サーターアンダーギー
沖縄には、球形をしたドーナツのような菓子があります。
その名は、サーターアンダーギーといいます。
「サーター」は砂糖のこと、アンダーギーは、「油で揚げたもの」を指しています。
結婚式などのめでたい時には、直径10㎝ほどのものが出てくることがあります。
また、この菓子は俗に「砂糖天ぷら」ともいわれています。
かつて、亡くなった祖母と、この砂糖天ぷら談義をしたことがあり、どこのものが一番おいしいかをめぐって語り合った懐かしい思い出もあります。
それによれば、沖縄で最も評判のよかったサーターアンダーギーは、あの有名な歌手の叔母さんが作って販売している「アムロのサーターアンダーギー」でした。
ところが、数年前から、それ以上に評判になってきたのが、三矢(ミツヤ)のサーターアンダーギーでした。
この売店が、名護市の道の駅にありましたので、私も、ここによく立ち寄って、それを購入していました。
また、亡き祖母も、そのことをよく知っておられましたので、このサーターアンダーギーをお土産に買って帰ると大変喜ばれていました。
こうして、あまりにも評判がよかったので、ある時は、一度に100個も購入したことがあり、これをみなさんに配って感謝されたこともありました。
この三矢のサーターアンダーギー売店が恩納村の道の駅にも最近できたそうで、そこに行ってみると、すでに30mほどの行列ができていて、ここで待って買うのは大変だと思って三矢の本店に向かうことになりました。
恩納村は、南北に長い地域ですので、58号線をより北上して、恩納村役場の傍に、その本店がありました。
ここを訪れたことは初めてであり、モダンな店内でしたが、意外と小さな造りでした。
100個ください
早速、店員に、こう注文しました。
「プレーンのサーターアンダーギーを100個ください!」
その可愛らしい女性の店員は、ぎょっとしながら工場の方に尋ねに行きました。
「午後2時であれば、100個を出すことはできます」
この時は11時でしたので、3時間は待てないと判断し、目の前のボックスに入れられていた各種のサーターアンダーギーを、それぞれ10個ずつ、合計で50個を購入しました。
店内には他のお客さんもいましたので、私が買い占めてはいけないと思って遠慮し、50個程度で控えることにしたのでした。
1個85円でしたが、その1個が年々小さくなってきたようで、ここでも物価高で、中身を小さくして売るという最近の商品傾向が現れていました。
この50個のサーターアンダーギーは、孫たちの土産のなかに入れましたので、そのほとんどがはけ、家に持ち帰った分も、すぐの来客に出しましたので、あっという間にすべてなくなりました。
やはり、50個では少なすぎたようでした。
その後、沖縄市にある一番大きなスーパーに行って、孫たちへの他のお土産品を買って、ついでに夕食用として、家内の分も含めて小さな海鮮丼を買って帰りました。
ホテルに戻ると、丸一日静養していたことで家内が元気になっていました。
どうやら、ホテルでゆっくり休みながら、妹夫婦からいただいたシークヮーサーをいくつか食べたことがよかったらしく、持参した海鮮丼もおいしく食べていました。
「声の調子は回復しましたか?明日は、録音できそうですか?」
「はい、大丈夫です!」
前日とは、打って変わったような元気な返事でした。
これで、今回の沖縄訪問の最大の目的である7枚目のCD録音が達成できそうだということになり、私も安堵いたしました。
早朝からの恩納村での植物工場に関する話し合いと見学、三矢のサーターアンダーギー、孫たちへのお土産さがしと購入、箱詰め、そして小さな海鮮丼の夕食など、私にしてはにぎやかな一日となりました。
明日は、家内の歌の録音が上手くいくように願うだけになりました。
これが無事終了すれば、私の沖縄紀行も最終版を迎えることになりそうです(つづく)。
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