酸素と窒素で成り立っており、それらを光マイクロバブル化することによって、それぞれの特徴を引き出しながら化学反応を起こさせることに本質的利用の問題がありました。
後者における代表的な物質は、自然水と海水であり、それぞれにおいて光マイクロバブルの発生量がかなり異なる現象を生み出しました。
この気体と液体の組み合わせによって、その溶存特性や化学反応特性が微妙に異なることで、その適用を考察するということが主な研究の道筋でした。
なかでも、その光マイクロバブルと光マイクロバブル水が生物における生理活性作用を誘起させることが非常に重要なことでした。
これらの究明は、科学的に非常に重要であり、そこにイノベーションの萌芽が認められましたが、それが自己運動的に、そしてすぐに発展して本格的なイノベーションに到達して花開くという現象は起こりませんでした。
この理由を究明するために、さまざまなイノベーション論を学習してきましたが、そのなかで、最も納得のいくイノベーション論がマット・リドレーによる『人類とイノベーション』のなかの「イノベーションの本質論」(すでに、本記事において紹介済み)でした。
この本質論における15項目において、かなりの類似性はあるものの、そこには、決定的にイノベーションの生育、発達において何か欠けているものがあるのではないか、この観点が形成されてきました。
②第二段階へのアプローチは、さらに光マイクロバブルの優れた特徴をより鮮明に、より確実に、より独創的に探究していく必要があることを示唆していました。
はたして、そのような究明は可能なのか?
その先行的実践例はないのか?
あるとすれば、それは、1)A気体+B液体+C気体、2)A気体+B液体+D液体、3)A気体+B液体+D液体+E液体のうちのいずれかになるのではないか?
このような疑問が湧いてきました。
次回は、この疑問により詳しく分け入ることにしましょう(つづく)。
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