「一隅の灯」は宝になるか(11)

 D君との共同において、やや中断する事態となりました。

 それは、市販のビデオカメラを用いて10マイクロメートル(㎛)前後のサイズの光マイクロバブルフォームを精密な可視化動画を得ようとしたことが、尋常な方法では撮影できないことによるものでした。

 予想はしていたものの、いざ、それを可能にしようと改善と工夫を重ねてきましたが、やはり、かなりの無理がいくつかあったようです。

 その第1は、10㎛前後の光マイクロバブルフォームを精密に可視化するには、400~500倍の拡大撮影が必要になります。

 ところが、この撮影に用いたビデオカメラはの最大拡大率は20倍でしかなく、これのみでは光マイクロバブルフォームの瀬光撮影は不可能です。

 たとえば、直径10㎛の気泡は、0.01㎜ですので、これを20倍すると0.2㎜となり、これをビデオカメラの画像上で精密に識別することは困難でした。

 そこで、これを10倍加して、ようやく見えそうになりそうですが、しかし、その画像において精度よく読み取ることが可能になるには、さらに、その10分の1サイズ、すなわち1㎛を最小までを計測を可能とするようにしなければなりません。

 第2は、動画撮影が可能な光量を確保する課題です。

 周知のように、ビデオ画像を鮮明に撮影するには、明るい照明が必要になります。

 しかし、この場合には、光マイクロバブルフォームのみに光を照射して、他の物体には光を与えないことが必要になります。

 なぜなら、光マイクロバブルフォーム以外の物体に光が照射されると、それらが光って、光マイクロバブルフォームとの区別が不可能になるからです。

 光が強すぎると何もかもが光りすぎて光マイクロバブルフォームとの区別ができないようになり、逆に光が弱すぎると、今度は肝心の光マイクロバブルフォームそのものが可視化されないようになる、ここに撮影法における小さくないジレンマがありました。

 光量を最小限に絞りながら、その条件下で、光マイクロバブルフォームのみを精密撮影が可能な動画像を得ることができるようにする、これが今尚、乗り越えていかねばならない課題として立ちはだかっています。

 D君には、この問題を最初から考え直してみましょうといって、少し検討期間を設けることにしました。

次の大きな壁

 さて、光マイクロバブルフォームは、シャンプー液をお湯に入れて、光マイクロバブルを発生させた時に形成されます。

 この光マイクロバブルフォームの物理化学的特性は、光マイクロバブルのそれとかなり異なった固有の特性が存在することが明らかになり始めています。

 この特性をより科学的に究明していくことが重要であり、それが、引き続いての重要課題となっています。

 さて、次に待ち構えているのが、淡水中にシャンプー液を注入して、そのなかに油脂成分が存在している場合に、その光マイクロバブルフォームがどのような変質を遂げていくのか、そして、その油脂成分はどうなっていくのか、という問題です。

 これも、小さくない壁といえそうで、この未知の課題を究明していくことになります。

 先は遠く、荒野を歩いていくようになるのかもしれませんね(つづく)。

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ミモザ(前庭)