報告(5)
 
 これまで4回にわたって、私の講演におけるスライドを示しながら、その内容を紹介してきました。

 ここで、その最後のスライドを示しておきましょう。

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 本講演は、マッド・リドレーは、イノベーション論の最初に出てくる特徴的記述を参考にしながら、それを光マイクロバブル・イノベーションの可否について論じてきました。

 その主要な内容は、次の3つで構成されています。

 ①ありえないものをつくること

 ②そのつくったものが広がっていくこと

 ③その広がったものによって、新たな方法が見出されていくこと

 このサイクルが形成されて、普段に発展していくことが、イノベーションの特徴であるといっているのです。

 すでに、①と②については詳しい解説を述べてきましたので、ここでは、その➂について考察していくことにしましょう。

3つの理由
 
 この③が可能になることに関して、光マイクロバブルの場合を具体的事例として次の3つの必要条件を考えていきましょう

 1)科学的な確かさと再現性

 これは、たしかな発生装置があれば、どこでも、そして誰でも大量の光マイクロバブルを発生させることができることを意味しています。

 また、同じ人が、同じように、その装置を稼働させた場合に、すべて同じ機能と結果が得られることを示しています。

 その意味で、どのようなサイズと量のマイクロバブルを発生させることができるかどうか、これが重要な問題になります。

 光マイクロバブルの場合には、その気泡の直径が20~30㎛のピークを有し、1~65㎛の範囲の分布を有すること、さらには、その発生後に自己収縮を行なうことができる気泡のことだと定義されています。

 マイクロサイズの気泡においては、上記の性能を有しないものもありますので、それらとは区別がなされる必要があり、そのために「光マイクロバブル」という呼称が用いられています。

 2)優れた機能性
 
 1)の性能は、この機能性と深く結びついていることが非常に重要です。仮に、それらの性能が、優れた機能性を発揮できないものであれば、それは単なるマイクロサイズの気泡でしかなくなります。

 その意味で、マイクロサイズの気泡において優れた物理・化学的・生物学的特性を有することが最も重要なことです。

 この理解が不足すると、あるいは、そのことに関する確信を抱くことができなくなると、次の傾向が生まれてきます。

 A)単なる気泡のサイズだけで、その優劣を決めようとする。

 これに陥ってしまうと、より小さな気泡ほど優れているという指向が形成され、ミリバブルよりはマイクロバブル、そしてマイクロバブルよりもナノバブルが優れているということが、ほとんど科学的な根拠なしに説かれてしまうようになります。

 B)たとえば、空気マイクロバブルにおいては、その有効な機能性を見出せないという見識に陥ると、そこに別の機能を持ち込むようになります。

 その典型例がオゾンを持ち込むことであり、オゾンマイクロバブルによって、フリーラジカルのヒドロキシラジカルを発生させて殺菌を行なうという傾向が生まれます。

 これは、これで一つの手法であり、その指向に誤りはありませんが、その代わりに、空気マイクロバブルの生物活性という、非常に重要な生物活性機能を観えなくしてしまっているのです。

 C)もう一つの典型的な指向は、マイクロバブルの重要な機能性には目もくれずに、ナノバブルに過剰反応して、その機能性を究明しないままに、それにすがってしまう傾向に陥ることです。

 もはや、ナノバブルの存在を見出しただけで、その機能性を示すことができなければ、何も通用しない段階にきているといえます。

 その究明は、かなり困難といえますが、それでも同時に、その大いなる期待を寄せていますので、その研究の発展を切望します。

 3)優れた機能性の発揮が光マイクロバブルの大量発生によって促進された

 光マイクロバブルの優れた機能性は、確固とした、そして、その大量発生によって物理化学的特性による化学反応によって生み出されます。

 そして、その反応が、生物活性を生み出という優れた生物的機能性を誘起させることに格別のすばらしさを見出すことができます。

 これらの優れた物理化学的特性と生物活性作用が、その技術的適用における「新たな方法」を創成させています。

 その大半の場合は、さまざまな分野における既存の技術と融合し、そこに「新たな方法」が生み出されていることにあります。

 ここに、本技術のおもしろさ、汲みつくせないほどの奥行き奥の深さがあります。

 さらに、注目すべきことは、新たな光マイクロバブル発生装置が開発される度に、その適用の拡大と深化が進んでいることです。

 この醍醐味は、その装置の開発者にとって他に比べ物がないほどの冥利であり、その度にセレンディピティーの女神が微笑して、その喜びを分かち合うことができるのです。

 最近においても、たとえば、医療や健康、そして農業や環境に分野においても、そのような幸福の事例に遭遇しています。

   また、上記スライドの「2」に関することや、そのほかのことについては、上記の課題も含めて別稿において紹介できるでしょうから、この辺で、ひとまず本稿を閉じることにしましょう。

 光マイクロバブルの未知との遭遇の旅、これは、まだまだ続きますね(本稿おわり)。

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さらに美しくなりました(ペチュニア、中庭)