14)糖減茶
中國の「お茶文化」は古く、著名な歴史物語『三国志』のなかにおいても、このお茶の席が再々出てきます。
なかでも有名なシーンは、呉の将軍周瑜の妻「小喬」が、宿敵「曹操」に、お茶で持てなして反撃を遅らせたことでした。
赤壁の戦いにおける呉と劉備軍作戦は火攻め、南からの風が吹くまでの時間稼ぎに、お茶
の宴が利用されたのでした。
この南風の到来を予言したのが、軍師諸葛孔明であり、それに従って火攻めの作戦を展開したのが周瑜でした。
孔明と周瑜、かれらは特別の宿敵同士であり、この赤壁における完全勝利以後は、その敵対が決定的になっていきます。
周瑜は、どんなに執念を燃やして知恵を絞りだしても、それが孔明には簡単に見破られ、ことごとく通用せずに敗れしまう、そして最後には、自ら倒れ、病死してしまいます。
赤壁後は、偉大な勝利に満足して、絶世の美人であった小喬と「お茶」を楽しむ余裕があればよかったのでしょうが、かれにとっては、それで済ますことができない不器用さと軍人としての執念があったのだと思います。
しかし、読者にとっては、常に状況に則して自己革新能力を発揮して柔軟に対応していく「孔明」と、それができない不器用な執念を宿した「周瑜」の対比が、おもしろかったのです。
さて、中国茶といえばウーロン茶が有名ですが、古くから中国人に愛飲されてきたお茶のひとつに「プーアール茶」があります。
プーアールとは、雲南省の県名のことのようです。ここでお茶の生産がなされるようになり、その後は生産地ではなく、お茶の流通地として繁栄していったようです。
その近くにある雲南省の麗江を、私の相棒が訪れた際に、このお茶をお土産として購入してくださいました。
どうやら、このお茶は、茶葉を蒸して酸化を防止し、その後、ゆっくりと時間をかけて発酵させて製造するようです。
高級なお茶としての飲用もよいようですが、日常生活のなかで親しむお茶として広く愛飲されているようです。
前者においては、中国独特の作法があるようであり、それを教えていただきましたが、そのうち忘れてしまって、茶葉を大きなヤカンに入れて沸かす方式がいつの間にか、我が家の淹れ方になりました。
このお茶と光マイクロバブル水の組み合わせがよく、その成分がよく抽出されて、おいしさが増したようです。
麗江といえば、雲南省における有名な観光地で、著名な映画監督チャン・イーモーさんが高倉健を主演にした映画において、狭いが長い路上で賓客を麗江の人々がもてなすシーンが鮮やかに記憶に残っています。
おそらく、そこにもプーアール茶が添えられていたことでしょう。
さて、このお茶の特徴は、独特の香りとほのかな甘さにありました。
ーーー これだと、日常において親しむことができるお茶だ!
常日頃の私の生活において、お茶はなくてはならないものであり、毎日二杯のコーヒー、一杯の紅茶、そして、たまに抹茶、さらには夜に糖減茶などが常用されています。
そのお茶生活に、このプーアール茶を入れてもよいですね。
特大のヤカンに入れて、そのお茶を、たっぷり楽しむ生活習慣を確立していきましょう。(つづく)。
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