不易流行と光マイクロバブル(7)

 不朽の価値(4-2)

 前記事からの続きです。

トリミング技術におけるブレイクスルー(2)

 光マイクロバブル洗浄法における第二の特徴を示します。

 2)従来の手でゴシゴシと被毛を泡立る方法が一切不要になり、そのゴシゴシ泡よりもきめ細かい泡を大量に発生させて、次々に噴出させたことから、その第一の特徴として抜群の洗浄力を発揮しただけでなく、その洗浄時間を大幅に短縮することができるようになりました。

 ゴシゴシ泡立ての時間が、そっくりそのまま省略できたことから、小型犬の場合は数分、中型犬の場合は十数分、そして大型犬の場合は数十分もの時間短縮がなされるようになりました。

 この短縮は、トリマーにとって大変うれしいことであり、2つ目の画期的なブレイクスルーとなりました。

 具体的には、小型犬の場合に、従来の洗浄時間10分をわずか4分に短縮させました。

 もともと、ワンちゃんは、被毛が多く、そして細いうえに、油脂成分が発生しやすく、そこに微生物が発生してワンちゃん特有の臭いを放つようになります。

 トリマーは、これをきれいに落として、可能な限り短時間に洗浄することを、とことん徹底していくことめざしています。

 飼い主としては非常に難しい油汚れのワンちゃんをてきぱきと素早く洗浄してしまうことが、プロとしてのトリマーの仕事なのです。

 そして、この洗浄時間の短縮は、洗浄が終わるのを待っている飼い主には喜ばれ、トリマー自身にとっては、次のワンちゃんのトリミングに取りかかることを可能にしたことから、一日のトリミング件数を増加させることに結びつき、その分だけ収益を上げることができるようになりました。

 これも、非常にうれしいことでした。

 3)Mさんは、その光マイクロバブル洗浄装置を駆使しているうちに、1回の洗浄におけるシャンプー液の使用量を極端に減らせることに気付きました。

 これが第3のブレイクスルーでした。

 Mさんは、小型犬の場合に、それまではシャンプー液を約10ml使用していましたが、これを徐々に減らしていき、このように、当時は、シャンプー液を利用して、いかに細かい泡をたくさん作って洗浄力を高めるのか、これをトリマーのみなさんは究めていこうとしていました。

 その際、シャンプーの量をどの程度使うかは、それが少ないほど節約になってよかったものの、それは二の次に問題でした。

 それよりは、いかに高洗浄力を確保して素早く被毛をきれいにしてしまうかが、最重要の課題だったのです。

 この課題に対して、痛烈な問題提起とそのブレイクスルーを実現させたのが、光マイクロバブル洗浄法でした。

 それは、それまでトリマーたちが苦心しながら競っていたシャンプー注入による被毛のゴシゴシ手もみを全く不要にしたからであり、これはトリマーのMさんにとっては革命的といってもよいほどのブレイクスルー(打開)だったのです。

 具体的には、次のようにシャンプー使用量の削減を可能にしました。

 ①小型犬の場合
  従来の20mlを10mlに削減(50%減)

 ②中型犬の場合
  従来の80mlを15mlに削減(83%減)

 ➂大型犬の場合
  従来の600mlを60mlに削減(90%減)

 これは、トリマーにとって直接的な経費の削減となったことから、非常に喜ばしいことでした。

 また、この削減によって、トリマーの手荒れ防止がより可能になったこと、さらには、洗浄後の排液におけるシャンプー量の大幅な削減によって、環境汚染の軽減に結びついたことも、かなり注目されたことでした。

 以上をまとめると、次の3つの優れた特徴と利点が明らかになりました。

 1)光マイクロバブルの発生に伴って、大量のきめ細かい泡を簡単に製造することによって大幅な洗浄力のアップを実現させた。

 2)抜群のより高度な洗浄力の発揮によって、大幅な洗浄時間の短縮が可能になった。

 3)大幅なシャンプー使用量の削減が可能となって、経費の削減、手荒れ防止、環境にやさいいシャンプー排液量を少なくした。 

 これらは、飼い主やトリマーにとって非常に重要な改善効果であり、そこには、不朽の価値ともいえる要素がいくつも含まれているように思われます。

 このMさんによる試験結果が基礎となり、光マイクロバブルによる洗浄技術の発展は、より本質的な発展を遂げて、そのブレイクスルーを重ねていくことになりました。

 次回は、その後のブレイクスルーについて分け入ることにしましょう(つづく)。

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光マイクロバブルフォームで洗浄中のワンちゃん