沖縄料理(2)
沖縄にやってきて、真に美味しい手作りの沖縄料理をいただくことは、最高の醍醐味の一つといってもよいでしょう。
この料理には、古くからの沖縄の人々の苦心が凝集されていて、それぞれいいようのない優雅さと庶民性が含有されています。
前菜のシークヮーサーとウリズンに続いて食卓に登場してきたのは、ラフティーでした。
昔は、宮廷料理の一つとして珍重されてきたものですが、上質の豚肉を丁寧に甘辛く煮込んだものであり、真に上品な柔らかさとうま味の塊のような逸品といってよいでしょう。
また、このラフティーの味は、出される店や家庭ごとに微妙に異なっていて、それを確かめながらいただくのも楽しみの一つとなっています。
どうやら、このラフティーは、ご主人の妹さんが丹精込めて作られていたようで、かなりの上質の味でした。
まずは、その様子を示しておきましょう。
沖縄のいろいろなところで、このラフティーを賞味してきましたが、その最高の味だと思ってきたのは、恩納村にあるすし屋Zで作られたものだと思ってきました。
奇しくも、この寿司屋と同じ名前のZ家において出されたものは、それに次ぐうま味を覚えたラフティーでした。
脂の部分はかなり柔らかく、肉の部分は、適度に柔らかく、噛むほどに豚肉のうま味が出てきていました。
これには泡盛がよく合いますので、古酒8年ものの「長老」を少し出していただき、このコンビネーションをうれしく賞味することができました。
「これが、代々Z家において受け継がれてきた味ですね。すばらしい味です。美味しいですよ!」
また、ひとつ異なるラフティーの個性的な味を体験することができました。
さて、次は、メインディッシュのひとつで新鮮マグロの刺身がでてきました。
その写真を下に示しますが、何とも豪快な切り方であり、その厚みに少々驚きながら、しかし、それゆえに食べがいがあり、その美味さに感激しながらいただくことができました。
これは、ご主人のZさんが、わざわざ、那覇の朝の卸売市場で購入してきてくださっただけに、真に新鮮なマグロでした。
沖縄といえば、マグロは最高のもてなし魚ですので、これを豪快にいただくことができました。
柔らかく、そして新鮮な風味とうま味が豊かであり、思わず箸が進みました。
「このマグロは最高に美味しいですね。
それに、この豪快な厚みの切り方には驚きました。
おかげで、私の方も豪快にいただくことができました」
私どもが住む国東においても、スーパーの棚にマグロの刺身は並んでいますが、これらは、もちろん国東産ではありませんので、日ごろは滅多にマグロを食べることはありません。
しかし、沖縄では、離島の宮古島、本島の糸満や本部にはマグロ船の基地があり、その船に乗り込んで収入をえることが独身男性の重要な仕事のひとつでした。
この伝統が残っていて、何かお祝い事があると、このように新鮮マグロを豪快にいただくという風習が載っています。
私が沖縄在住の折には、本部漁港の傍に小さな食堂があり、そこでマグロを食べることを楽しみにしていました。
大皿にマグロが山盛りで800円、これは真に食べがいがあったマグロであり、ワクワクしながらいただきました。
その時のマグロの味を思い出しながら、この新鮮マグロのうま味を相当に堪能いたしました。
次回は、メイン料理の二つ目、中味汁の賞味感想に分け入ることにしましょう(つづく)。
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