2つの重要な変化
この半月の間に、2つの重大な変化が起こりました。
その一つが、日本における自公連立政権が大きく過半数割れしたことです。
嘘と誤魔化し、この問題が象徴的に表出したのが裏金問題であり、その組織的な犯罪行為が指摘されて木っ端微塵となっていく鉄槌が下ろされました。
しかし、その反省もなく、さらに嘘と誤魔化しを続けようとして、より墓穴を掘り、混迷を深める、この事態が進行しています。
メディアを含めて、この自公連立政権が大きく過半数割れを起こすという事態を、ほとんど誰も予想できませんでした。
せいぜい、自民党の議席後退はあっても、公明の議席を加えれば過半数割れはなく、政権を維持できるであろう、この予測が大半を占めていました。
ところが、投票日の3日前に、新聞赤旗のスクープで、裏金問題で非公認になった議員に対しても2000万円を支給していたことが判明し、これによって選挙情勢が一挙に悪化したことで、自公過半数割れがあるかもしれないという恐れが出てきました。
そして、実際は、その恐れの通りになりました。
非公認の当選議員を含めても、自公の過半数割れは続いており、その後の政治は一挙に不安定化しました。
これによってますます、自公連立政権は不安定化し、さまざまなうごめきが起こっています。
2つめの変化は、昨日のアメリカ大統領選の結果でした。
日本のほとんどのメディアは、アメリカの主要メディアに追随して、ハリス有利から、両者泊中、最後はハリスが盛り返したと報じていましたが、その結果は、みごとに外れ、トランプの圧勝に近いものになりました。
選挙人の数で300に迫り、絶対得票数でも勝り、上院でも52席以上、そして下院でも過半数以上を獲得しようとしていることから、これらは、それこそトランプ革命の足場が形成され始めたことを示唆しています。
これによって、アメリカの民主党を応援してきた主要メディアや大企業などは大変な打撃を受け、その後退と共に反省を余儀なくされてしまうでしょう。
同時に、情けないほどに対米従属を続けてきた歴代自民党政府とそれに参加した公明党による自公政権は、それにどう対応するのかで、大きな戸惑いを覚えているでしょう。
トランプの政策の基本は、アメリカ第一主義を貫徹させていくことですので、それは、現場の労働者、非白人を大切にし、生活を楽にすること、不法移民を無くすこと、そして製造業を復活させること、さらには、戦争を止めさせることなどにあります。
あるアメリカ在中の解説者は、アメリカをこのまま壊すのか、それとも再生させるのかが、この選挙によって問われたのであり、アメリカ国民は、その再生をトランプに託したのだといっていましたが、それと同じ選択の本質が、日本国民にも促されることになるように思われます。
日米の製造業問題
とくにアメリカにおける製造業の復活問題は、日本における製造業の復活問題をどうするかを考究させることに連動してきますので、これは非常に重要な日米の課題となってくるでしょう。
すでに、日本経済は、「失われた30年」が継続中であり、ますます混迷と衰退を進行させています。
このなかで、日本国民は円安による輸入物価の高騰によって、小麦や油などの食品物価の相次ぐ値上げ、30年以上も続く実質賃金の低下、高額な教育費などの生活難は、アメリカの国民が遭遇している問題と同質の状況があります。
このような状況において、トランプは、かつて世界をリードしていた製造業の復活を呼びかけ、それに呼応したのがイーロン・マスクでした。
かれは最近、素晴らしい新型の電池を開発しています。
これによって、やや低迷してきた電気自動車(EV)が、再度活発化していく可能性ができてきています。
このトランプとイーロン・マスクのコンビを中心軸にしたアメリカ製造業の復活と創生、これには夢とロマンを感じますね。
何事も、アメリカを真似て追いついていこうとしてきた日本においても、この指向と流れがおそらく必然的に押し寄せてくるのではないでしょうか。
これは、ものづくりの重要性を忘れかけている日本の企業にとってもよい刺激と示唆になっていくように思われます。
さて、その「ものづくり」は、日本人の得意とするところであり、イーロン・マスクに負けはしない底力を有しています。
もともと、かれは、日本の技術を基礎にして電気自動車の開発を行ったのですから、今度は、かれに追いついていくことが、日本の「ものづくり」の出番といえるのではないでしょうか。
こうして正しく競い合うことこそ、日米間のあるべき姿であるように思われます(つづく)。
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