①について:
これに関しては、前記事において示した、次の私の見解を再録しておきましょう。
「8月の中旬からの海水温の異常高温化によって、海水温が29℃を超える日々が続き、その過程で、成貝のひとつが弱って斃死し、そのカキ殻のなかの身が腐敗することによって、無酸素状態になり、その無酸素水塊が流れ出し、周囲のカキを斃死させる原因となり、大量斃死の引き金となる。
この引き金によって、カキ筏のカキが連鎖反応的に斃死に追い込まれていった。
その後、大きなカキが入っていた殻は空っぽになり、そこに最後の放卵による妖精が付着して、小粒の半成貝が成長した。
これを1月になって収穫し、カキ小屋のカキとして商品化した」
この考察に関しては、次の2つの体験的学習が参考になりました。
1)1998年の広島湾における赤潮の発生によって、カキの大量斃死があり、総額で45億円という壊滅的被害がもたらされました。
このとき、公的機関から主張されたのが「密植説」であり、それは、カキを多く作りすぎて海が汚れたために、新種のプランクトンが発生し、それで大量に斃死したという、とんでもない見解でした。
これに対して、被害現場の江田島湾におけるカキ養殖業者は、このように主張していました。
「水深2m以下、すなわち、吊るされていた2mから10mのカキは全滅したが、2mよりも浅いところのカキのほとんどは生きていた」
このことは、何を意味していたのか、現場のカキ養殖漁師と一緒に、この議論を詰めていきました。
これは、水深2m以下と以上で、カキの生き死にが明確に別れていたという事実を述べていました。
新種のプランクトン(ペテロカプサ・サーキュラリスカーマ)の大量発生(これを赤潮と呼んでいた)は、カキ筏の水深の浅い深いに関係なく影響を与え、それが心臓に入り込むと斃死するとされていました。
また、このプランクトンの影響は、水深に関係なく、カキ筏に吊るされた水深10mにわたるカキに影響を与えていました。
しかし、水深2mまでのカキはかなりのものが生きていて、それ以下は、全滅していたのです。
それらは、明らかに水深2までと、それ以上において異なっていると推察されていましたが、その後者におけるカキの大量斃死の原因が究明されていませんでした。
この水深2m以下のカキの大量斃死は、ヘテロカプサによって斃死したカキが腐敗し、さらに、そのヘテロカプサの大量死によって酸欠になったことが合わさって、すなわち両方による酸欠によってほとんどのカキが大量斃死したものだと考えられました。
2)この大量斃死は翌年の夏にも発生し、光マイクロバブルを与えていなかった周囲のカキはほとんど斃死し、光マイクロバブルを与えたカキのみが生きていました。
この事実を現場で確認し、光マイクロバブルの素晴らしさを改めて認識し直しました。
この背後には、前年と同じように、その植物プランクトンが発生していたにもかかわらず、それが詳しく公表されていなかったことから、この斃死問題が明らかにされていませんでした。
いつもそうですが、都合の悪い情報は常に秘匿され続けるのです。
この現場では、大きなカキの殻のなかには身がないものが多くありました。
また、最近死んだという腐敗したカキの身が流れ出しているのも目撃しました。
これは、ヘテロカプサ赤潮プランクトンによって斃死したカキの群れが、腐敗し、それによって周囲の溶存酸素成分が吸収され、その結果として大量のカキの斃死現象が起きたことを示していました。
②と➂について:
これはご指摘の通りです。
溶存酸素濃度が低下して4㎎/ℓ程度のなるとカキは、約3日しか生命を維持できません。
また、1㎎/ℓでは、一日も持たずに死んでしまいます。
広い海ですので、そこでの溶存酸素濃度を急速に改善することは容易ではありません。
また、それを達成するには、非常に大規模な光マイクロバブル発生装置が必要になります。
ここで非常に重要なことは、溶存酸素濃度が低下している海域において、それを改善することがカキの斃死防止には必要なことですが、それは容易ではなく、時間を要することなのです。
溶存酸素濃度の改善は、呼吸活動の手助けにはなりますが、それによって生物活性作用が生起し、低溶存酸素濃度下の海であっても、生き抜くことは難しいということです。
すなわち、溶存酸素濃度の改善は、酸素呼吸に有用であるが、生物活性には結びつかない、低溶存酸素濃度下において、生命活動を活性化させることには強い寄与をもたらすことができないのです。
もっと簡単にいえば、酸素には、生物活性要素が認められない、といえます。
また、溶存酸素不足の海域において、溶存酸素を改善していくことは有用ですが、逆に、豊富な溶存酸素下の海においては、それ以上に溶存酸素濃度を増やしても、その水生生物の活性化には結びつかない、ということでもあります。
以上のことをよく踏まえ、より科学的で、正しい理解をよろしくお願いします。
④について:
別稿でにおいてコメントしていますので、ここでは省略します(つづく)。
コメント
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大船渡湾でのYouTubeのインタビューは光マイクロバブル発生装置の稼働から38日目でしたが、大成先生は「疑いなくカキは太り成長しています」「肉が貝より大きくなっています」と述べておられます。更に混相流学会の報告書では、カキ殻の縞模様(成長肋)の肋間隔が210日目にカキをより近い地点に移動させると成長度が向上したことが観察されています。これは、これまでの常識と相反することで通常では考えられない現象です。水産庁のデータではカキは15℃以下では成長が遅くなります。210日目は2月28日で、気象庁のデータでは大船渡湾の水温は2月、3月は6~8℃で成長はゼロに近い筈で、第5表の縞間隔は220日目(3月9日)、240日目(3月29日)はゼロか極めて低い数値の筈です。それが逆に伸びている。すなわち、この期間に餌(プランクトン)と酸素の吸収が増加し、餌の酸化によるエネルギーの製造が活発になった証であり、それはカキの細胞が活性化し、代謝率が向上したことを証明しています。何が細胞を活性化したのか?研究報告にあるとおり「カキをより近い地点に移動させると再び成長度が向上している」、光マイクロバブルの生み出した酸素が、これまでの常識と相反する事象を出現したとしか考えられません。水温5℃の飽和酸素濃度は10.131 mg/L です。海水中で低温で光マイクロバブル発生装置は最もよく稼働し、飽和酸素濃度に近いDO濃度を創り出したことが、低温でもカキの細胞を活性化させ、代謝を向上してことで、縞間隔が伸びたものと推測します。
