高浸透率は高吸収率に結びつく

 前記事からの続きです。

 3)高浸透性効果

 光マイクロバブルは、秒速500回転という超高速で水と空気を回転させることによって発生します。

 これによって、その発生点では、水(養液)と空気が混ざって互いに混合しながら、瞬時に互いに切断・粉砕し合うことで、その液体の塊が、その回転ごとにより小さくなっていきます。

 なにせ、秒速500回転ですから、当然のことながら1秒間に500回、1分間には3万回、さらに1時間では、180万回、一日では、約1億回、その切断と粉砕を行なっているのです。

 周知のように、植物は、成長するためにさまざまな代謝を行っています。

 そして、その度に、植物の根から水素イオンや老廃物が放出されています。

 これらが、微生物の餌になっていくのですが、養液内の物質と絡まって、大きな構造を有するようになります。

 これが、その植物の根から栄養や水分を吸収する際に邪魔をして、その効率を押し下げていきます。

 これが根を弱くし、さらに酸素不足になると、いわゆる「根腐れ」状態になってしまいます。

 こうなると、その根付近に嫌気性の微生物が蔓延るようになり、その根を食べてしまいます。

 この根腐れ現象を起こさせないためには、その主役の嫌気性微生物を撃退し、好気性の植物の活性に役立つ微生物を大量に発生し続けることが大切なのです。

 それが実現できているかどうかを見分けるもっともよい方法は簡単で、栽培している水がきれいであることを観察することです。

 好気性微生物が、省物の根から出される老廃物を食べて、その周囲の水をきれいにしてしまうからなのです。

 たとえば、水を数日汲み置いた場合、夏場であれば、それを数日置いたままにすると、水が変色し始め、飲めない水になっていきます。

 腐敗が始まるからです。

 ところが、光マイクロバブル水耕栽培においては、その水は常に清浄であり、その入れ替えは1年に1回、あるいは数年に1回でもよいのです。

 それゆえに、養液と空気を超高速で旋回させて、その分子の塊をばらばらにして吸収しやすくしていくことには小さくない意味があるのです。

 しかも、それによって、その吸収率が高くなると、その植物は、それだけ成長しやすくなりますので、それこそ一挙両得の作用効果が生まれてくるのです。

 私どもの実験によれば、この吸収率の増加は3~4倍にまで達したことから、Kさんのミニトマトの収穫量が5倍も増えたという報告があった時に、それは在りうることだとおもいました。

 養液内おいて光マイクロバブルを発生させたことで、1日1億回以上において養液内の栄養の塊をばらばらにし続け、それによって栄養と水を大幅に吸収しやすくしたのでした。

 しかし、この発生は、栄養と水分の吸収率を単に向上させただけではありませんでした。

 そのことを包括的にいえば、次のみごとな「植物活性」を誘起させたことなのですが、

 それについては、次回によいてより詳しく分け入ることにしましょう。

驚きの一枚

 その「予告」として、Kさんから送付されてきた「驚きの写真」を示しておきましょう。

 これは、枝落としがなされたトマトの葉と茎を液体に浸けて静置していたら、このようなきれいな白い根が生えてきたときの様子です。

 みごとにたくさんの根が伸びてきていて、これからも、光マイクロバブル水の植物活性の様子を垣間見ることができます。

 次回は、この写真を踏まえて、その植物活性について考察しましょう(つづく)。

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ミニトマトの新根(Kさん提供)