クレディ・スイス銀行の危機
アメリカのカリフォルニア州にあるシリコンバレー銀行およびニューヨーク市のシグネチァー銀行の破綻が報じられました。
前者は、投資事業の失敗、後者についてはFTXの破綻が影響していると報じられています。
いずれも、株価が極端に低下し、信用不安に伴う取り付け騒ぎが起こる恐れがあり、アメリカ政府による即座の介入がなされました。
しかし、それでも地方の銀行破綻が連鎖的に発生していて、アメリカ国民の不安は増しています。
これらの銀行の破綻と同時に、スイスにおいては、クレディ・スイス銀行の雲行きがおかしくなったことで、約7兆円の政府保証がなされる主旨の報道されていました。
アメリカの銀行破綻のニュースの報道のなかで、なぜ、スイスの銀行の問題が報じられたのか、ふしぎにおもっていました。
このクレディ・スイス銀行は、スイスにおける二番目に大きい銀行です。
それが破綻の恐れがあることは、スイスのみならず、欧州はおろか、世界的に影響が小さくない問題であり、そのことが、その後の推移においても明らかになっています。
その第一は、スイスにおいて第一位のUSB銀行が、跡を引き取ることで交渉がなされていることにあります。
しかし、すでにクレディ・スイス銀行の株価は2(CHF(スイスフラン))前後にまで低下しており、これが、USB銀行の引き受けに関して一つの大きな問題になっているのではないでしょうか。
かつては、一株50CHFを維持していたにもかかわらず、ここまで低下すると、事実上の破綻を如実に示しているようです。
専門家によれば、それが10CHFを低下すると銀行破綻が起こるといわれていますので、クレディ・スイス銀行は事実上の破綻状態にあるといってよいのではないでしょうか。
それゆえに、USB銀行も慎重にならざるをえないのでしょう。
また、この破綻の回避のために、国立スイス銀行が支援を行うことになり、そのことが一昨日あたりから報道されはじめました。
さらに、昨日はG7の中央銀行も、この破綻回避に動き出したようで、日銀も、それに参加することがなされたようで、スイスの一銀行の破綻問題に関して、世界の中央銀行が乗り出してくるという、リーマンショック以来の対応がなされることになったようです。
今回の措置は、リーマンショックの対応を避けるために、速断をしたと報道されていますが、その背景には、クレディ・スイス銀行という一銀行の破綻が、いかに大きな影響を与えるかを逆に示したことでもありました。
しかし、このような対応のなかで肝心のクレディ・スイス銀行の株価は、20日になって、さらに下がり、0.7CHFになって、不気味な動きを見せて、あたかも、上記の対応を無視するような動きになっています。
はたして、このような動きは、今心配されている「リーマンショックの再来」があるのかどうか?
この問題に帰結していくのではないでしょうか。
今後も、油断なきように、事態を慎重に観察していきましょう(つづく)。
セロリ(緑砦館2)
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