未来は青年のもの (13)
昨日は、久しぶりに用語法「ゴールドクラウン」にふさわしい一日でした。
朝起きて、朝食をいただきながら、テレビを点けると、BS1でドジャーズとマーリンズの試合が始まっていました。
運よく、大谷翔平選手が第二打席目のボックスに入っていました。
同選手の成績は、この時までに47本塁打、48盗塁であり、前人未到の記録を更新し、夢の記録50-50にまでわずかに迫ってきていました。
今日は、どこまで50-50に近づけるのか?
みな、世界中の人々が固唾を飲んで待ち構えています。
かれは、このところ不調で、5試合も不発に終わっていました。
またチームも不振で、とくに先発投手陣が総崩れの状態にあり、先発のミラー選手は、早々に打ち込まれて4点を献上していました。
相手のマーリンズは、試合得点数が最下位にあったにもかかわらず、懸命に投げた球を次々に打ち込んでいました。
そして、大谷翔平選手が48号ホームランを観客席の二階に打ち込んだのを契機にして、4対4に持ち込んだにもかかわらず、チームは、すぐに追加点を取られ続け、大敗を喫してしまいました。
投壊による敗北が続き、とうとうマジックナンバーも消えてしまい、二位のパドレスには3ゲーム差まで迫られています。
(本日の時点では、マジック8,パドレスとの差は3.5ゲームになっていました)
このような大ピンチのなかで、しかも自らは不振のなかで、大谷翔平選手は、周囲が驚くほどの打撃練習を繰り返し、試合では、黙々と50-50に迫っていこうとしてしています。
かれの懸命にチーム勝利を優先させようとする努力が、チーム全員を感動させ、鼓舞しているのです。
現に、大谷が打ち、走れば、それに続いてベッツやフリーマン、ヘルナンデスほかが発奮し、活躍し始めるのです。
ここに、真のリーダーとしての資質が十分に発揮されています。
ゆかいな「大谷論」
かれは、試合後のインタビューに、このように答えていました。
「50-50が目の前になってきましたが、重圧を感じていますか?」
「重圧はありません。毎試合、チームが勝利することを考えているだけです。そう考えて打席に立っています」
こう平然といい、それを最優先させて立ち向かうかれの姿を観たチームの選手たちが、感動しないわけがありません。
このスーパースターの哲学は、おそらく、幼いころから、そして高校、日本ハム、エンジェルスの時代から延々と培養されてきたものでしょうから、それが50-50という前人未到の大記録を前にしても、少しも揺るがされることはないのでしょう。
おもしろいのは、これと正反対に、大谷選手が活躍する度に、マスコミやメジャーOB選手、敵の監督が大騒ぎ、あるいは注目して、ゆかいな「大谷論」を次々に披露していることです。
大谷選手は、真摯で素直ですから、自分が思ったことをそのまま語ります。
いくら、インタビュアーが工夫を凝らして尋ねても、かれの回答は決まっていて、驚きやハプニングの回答はありません。
これを陶芸に例えれば「素焼き」そのものであり、それゆえに、外部のさまざまな多くのみなさんが脚色し、色付けを行って、大谷論に花を咲かせているのです。
これは真におもしろい現象であり、その現象がアメリカはおろか、世界中を覆い始めているのです。
ここに備前焼のような素焼きの良さ、巧みさ、ゆかいさがあるのではないでしょうか。
次回は、王座戦の第二局において完勝した藤井七冠の「おもしろさ」について考察してみましょう(つづく)。
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