5500回記念を迎えて(4)

 前記事において、英米ベストセラー作家のマット・リドレーによる次のイノベーションの必要条件を紹介しました。

イノベーションの必要条件

 ①実用的な価値がある

 ②手ごろな価格である

 ③信頼できる

 ④どこにでもある

 ⑤発明が定着するまで発展する

 これは、非常に解りやすく表現されています。

 イノベーションは、特定の限られた方のみではなく、万人によって広くと使用され、生活や産業のなかで発展していくものであり、その発展の定着には長い年月を有するという特徴を有しています。

 この数十年、よくいわれてきたことに、新発明といって5年も経たないうちに、陳腐なものになってしまうという「新技術短命説」がありました。

 たとえば、最近の車やパソコンなどがそうで、それを見越して、短期間でモデルチェンジを行い販売を持続させています。

 しかし、ここにはイノベーション性はほとんど存在していません。

 それでは、イノベーションの本質は、どこにあるのでしょうか。

「イノベーションの謎」

 マット・リドレーは、そのことを考えるうえで、まず、「イノベーションの謎」を次のように考察しています。

 ①イノベーションがなぜ起こるのか?

 ②どうやって起こるのか?

 ③いつどこで起きるのか?

 かれは、これらの謎を解くことができる経済学者は、どこにもいないといっています。

 そして、イノベーションには、セレンディピティー(偶然の幸運)が必ず伴うものだから、だれも、それを予測することはできないことを指摘しています。

 このセレンディピティーは、ある日突然何の前触れもなくやってきます。

 もともとの語源は『セレンディっプと3人王子』というペルシャのおとぎ話にあり、それを、イギリスの小説家ホレース・ウォポールが、この本に因んで「セレンディピティー」という造語を生み出したことで、この用語が広く普及するようになりました。

 このセレンディップとは地名であり、今のスリランカのことです。

 スリランカといえば、昔からセイロン紅茶が有名であり、なかでも、その一級品がヌワラエリア地区で栽培されている紅茶です。

 長年、このヌワラエリア紅茶を愛飲してきたのですが、この国の深刻な経済不安のせいでしょうか、その紅茶が販売できなくなったという知らせを受けました。

 さて、このセレンディピティーは、科学的発見によく用いられています。

 たとえば、ペニシリンを発明したフレミングは、自分が夏季休暇に出かける前に、研究所の窓を閉めるのを忘れていたために、実験台の上に置いていた試験シャーレのなかに発生していた特別の細菌を、その休暇明けに偶然見つけます。

 その細菌こそが、ペニシリンの発明に重要だったのです。

 窓を開けっぱなして、そこに風が吹き込んできて、何かが、その細菌を増殖させたのでした。

 「光マイクロバブルのセレンディピティー」

 それでは、光マイクロバブルの場合においては、このセレンディピティー(偶然の幸運)がどのように作用したのでしょうか。

 その光マイクロバブル技術は、「いつどこで起こったのか」、そして、「それはなぜ起こったのか」、「どうやって起こり、どのようにこれからも起こるのか?」、さらには、それは、はたしてイノベーションといえるのでしょうか?

 次回は、これらの命題についてより深く分け入っていくことにしましょう(つづく)。

niwa15
                赤い花(中庭)