養鱒酸素濃度を高めることは、それが不足している処では有用です。それは酸素呼吸を促進させるために役立つからです。しかし、それで生理的、生物的活性作用が起こるわけではありません。そのことは、私たちの重要な探究課題でした。たとえば、溶存酸素濃度を飽和近くまで高めても、それによって血流促進が起こることはありません。これは、カキ、ホタテ、アコヤガイ、そして人においても確かめられてきたことです。また、酸素濃度を飽和以上に高濃度にしても、同様に生理活性は起こりません。
ご指摘の大船渡の事例は、溶存酸素濃度を高くして呼吸を盛んにしたことであり、それによって時間をかけてカキを成長させたと考察しています。また、冬場においてもカキの成長があったということに関しては、津波によって大船渡湾の底質が激変して改善したことに加えて、光マイクロバブルによる生理活性効果が作用したと考えられます。その際、溶存酸素の向上が、酸素呼吸を手助けしたともいえます。溶存酸素濃度が低くても、光マイクロバブルの生理活性作用が起こって、斃死を防いできた、この点が非常に重要といえます。ご賢察をよろしくお願いいたします。
光マイクロバブルによりカキの細胞が活性化され、その結果、代謝率(異化・同化作用)が向上し、餌(プランクトン)と酸素に対する需要が高まり、心臓血流の著しい増加という現象として可視化された、と理解しました。
光マイクロバブルによる知覚神経刺激を伴って、血流促進が起こることによって細胞が活性化され、その生理活性によって斃死を防止することが可能になる。
そのことを明らかにするために、その生け簀でサーモンが大量斃死し始めたとしましょうか。溶存酸素濃度の低下が原因だとして、溶存酸素濃度を増加させる方法を採用して実施したとします。しかし、それでも、溶存酸素の濃度は徐々にしか上がらず、その間にさらに大量のサーモンが死んでしまうことになります。なぜなら、子の斃死は、一匹のサーモンが死んで腐敗して、その周囲の酸素を急激に、しかもかなりの範囲で奪ってしまうからであり、それによって次々に連鎖斃死が起こります。この連鎖斃死を防ぐことはできず、ようやく溶存酸素濃度が回復した時点では、サーモンは一匹もいなくなったということになります。それゆえに、溶存酸素濃度の改善だけを優先して考えると小さくない間違いに陥ってしまいます。以上、ご賢察をよろしくお願いいたします。
ノルウェーでは漁業総局の規定により、Fisheries Wastes (漁業系の廃棄物)は政府の定めた処理方法により、処理を行うよう定めており、漁網やフロートなどプラスチックごみ、廃油、斃死した魚介類など、それぞれに処理が行われています。実際にどれくらいの数のアトランティクサーモンが死んでいるのかは発表されていません。
ここ10年はSEA LICE(海シラミ)によるサケの斃死が増えています。幼虫がサケの体に取り付き、体液を吸いながら体調10ミリほどの大きさに成長し、サケを殺してしまうという恐ろしい寄生虫で、養殖業者は困っているそうです。ほかのサケに海シラミが寄生しないように、多分斃死した魚は急いで撤去しているでしょうが、数が多いので時間はかかるかも知れません。
過剰養殖の密度の適正化に加え、光マイクロバブル(安いコストでDOの増加を図ることができる)の投入による代謝率の向上により、サケの健康状態は大幅に改善しますが、海シラミの問題は解決は難問だと思います。
「一読してみて、次の感想と意見を述べておきます。おそらく、あなたも、そして該当の養殖業者や研究者も同じ問題に嵌っているのではないかとおもいます。サーモンの斃死の原因が溶存酸素濃度の低下にあることはまちがいないでしょうが、その改善プロセスにおいてかなりの勘違いがあるようにおもわれます。
そのことを明らかにするために、その生け簀でサーモンが大量斃死し始めたとしましょうか。溶存酸素濃度の低下が原因だとして、溶存酸素濃度を増加させる方法を採用して実施したとします。しかし、それでも、溶存酸素の濃度は徐々にしか上がらず、その間にさらに大量のサーモンが死んでしまうことになります。なぜなら、子の斃死は、一匹のサーモンが死んで腐敗して、その周囲の酸素を急激に、しかもかなりの範囲で奪ってしまうからであり、それによって次々に連鎖斃死が起こります。この連鎖斃死を防ぐことはできず、ようやく溶存酸素濃度が回復した時点では、サーモンは一匹もいなくなったということになります。それゆえに、溶存酸素濃度の改善だけを優先して考えると小さくない間違いに陥ってしまいます。以上、ご賢察をよろしくお願いいたします」
水産養殖においてよく議論されたきたことは、体調が弱ると、病気を患いやすくなるということでした。たとえば、英虞湾のアコヤガイの赤変病にはウイルスが関係しているのではないかという見解がありましたが、その特定はできませんでした。一方で、光マイクロバブルで育てたアコヤガイには、その病気が発生しませんでした。健康な体を保つことが、病気や寄生虫を受け付けないことに結びつきます。これは植物でも同じことです。この問題は、その根本問題から考え直すことをしさしているゆにおもわれます。