「一隅の灯」は宝になるか(4)

 前記事の続きです。

 そこでは、まず下図を示して、界面活性剤と光マイクロバブルの相互関係を考察していました。

 ここで、光マイクロバブルにおける表面張力の問題を解説しました。

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表面張力とは何か

 液体の表面張力を低下させると、たしかに泡が多く発生するようになります。

 非常に重要なことは、わずかな表面張力能の低下であっても、予想以上に大量に光マイクロバブルを発生させたことでした。

 ここで最初に重要な問題となるのは、表面張力が、わずかに低下した液体において光マイクロバブルが、なぜ大量に発生しやすくなるのかという問題です。

 光マイクロバブルは、私どもが開発した「超高速旋回式」と呼ばれる発生装置によって発生させられるマイクロサイズの自己収縮する気泡のことです。

 この発生原理は、秒速500回前後の旋回速度で、気液二相流体が旋回し、その中央部に旋回気体空洞部が形成され、それを上下流の旋回速度差によって旋回・粉砕することにあります。

 この旋回切断・粉砕点に、表面張力が低下した液体が流入することによって形成された光マイクロバブルの数が毎秒500回転ごとに大きく増加していくことで、その大量発生が可能になったのです。

 おそらく、この旋回速度差による切断・粉砕点において、界面活性剤成分による表面張力能のわずかな低下であっても、そこでの光マイクロバブルの発生が、おそらく数倍の規模で増加しているのではないか、このように推察しています。

 このメカニズムをどのように探究し、どう解明していくのかが、今後非常に重要な課題となっていきそうです。

 もうひとつは、液体そのものの表面張力を低下させるという問題ですが、この作用効果は、非常にわずかではないかと思います。

 しかし、この発泡作用は、単に表面張力の問題だけでは説明できない、他の重要な何かが存在しているのではないか、この側面からの探究も非常に大切な課題と考えています。

 次回は、これらの問題について、より深く考え、より科学的奥へ分け入っていくことにしましょう(つづく)。

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                 裏庭の柿