先生におかれましては、ますます、ご健勝のこととお慶び申し上げます。
その後、お母様の具合はいかがですか。
引き続きのご孝行をよろしくお願いいたします。
7枚目のCD
さてこの度、家内のCDが新たに製作されましたので送付いたします。
この製作は、昨年10月に沖縄で行われ、その折に久しぶりの南国情緒に触れることができました。
といっても、今回はかばん持ちのような存在であり、その演奏と製作が上手くいくように手助けをなすことと励ますことが私の役割でした。
このでき具合がよく、14年という歳月を経ての、そして高貴(後期)高齢者に接近していたこともあってのことでしたので、これをしんみりと鑑賞する日々が続いています。
朝起きると、私自身が特製のコーヒーを淹れ(「森のコーヒー」と呼ばれる最高水準のコーヒーではないかとおもっている)、寛ぎながら、この歌声を聴くことが習慣になってしまいました。
このCDは、家内にとっては、7枚目、その製作は、じつに14年ぶりのこととなりました。
じつは、昨年の2月に彼女の誕生祝に何をプレゼントしようかを思案し、それがなかなか決まらなかったので、そういえば、彼女と結婚したころに、人生において合計で10枚のCDを作成することを目標にしたらどうですか、という話をしていましたので、
「誕生祝に、新たなCDの製作費をプレゼントするのはどうですか?」
と尋ねました。
そしたら、彼女は俄然喜んで、その気になってしまいました。
以来、日々の練習を熱心に重ねて10月の収録、製作に結びついたという訳でした。
そんなこともあり、今回のCD製作は彼女にとっても特別のこととなり、最終目標の10枚へ接近していく「偉大な一歩」になったようです。
これを眺めていて、彼女は高貴高齢者になり始めたとおもいました。
2つの光マイクロバブル研究
第2は、昨年の秋以来、若い研究員が週3回、2時間前後において共同の研究(実験)を行うようになって、そこでの成果が徐々に出始めたことです。
ご承知のように、光マイクロバブル技術は、1995年の公開以来、約30年の歳月を経て、さまざまな分野で小さくない発展を遂げてきましたが、しかし、それを象徴的に表すようなイノベーションにまでは発展していません。
その最大の理由は、非常に幅広い分野において現場の技術と結びついて、それこそコツコツとゆるやかに発展していくということにあります。
名著『人類とイノベーション』の著者マット・リドレーは、イノベーションを理解するようになるのに15年はかかる、短期的には過大評価して、長期的には過小評価をするといっていますが、光マイクロバブルの場合は、15年どころか30年を要し、そして、この過大と過小の法則が当てはまるという傾向を有しているようです。
もう一つの重大な理由は、イノベーションと呼ぶことができる領域にまで到達したモデルの事例が、未だ出現していないことであり、ここでは、それを担う人々の輩出と、その人々を核としての共同と協力が幾重にも、そして広大にしっかりと形成されていないことにあります。
こう考えると、光マイクロバブル技術は途方ないものであり、千里の道の先にある巨大な社なのかもしれませんね。
古代の出雲大社は、高さ45mの柱を3本束ねて、それを6本立てて、地上45mのところに社を築いて、ここに船でやってきた人々が階段を上って、その社に参拝したそうです。
これに準えるならば、その階段の2~3段のところにしか上がっていない、それが光マイクロバブル技術の到達点と考えてよいでしょう。
千里の道に因むとすれば、未だ一里の歩行でしかないのかもしれません。
こう考えてしまうと、「人生は短し、学問は長し(京大教授であった山本宣治による石碑の言葉)」を甘受することになりますが、一方で、「イノベーションは予測できずに偶然やってくる」のだそうで、その可能性をひたすら探究していこうともおもっています。
そこで、この後者の方を信じて、上記のように若い研究員との共同の探究が始まりました。かれは、非常に素直で熱心であり、まるで高専生のようで、二昔のことがおもいだされます。
おかげで、若い頃に、日夜実験室で過ごした昔の研究意識が幾分蘇ってきたようで、新たに「非常識なこと」を見出し、さらに、その非常識の世界に突入していくことを「ゆかいに想う」ことを楽しんでいます。
第1次光マイクロバブルイノベーションの兆し
やや、専門的になりますが、水のなかに界面活性剤(シャンプー液)を入れて光マイクロバブルを発生させると、従来の認識とは異なる相当に小さな光マイクロバブルの泡(「光マイクロバブルフォーム」と呼んでいる)が発生することが究明され、これが非常に画期的な洗浄技術と深く結びついていることが明らかになり始めています。
また、この技術開発研究の到達は、今のところ、光マイクロバブルイノベーションを生起させることにおいて一番近い位置にあり、その研究体制、製造体制、販売体制が逐次整いつつあります。
ペット業界という小さな世界での現象ですが、これを大切に育ててイノベーション性を深めて本物にしていくことで、みなさんの成就にしていくことがよいのではないかと密かに期待しています。
私も、この若い研究員とともに、このイノベーションを担う隊列の一員として参加し、その科学的究明と理論化を担うことになっています。
また、この実現を契機に、今年は、これを基礎にして光マイクロバブルに関するやり残した、しかも非常に重要な課題の探究を行う予定でもあり、よき相棒を得て、やり残した仕事に挑む、という情熱を抱いています。
この課題の一つに、これまでの一連の研究の到達点といってもよい本質的な究明の問題があります。
もともとは、九州のS大学と長崎にある国の水産研究センターの部長格の研究員(従兄)との共同研究から端を発したものですが、そのなかの非常に重要な部分を私の責任において実践することになったことから、この取り組みが本格化に始まります。
このテーマは、非常に重要で本質的ですので、その暁には、ぜひとも先生と熱い議論を交わし、その未来に広がる可能性と展望を語り合いたいとおもいます。
このように、光マイクロバブル技術の最先端を探究しながらも、それらを体系的にまとめる、これらが、今年の課題といえるでしょう。これらによって、少々世間を吃驚させることができると、真にゆかいですね(つづく)。
ミモザ(前庭)
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