沖縄料理
沖縄2日目の夜は、家内の妹のZ家の夕食に招待されました。
Z家の前庭では、祖母を偲ばせるブーゲンビリアとニトベカズラの美しい花々に迎えられました。
このブーゲンビリアは、すぐ近くにあった祖母の家で大切に育てられていたものをZ家に移設したのだそうです。
夕闇迫るなかで、鮮やかに咲いて、歓迎の意を表しているかのうようでした。
食卓テーブルを前にして、夕食が始まるのを待っていたところ、ご主人のZ氏がおもしろいことを教えてくださいました。
それは、シークヮーサーという、大分でいうカボスのようなすっぱいミカン類の実の食べ方についてでした。
カボスや柚子もそうですが、なかにたくさんの種が入っていますので、その処理に困りますが、その新しい食べ方とは、シークヮーサーの最下部の凹部に爪楊枝を指しこんで、その先端をぐるぐると回して、袋を破った後に、そのなかの出汁だけを絞るというものでした。
たしかに、その方法だと一切の種は出てきませんので、なるほど、これは便利だと感心しました。
この方法を二、三度自分で行ってみると、いずれも上手くいきましたので、そのうち、その出汁のことが気になり始めたので、それを一気に飲んでみました。
するとどうでしょう、完熟に近いシークヮーサーは、ほど良い酸味とともにうま味もあり、「これは、いける!」と少々驚きながら感激もしたのでした。
「このシークヮーサーは、旨いですね。すっぱいばかりのものかと思っていたのですが、本場の熟成シークヮーサーにはよい香りと風味がありますね」
「それはよかった!よかったら、いただいたシークヮーサーの半分を持って帰ってください」
こういわれ、ありがたくいただきました。
じつは、そのシークヮーサーが、その2日後に非常に重要な活躍をしたのでした。
シークヮーサー
さて前菜は、ウリズン(「シカクマメ」とも呼ばれている)でした。
これが、さっと湯がかれて、薄味のドレッシングがかけられて出てきました。
珍しい野菜なので、興味津々でいただきました。
サクサクとした歯触りと淡白な味がよく、いくつも口に運ぶことができました。
「これは珍しい野菜ですね。何という野菜ですか?」
こう尋ねると、「ウリズン」という回答がありました。
戦後、野菜が少ない沖縄において品種改良されて作られた野菜だそうで、沖縄の人々の食生活を支えた野菜のひとつとなったそうです。
沖縄は野菜が少ないから、野菜不足にならないようにと心掛けてきた私にとっては、このウリズンは、格好の野菜でした。
思わず、うれしくなって、このウリズンの美味しさを確かめながらいただきました。
もちろん、このウリズンにシークヮーサーをかけると、さらに美味になっていました。
そのウリズンの写真を示しておきましょう。
こうして、夕食の前菜を楽しくいただくことができました(つづく)。
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