植物活性とは何か?(6)

 5)栄養付加効果(3)

 元来植物の祖先は、水中において棲息していましたので、その周囲の液体から栄養を吸収していました。

 その性質が、未だに残っていて、それが液肥の葉面散布技術として発展してきました。

 とくに、アルカリ化した土壌においては、その土から栄養を吸収する効率が低下しますので、それを補って有効に植物を成長させる方法として葉面散布が用いられてきました。

 最近では、有効な微生物を含む液体、あるいは特殊酵素を含む液体を散布して、トマトやダイコンの栽培に成功している事例が認められます。

 近くで「結トマト」と称する「塩トマト」を上手く栽培されている本多さんは、有効な微生物を配合した液肥の巧みな葉面散布を行っています。

 この場合の散布は、次の作用効果を促そうとしているのではないでしょうか。

 ①養液中に塩分を含むと、それだけストレスがかかりますので、根の成長が低下することになります。

 それを補うために、水分や養分を葉や茎から直接吸収させる。

 ②有効な微生物群を含む溶液の噴霧によって、その弱化が防止されているようであるが、その詳しい作用効果のメカニズムは不明である。

 それでは、光マイクロバブル水の葉面散布は、どのような作用効果をもたらす可能性があるのでしょうか?

 これについては、きちんと科学的な検証を行うために、次の問題(仮説的問題)を究明していく必要があるようにおもわれます。

 1)光マイクロバブル水に含まれる栄養が、葉面や茎表面から吸収されるとすると、それはどのような栄養物質なのか?

 2)なぜ、その栄養物質は、葉や茎から吸収可能なのか?

 3)光マイクロバブル水を噴霧した際に、その水滴が葉面や茎表面に付着した際に、どのように浸透し、吸水されていくのか?

 4)その付着、吸収過程において、何が生起するのか?

 5)その生起が、葉や茎における光合成やそれ以外の代謝活動に、どのように影響を与えるのか?

 6)光マイクロバブル水の噴霧は、葉や茎の表面だけでなく、その下の土壌にも降りかかることから、その土中への浸透過程において、どのような現象が起こるのか?

 7)根からの栄養や水分の吸収、代謝促進と、葉および茎からの吸収、代謝促進との相互関係は、どのようなものなのか?

 8)以上が、土壌内他に棲息する微生物に、どのような活性効果をもたらすのか?

 9)光マイクロバブル水の蒸散作用には、植物ホルモン様物質が含まれているのか?

 これらの問題にアプローチしていくには、次の三段階が重要です。

 ①現象論的アプローチ

 ②上記1)~9)における個別的な探究におけるアプローチ

 ③それらを貫く本質的究明におけるアプローチ

 私は、これらの探究課題に関しては、それにふさわしい専門性に長けていませんので、どこまで究明が可能かについては定かでありませんが、上記①については、そのアプローチが可能ではないかとおもわれますので、まずは、それに分け入ってみてから、その次を考えるのがよさそうです。

 急がず、慌てず、ゆっくりと、それらのアプローチの羽を広げていきましょう。

 光マイクロバブル水の問題

 その際、どのような光マイクロバブル水を製造し、噴霧するのかが、最初に問題になります。

 このヒントは、これまでの現地における実際の噴霧の様子において見出されるのではないでしょうか。

 それに加えて、上記①の個々の探究から、その焦点を定めていくのがよいようにおもわれます。

 これらの実践を踏まえながら、それらの問題解明を行っていくことを、来る2023年の重点課題としていくことにしましょう(つづく)。

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               ローズマリー(前庭)