第21回九州高気圧環境医学会
来る7月3日(土)に、上記の学会が大分県中津市で開催されます。
私は、同学会の川嶌眞之会長から依頼を受け、同学会における特別講演を行うことにしました。
プログラムを見ると、上海交通大学の石路(シー・ルー)先生と並んで2つの講演のうちのひとつを担うようです。
学会における特別講演は、数年前のマイクロ・ナノバブル学会以来のことです。
また、医学系の学科での講演は初めてのことであり、かなりの大役を与えられたのではないかと恐縮しています。
私の講演題目は、「光マイクロバブル出切り拓く医療・介護の新世界」としました。
少々大きすぎる題目になってしまったのかな、とは思いますが、可能な限り、それに近い内容の講演を行うことをめざしたいと思います。
さて、今回の学会のテーマは「捲土重来(けんどじゅうらい)」です。
広辞苑によれば、この意味は、「一度敗れたものが、再び勢いをもりかえしてくること」です。
川嶌眞之会長の「開催にあたって」の寄稿文によれば、高圧酸素治療とコロナ対応に関して、それらをより一層「もりかえす」ことの意味が込められているようです。
私としても、その再びの「もりかえし」を肝に銘じて、その講演の準備を始めようと思っています。
その意味で、病院学会のみならず、日本中において、この砂を巻き上げての盛り返しが希求されているのではないでしょうか。
先日、この講演に関する「抄録」文書の執筆依頼がありました。
これから、それを中心にして、今度の講演内容に少し分け入ってみることにしましょう。
冒頭における新定義
まず、冒頭に、今日における「光マイクロバブル」と「光マイクロバブル水」に関する新たな定義を示すことにしました。
光マイクロバブルとは、「その大量発生時において直径1~65㎛を有し、数十秒間という短期間に収縮しながら、同時に8~9ヘルツで振動して消滅していく過程において化学的に反応する気泡である」としました。
これまでは、その気泡径を示すことに留めていましたので、そこに新たに、収縮する気泡、振動する気泡、化学反応を生起させる気泡という3つの物理化学的特性を付与させることでより厳密な定義にしました。
また、「光マイクロバブル水」とは、「光マイクロバブルの化学反応が反映された水である」と定義しました。
さらに、「これらの光マイクロバブルの自己運動と光マイクロバブル水の反応は、超高速旋回式装置(筆者が開発)による発生によってのみ実現される」と付言しておきました。
このマイクロバブルに関する発生装置を世に明らかにし、その技術の真価を問うたのが1995年であり(世間では、そのマイクロバブル技術の創始者は私であることは認知されているようであるが、なかには、私の名前を知っていながら私のことを『地方の研究者』としか呼ばない学者もいるようです)、以来、様々な分野での開発が進み、文字通り、富士山のような広大な技術的裾野が形成されてきました。
その影響を受けて、さまざまな類似のマイクロバブル発生装置が出現し、さらには、かなりの悪質なトリックを用いて、マイクロバブルやナノバブルが発生し、それがあたかも、瞬時の洗浄力や生理的機能性を有するというものまで現れてきて、まさに玉石混交、みっともない「百花繚乱」状態になってきました。
そのため、マイクロメートルサイズの気泡であれば、いずれも「マイクロバブル」という名称で呼ばれるようになりました。
また、その間、私どもにおけるマイクロバブル研究も進展し、その超高速旋回式マイクロバブル発生装置から発生させられたマイクロバブルが、非常に特別の優れた特性を示すことが判明したために、2012年ごろから、そのマイクロバブルを「光マイクロバブル」と呼んで明確に区別することにしました。
上記の新定義におけるキーワードは、
①「1~65㎛」
②「短期間に収縮」
③「振動して消滅していく過程」
④「化学的に反応する気泡」
の4つです。
次回は、それらについて、より詳しく解説することにしましょう(つづく)。
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