初秋を迎えて

 月末を迎え、恒例のガイダンスを行う期日になりました。

 台風10号が過ぎ去ったこともあり、ここ向陽台には初秋の気配が漂い始めました。

 最近は、念願だった音楽センター発行のCD「私たちの大切なうた1~3」、という歌なしの演奏をすっかり気に入って、これを愛聴しながら執筆を行っています。

 聴きやすく、こころ安らかになりやすく、歌がないことから、ついつい自分で口遊みやすくなる名盤といえるでしょう。

 先日、NHKぼBS番組でアルツハイマー病の患者がほとんどの記憶をなくしているにもかかわらず、その記憶喪失の前に覚えていた音楽にはみごとに反応しているというシーンを拝見し感動を覚えました。

 音楽は右脳の管轄だそうですので、きっと右脳が覚えていたことなのでしょう。

 さて、今月も本ブログのガイダンスを、ここちよく行っておきましょう。

         「徒然に光マイクロバブル」

 本ブログの愛読者であるMさんから、熱心な質問とコメントをいただくようになり、それを受けて、その質疑応答を本シリーズに移行して掲載することにしました。

 かれから最初の質問を受けたのは、リオ・オリンピックの開催前の年でしたので、あれから8年近くになるのでしょうか、その間、光マイクロバブルに関する質疑応答を行うなかで、積極的な提案や示唆をいただく仲になりました。

 もともとかれは、大手商社のビジネスマンとして世界を股にかけて活躍されてきただけあって、優れた国際的視野の持ち主であり、新技術に関しても非常に熱心な探究と深い理解をなされている方でもあります。

 そして、どうやら、光マイクロバブル技術がMさんの心を魅了したようであり、それがいくつかの積極的な提案にも結び付いて、私も、その刺激を大いに受けるようになりました。

 おそらく、今後も「打てば響く」のごとく、さまざまな質問やご意見をいただくことになるのではないかと思われますので、こちらも覚悟して、その回答と解説を怯むことなく行うつもりです。

「光マイクロバブル・イノベーション(4850回記念)」

 Mさんからの本記事に関する質問が相次いでなされてきましたので、上記のように、その回答を移設しましたので、本来の記事の執筆を再開しました。

 もともと、本記事は、リドレーの「イノベーションの本質論」を学びながら、光マイクロバブル発生装置の開発に至るまでの技術的改良の結果をかなり詳しく解説することを主として認めてきました。

 その考察の結果、当初の開発の特徴は、当時において最新で最高の装置といわれていたものを、何回も、そして果てしなく繰り返し改良して試すということになり、その過程を丁寧に追うということになりました。

 今振り返れば、それだけ、マイクロサイズの微細気泡のみを大量に発生させることが非常に困難であったことを物語っていると思われます。

 本記事においては、未だ、そのマイクロバブルを発生させる装置の開発の段階に到達していませんが、その暁の日の開発までを、より丁寧に、よりわかりやすく、そして新たな知見も加えることによって明らかにしていきたいと思います。

須らく雫の石を穿つ如くⅡ(5555回記念)
 
 いよいよ、若き27歳のシーボルトが、長崎の出島に赴任してきて、あたかも乾いた砂に浸み込む水のように大活躍を開始する時期を迎えました。

 かれにとって非常に幸運だったのは、オランダ政府からの強力な後押しがあり、人と金において十分な支援がなされたことでした。

 このとき、オランダ政府は、日本との貿易においてかつてほどの興隆がなく、これを何とか挽回したいと思っていたことから、シーボルトによる日本研究の発展は、非常に好ましいことだったのです。

 また、医者としてのシーボルトの実力は、故郷のヴュルツブルグにおいて開業医として養われていたことが役に立ち、さらには、かれによる視野の広い日本研究の諸々は、日本を理解するうえで非常に有益なことだったのです。

 これから、妻となるタキとの出会い、結婚、娘のイネの出産、鳴滝地区での土地の取得、全国各地からやってきた弟子たちとの交流、そして江戸参府へと続いていきます。

 これらの一つ一つの水滴のように小さい、か弱い行為が、不可能と考えられていた石の隙間に侵入して、その石を穿つようになっていくのです。

 シーボルトの医者としての救助、弟子たちへの教育実践、そして飽くなき日本研究などが、その雫となって、日本という硬い石をついには穿いてしまおうというところまで到達していくのです。

 個々の学問的探究の行為は、真に小さなものですが、そこに流れが形成され始めると、水が集まり、より早く流れていくようになります。

 本シリーズにおいては、この流れの様子を追跡できると幸いですね。

「未来を切り拓く若者たち(5250回記念)」
 
 「未来は青年のもの」、この言葉通りに活躍されているのが、藤井聡太七冠と40-40に仲間入りした大谷翔平選手です。

 非常に深刻な経済、産業の衰退、裏金問題を克服できない「あきれた政治」など、どうしようもない破綻と腐敗のなかで、一隅の灯を輝かせているのが、この青年たちです。

 かれらに共通の特徴は、やさしく素直な性格と強い信念を貫くとができる不屈性にあります。

 これこそ、私たちが学び、実践していく重要な課題であり、その見本を自ら生きた姿として体現しているのがかれらです。

 藤井七冠は、先日永世王位を得ました。

 また、大谷選手は、本日、43-43という前人未到の記録に到達しました。

 新記録好きの日米国民のみなさんは、かれらの快挙を喜び、さらに高い嶺に登っていくことを期待するでしょう。

 青年よ、ますます、荒野をめざせ、こう激励したいですね。

 以上で、今月のガイダンスを終わります(つづく)。

mimoza-111
ミモザ(前庭)