有機物が多ければ多いほど良いというなら、海水でなくとも、近所の川の水なら適度に有機物があり、海水と同様の効果があるかも知れません。
②犬や人間のマイクロバブル浴も海水を使用すれば、あるいは温泉水(硫黄泉とか塩類泉とかあります)を使用すれば、より効果的かも知れません。
➂大手ガス会社傘下企業から持ち込まれた加圧溶解式の発生器で白濁化は起きたが、「白濁化により血流が促進されることはない」ことをしぶしぶ認めたそうですが、これを淡水だけでなく海水中でやっても血流促進は無かったでしょうか。
④「気泡核」という新しい言葉が出てきたのでよく分からなくなりました。
「加圧溶解方式のMB発生器で小さな気泡核が生成され、これが膨張して50~60µmの気泡になった、しかしその気泡は収縮しない泡であることも判明した」と解釈しました。
⑤気泡の表面張力は気泡の表面を小さくするように作用する(ヤング・ラプラスの方程式)と理解しておりましたが、気泡の発生方法により表面張力が作用しない気泡もあるということで、これまた偉大な発見だと思います。
回答
①については、なかなかおもしろそうな提案ですね。
しかし、この通りの実験を行うとすると、やや問題がありそうです。
このなかで、真水に「塩を入れる」とありますが、この塩の種類が問題になります。
具体的には、天然の塩なのか、それとも工業的に製造された塩化ナトリウムなのかで、光マイクロバブルの発生状況が異なる可能性があることです。
前者であれば、有機物が含まれていますので、やや白濁化傾向を示す可能性があり、後者の場合においては、その白濁化が起こらない可能性があるからなのです。
その際には、その塩の成分が問題になりますので、その点の配慮が必要になります。
私どもは、海水と同一成分を有する生理食塩水と実際の自然海水とを比較し、前者においては非白濁化、後者においては白濁化することを検証していますので、これを示すことによって、自然海水に含まれる有機物が白濁化因子になることを確かめたのでした。
河川において光マイクロバブル実験を行ったことがありました。
周知のように、河川水は、常に流下していきますので、そこに含まれている有機物量は意外と少なく、それゆえに、光マイクロバブルの発生は、白濁化するほどの量ではありませんでした。
②に関しては、人用の場合に、昔から「潮湯」と呼ばれる海水を入れた風呂が存在しています。
国東にも、この風呂があり、そこで光マイクロバブルを発生させて、ここちよく入浴体験を行ったことがあります。
その作用効果は非常にすばらしかったのですが、その装置の配備に関しては常設には至りませんでした。
その理由は、海水を運搬する費用の方が問題になったそうで、その塩湯の廃止にあったようでした。
➂に関しては、海水光マイクロバブルによる血流促進作用は、淡水の場合よりもより効果的であることを検証しています。
実際に、海水において、血流促進の実験を行ったこともありました。
また、この時、海水に足を浸潤させないで、その海水表面の空気中に足を置いた状態で血流計測を行ったところ、この状態においても血流促進効果を観察することができたことを付け加えておきます。
この場合、海水の粒子が水面から飛び出して足にまで到着したことによって、足に皮膚の血流促進が実現されたのでした。
海の臭いの原因は、海水の粒子が飛ぶことによるものですが、これは「海塩粒子」と呼ばれています。
このおもしろい話は、別稿で紹介することにします。
それから、大手ガス会社の話ですが、これは、その担当者がお粗末で、私たちと共同で行ったデータのなかで、最も効果が出てないものを上梓に報告していて、それを見て私は呆れてしまいました。
このようなことを平気で行う企業は信頼できない、そう思って共同を停止しました。
その企業は、やや大手のI社と共同で、白濁化風呂を開発して、販売しましたが、案の定、少しも売れずに、すぐに、この商品は市場から消え去りました。
④は、その発生後に収縮するのではなく、膨張していく気泡でしたので、その気泡内の圧力が周囲の圧力と釣り合うまで、その膨張が続いていました。
その様子は、ビールの泡を連想していただくとよいですね。
この泡は、ビールのように時間経過とともにゆっくり消えていきます。
⑤については、少し誤解があるようですね。
気泡が形成されいる以上、そこにはかならず表面張力が作用しています。
問題は、この表面張力の作用に仕方が、収縮する光マイクロバブルの場合と膨張するマイクロバブルとでは、本質的な違いが存在していることにあります。
この相違については、またどこかで明らかにすることにしましょう(つづく)。
ハコネウヅキと青い空(前庭)
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