光マイクロバブル養液水の特徴
前記事において、光マイクロバブル養液水の作用効果については、次の5つを示したので、それらを解説しておきましょう。
1)分散効果
液肥のなかには、通常の場合、最大で16種類のミネラル成分が含まれていて、それらが、相互に連結し合って大きな構造を有しています。
それらを可能なかぎり分散させて、いわば粉々の状態にしてやると、それらを植物の根が吸収しやすくなります。
すでに述べてきたように、光マイクロバブルの発生は、気液二相の流体が秒速約500回転で旋回しながら、その界面において切断、粉砕されますので、その結合された塊を解して粉々にしてしまう作用が引き起こされます。
これを光マイクロバブル水の分散作用といい、これを繰り返すことによって、その粉々さがより微細化していくことで、その溶液が均一化されることが注目されています。
この典型的な事例が、養液を入れたタンク内で光マイクロバブルを発生させたことによって、驚くほどの作用効果がいくつも生みだされてきました。
たとえば、500円玉のサイズにまで成長したブルーベリー(猪倉温泉)、一株で大きなイチゴが70個実った(湯田温泉)、そして、今回の収穫量が5倍化したミニトマト(出雲市)などがあります。
2)負電位効果
光マイクロバブルは、その発生時における直径は、10~60㎛であり、その最頻値は約27㎛です。
その発生後は、自己収縮運動を起こし、その収取に伴って、自らが帯びている負電位を増加させていきます(よりマイナス側に増加)。
この光マイクロバブルが、植物の根に付着した有機物に吸着していくことで、毛細根表面への接近と吸着が可能になります。
これは、毛細根の細胞における細胞膜の負電位特性を刺激し、劣化から活性へと向かわせる作用を引き出します。
すなわち、光マイクロバブルが、細胞膜を、その負電位特性によって刺激し、改善していく働きを促すのです。
この時、植物が弱って劣化をしていく際の電子の流れが、その光マイクロバブルの吸着による介在によって、それとは反対の蘇生化に向かわせているのではないでしょうか。
同時に、この作用効果は、毛細根付近に集まった微生物の生理活性にも貢献しているはずで、その活性によって、その微生物が植物によって必要な養分をより大量に産生させていることも推察可能です。
鉄は酸化されると赤くなり、その表面が腐食されていきます。
これとは反対に、鉄の表面が還元されると、黒色の錆(「黒錆」)が発生します。
じつは、鉄の表面に光マイクロバブルを噴射したところ、赤く錆びるのではなく、その黒錆が発生して、最初の思惑とはまったく反対の現象が認められたのでした。
これは、光マイクロバブルによって赤い鉄錆とは全く反対の電気的流れが発生していたことを示唆していました。
光マイクロバブルによって、植物における劣化促進ではなく、蘇生化促進が起きたのは、この赤錆と黒錆の逆転現象とよく似ているのではないでしょうか。
実に面白い反転現象といえますね。
植物の根が栄養を吸収し、その代謝活動を促進させる際に、その根からは水素イオンが発生させられます。
この水素イオンを求めて微生物が寄ってきて、それを取り入れることで、今度は微生物自身が栄養物質を産生させて、それを植物が吸収し、成長促進を果たしていくのです。
この水素イオンの挙動や植物から出される老廃物による劣化、すなわち酸化促進問題、また、それとは逆の還元促進による蘇生化の問題とも深く関係しているようにおもわれますので、これらの課題をどう究明していくのか、という問題も横たわっているのではないでしょうか。
そのことも踏まえて、次回においては、次の3つの課題についても考察をより深めていくことにしましょう。
3)高浸透性効果
4)植物活性効果
5)栄養付加効果
ミニトマトのアイコ(緑砦館3)
(つづく)。
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