数年ぶりの沖縄旅行

 数年ぶりに、沖縄を訪ねることになりました。

 今回は、家内が、じつに14年ぶりに、沖縄で7枚目のCDへの吹き込み演奏を行うということになり、その助手として珍しく遠出をすることになりました。

 若い時に、家内とは彼女の人生において10枚のCDづくりを行うことを互いの約束として交わしていましたので、今回、その七枚目が実現することになりました。

 人生の目標とは、志を果たしていくことであり、このCDづくりが、この2月の彼女の誕生日に決まりました。

 それ以来、約8カ月余、家内の人生もより張りがでてきたようで、心なしか生き生きワクワクしてきたようでした。

 最近は、コロナのせいもあって出不精といいますか、出歩かないことを決めていたのですが、私に、ぜひ助手のカバン持ちをやれといわれ続けた結果、そのお供をすることにしました。

 さて、沖縄で何をしようか、こう思案していましたが、今回は、沖縄の友人知人に会うことはできるだけ控えて、懸案となっていた「書き物」に専念しようかと思っています。

 ただ、沖縄には、たくさんの美味しいものがありますので、その誘惑に負けないで、質素な食生活で乗り切ることができるのではないか、ここは意志の強さを発揮しようと今から強がっています。

 さて、彼女のCDの曲名は、詳しく聞いていませんが、なにせ14年ぶりですので、その間に思うところがあったようで、その練習の時に聴こえてくる歌声から、私の好きな曲がいくつか入っているようでした。

 また、CD作品を作る場合には、その基本となる概念が重要だそうで、彼女は、それを私が若いころに懇切丁寧に版画と独自の画像処理で年賀状を取り出して重要な参考にしたそうです。

 その年賀状には、私が研究室で撮影したカラーの乱流の渦構造を背景として次の4文字が書かれていました。

 「昴宿旅立」

 「ぼうしゅくたびだち」と読みます。

 昴宿とは中国の諺にあり、星を渡り歩く旅、すなわち長旅のことを意味しています。

 また、昴(ぼう)とは、星のスバルのことであり、中国では別名「六連星(むつらぼし」と呼ばれています。

 この昴星座は、じつは6つの散開星団から成り立っているのではなく、正確には7つの星団なのですが、中国からは、その7つ目が見えなかったらしく、このようにいわれるようになったようです。

 この星のことをシンボルマークとして採用した自動車会社がありました。

 当時、この会社が販売した「スバル360」は、非常に人気のあった車種でした。

 そのマークの星の数を調べてみましたが、それは、やはり6個しかありませんでした。

 さて、このスバルをこよなく愛したのが、石川啄木でした。

 かれの詩のなかに、次の一節があります。

 「息をすれば胸のなか、木枯らしが啼き続けるなり、されどわが胸は熱く、夢を追い続けるなり」

 当時は不治の病といわれた結核の療養のために入院していたときの啄木の詩です。

 息を吸うと、結核のために肺がやられていましたので、ヒューヒューと音が出ていました。

 その様を「木枯しが啼く」と表現したのでしょう。

 胸が熱くは、結核で微熱があることと、夢を追いかける熱い思いの両方が含まれています。

 作家の井上ひさしさんによれば、啄木は泣き虫だったそうで、それでいて見栄を張りたがる性格なのでしょうか。

 桜の花が散る日には、真っ白な着物で歩きたいと願ったそうです。

 さて、その啄木の詩をそのまま採用したのが谷村新司であり、かれの「昴」の詩には、その一節が、そのまま歌詞として使用されています。

 その昴の曲が、今回の家内のCDの歌のなかに含まれているようで、その歌を愛聴しながら、啄木と谷村新司の想いを偲ぶことにしましょう。

植物工場

 今回の沖縄旅行におけるもう一つの目的は、恩納村にある植物工場を訪問、見学することです。

 ここは数年前に、光マイクロバブル発生装置を導入し、その成果が実って、今回、さらに多数の設備投資がなされましたので、その見学を楽しみにしています。

 摂氏50℃のなかでグリーンレタスがみごとに育って、立派な商品として低くない評価が得られていますので、これをさらにどう発展させるのか、これが非常に重要な議題になります。

 かつて、私が勤めていた琉球大学のビルは、守礼の門のすぐそばにありました。

 夕方になると一番星が非常にきれいに見えていました。

 あけもどろの島、沖縄へ、なつかしいですね(つづく)。
 
aka113
 中庭の花