初 秋
ここ向陽台は、海抜40メートルの小さな高地に森が繁茂していたことから、巷よりは秋の訪れがやや早いようです。
今月も終わりを迎え、恒例のガイダンスをしておきましょう。
最初は、アメリカの株価暴落に起因した世界の激変がいよいよ進展し始めてきたことです。
不幸にも、この記念シリーズがタイムリーなテーマになってきました。
「ウルトラ・パラダイムシフト2022(4700回記念)」
先週末は、アメリカの株価が1000ドル以上も下落し、それが世界各国の株価の下落を引き起こしています。
中央銀行に相当するFRBのパウエルさんが、ハイパーインフレーションを防止するために、今後も国債の金利を上げ続けるという断固たる措置を示唆したことによるものでした。
市場では、リセッションによる景気後退が起きていることから、その対策として金利の上昇を緩和させるのではないかという甘い予測が一部で出されていましたが、それが完膚なまでに打ち砕かれました。
それは、現在の2.5%の金利を、年内に4%にまで持って行くことを示唆したものであり、これによって今のうちにアメリカのスタグフレーション(不景気下のインフレーションの高まり)を防ごうとしたものでした。
これによって、いよいよ日米の金利差は拡大し、それを単純に現在の0.25%と比較すると、16倍もの差が生まれることになります。
これは内外の投資家たちにとっては、圧倒的なチャンスを得たことになり、日本売りがますます拡大していくことになるでしょう。
一方、先のリーマンショックの時には、中国の経済成長が、その緩和に重大な貢献をなしましたが、今度は、その逆となり、昨日のネット番組では、中国の大都会での銀行の貸し出し停止が起こっているようで、中国のバブル経済の崩壊は、相当に深刻な状態に至っているのではないでしょうか。
この状態では、かつてのように世界経済を牽引できず、頼りのアメリカにおいても株価の暴落がさらに進むようで、日本も容易ならざる事態を迎える恐れがでてきました。
アメリカが咳をすれば日本が風邪を引く、かつては、こういわれてきましたが、その属国性、従属性がさらに進展していますので、今度は風邪ぐらいでは済みそうにありません。
リーマンショックの際には、不良債権をさほど持っていなかったにもかかわらず、一番多く被害を受けたのが日本でした。
それは、なぜか?
どの先進国よりも、脆弱な体質を有しているからであり、加えて、少しの有効策も実行できない、どん詰まりの状態になっているからでもあります。
食糧自給率は38%、エネルギー自給率に至っては数パーセント、政治経済はアメリカのいいなり、目下の子分となって久しく、今では、アメリカに忖度して、儲け話を日本自らが持ちかけるまでの属国性に富むようになりました。
しかし、そのアメリカにおいても、戦争勢力が衰退し、政治的に中心部隊として暗躍してきたネオコンといわれてきた方々が、著しい後退を余儀なくなされいます。
もはや、戦争を起こして、他国を容赦なく押さえつけていくという、これまでのやり方が通用しなくなってきたのではないでしょうか。
この戦争勢力の行き詰まりと弱体化、新型コロナウイルスの感染拡大による政治経済の停滞、干ばつによる大火事、大洪水などによって、弱者は、ますます困難を抱え込んでいます。
これらを深く考えていくと、このウルトラ級の艱難辛苦を伴う急速なパラダイムシフトは、これからも、かなり長く生起し続けていくようにおもわれます。
「老いの覚悟と生き方(4850回記念)」
『老いの覚悟』から始まり、『老いの意味』、そして『老いの正体』へと認められた森村誠一のエッセイを快読しています。
かれの文章は小気味よく、そして、そこに強い意味の言葉が散りばめられていますので、私の心情によく適合します。
それに若い頃から、その森村小説のほとんどに慣れ親しみ、さらには森村イズムの薫陶を受けてきたからでしょうか、その小気味よい文章力に楽しさを覚えています。
一回り以上の先輩として、かれの示した「老いの覚悟」と「老いの意味」を参考にしながら、そして敬意を示して、私なりの「老いの正体」を探究していこうとおもいます。
それに従えば、このシリーズは、これから長く続いていくのかもしれませんね。
「須らく雫の石を穿つ如く(4900回記念)」
5000回の大台まで残り100回となりました。この様子ですと、来年早々には、その大台に漕ぎつくことができるようになるかもしれません。
その暁のことを意識しながら、本テーマ名を決めました。
すでに述べてきたように、本テーマの言葉は、高野長英が宇和島藩において開講した五岳堂「学則」の第1条に示されていました。
長英は、これを西洋の古典から見出し、自らの学問の道における「標」にしてきました。
水の雫が、石のなかに入り込み、割れ目を伝い、最後には穴を開け、破壊してしまうような学問を当然のことだとして励むべし、粘るべしと説いたのでした。
従来の考え方に基づけば、当然不可能なこと、すなわち水の雫が石を穿つことはできないことだと考えられます。
しかし、水は、小さな見えないほどの割れ目に浸透していくことができます。
その割れ目の石の表面を溶かし、その隙間を広げることも可能です。
そうなるとより大量の水を隙間に流すことができるようになります。
そして、その小さな隙間に液体が侵入していくと、そこに強力な表面張力が働き、そのなかの圧力と温度が上昇していきます。
さらに、そこにマイクロバブルが生成されると、より高温高圧の化学反応する生起するようになるのです。
これらの現象は、学問をよりホットにして、それまでは考えられたこともないような化学反応を引き起こさせ、そこに新たな学問の成果が産生するようになることもありうるのです。
長英の場合は、西洋の医学、軍事、外交、そして食料、さらには哲学に及ぶものでしたが、その道は、光マイクロバブルに関する学問においても開かれる可能性があるのではないでしょうか。
その探究の歩みを本シリーズにおいて紹介できれば、真に幸いですね。
「OIだより」
Kさんによるミニトマト栽培が、小さくない発展を遂げるようになってきて、その情報が頻繁に入ってくるようになりました。
「収穫量が5倍になった」、「2週間早く花が咲いた」、「みごとに白い根が多く生えてきた」、「糖度が高くなった」、「皮の厚みが薄くなるのではないか」、「水分が豊かでみずみずしい」など、うれしい話の連続です。
どうやら、それがKさんだけにとどまるのではなく、地域においても評判になっているそうで、「私も検討したい」、「勉強したい」という方々が増えているそうです。
先日は、その写真が送られてきて、そのなかの1枚に目が留まりました。
みごとな根はりぶりでした。
ご本人のKさんも、非常に喜ばれているそうです。
OIとしての研究課題も明確にしながら、いましばらくの間、この話題を中心に「だより」を報告していくことになるでしょう。
明日からは9月、しばらく休んでいた緑砦館におけるアグリ作業を再開しようかとおもっています(つづく)。
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