最初の山を越え始めた
昨夕から夜にかけて、久しぶりの高揚とともに数時間を過ごすことができました。
なぜなら、昨年12月以来継続してきたある材料開発の研究において5回目の実験を終え、そのサンプルを採取し、その評価試験において予期していた以上の結果に遭遇したからでした。
解ってはいていても、それ以上のことが起こると、ヒトはどのような反応をするのでしょうか?
そのことを語る前に、この実験Eの経過を説明しておきましょう。
まず、実験AとBは、ほとんど何もわかっていない状態での「おっとり刀的見極め実験」という雑なアプローチに留まるものでした。
しかし、なかには、そのサンプルにおいてかなり高評価のものができていましたので、そこに何か重要なものが隠されているのではないかと思いました。
続いての実験Cにおいては、いきなり現場経験の感に応えた条件に設定したために、その実験装置の能力が不足することになり、これを中断しました。
次の実験Dを行うために、その条件を緩和しました。
とにかく光マイクロバブルの十分な能力を発揮できるようにすることが先なので、その装置がフル稼働できるような条件設定に戻すことで、その遂行が可能になりました。
そして実験Dを無事終え、中断していた実験Cを再開し、これも継続して一応の終了に至ることができました。
これらの実験の段階では、Cは中途半端、Dは完遂と2つの結果に別れましたが、それらの成功の可否は、その採取したサンプルの評価試験を行わないかぎり、最終的な判断はできません。
したがって、それらは、今も保留になった状態になったままです。
このA~Dの過程において、どのように実験を行い、制御していけばよいのかに関する、いわばノウハウが判明しましたので、それを高度に生かした実験Eを開始し、無事、それも終了しました。
昨日は、その最新の実験Eのサンプルを採取し、すぐにその評価試験を行ったので、その時の吃驚現象とそれに付随した感動の様子を冒頭に紹介しました。
予想はしていたが、それ以上に思わぬことが出現して吃驚する、そして、それに伴う感動が生まれる、この事態となりましたが、ここで私の反応は、意外なものでした。
ーーー とうとう、ここまで来たか!
記録も取らず、写真も撮る気にならず、ただ、ほっとしながら、そのあり得ない姿を見つめているだけでした。
しかし、これは最初のサンプルがよすぎたのでしょう。
次のサンプルでは、その驚愕するほどの結果は出ませんでした。
これは試験を行う供試体にムラがあるからであり、それは致し方ないことでした。
次々に、評価試験を重ねることで、多少の相違はあるものの、総合的には、かなりの良い結果が得られたことには間違いがありませんでした。
こうして最初の山を越えてきたことから、そのご褒美なのでしょうか。
目の上に、次の青い峰がぼんやりと見えてきました。
今度の峰は、最初の山よりもはるかに規模が大きく、その山頂がどこにあるのか、そして、その山の規模も解らないくらいに雲がかかっています。
ーーー これから、目の前の青い峰を越え、そして、その背後山に登っていくのか!
あまりにもきれいな青さに感動しながらも、その背後の大山のことを想像すると足が竦(すく)んでしまいます。
それは光マイクロバブルの新たな大山ですので、私には、その麓を登ってきた経験があります。
それゆえ、その登坂において怯むことはありません。
ここは、ますます勇気を駆り立てて青い峰に分け入りましょう。
新たな調査研究
上記の心を動かされた現象に遭遇してから、そのメカニズムが気になって、新たな文献調査を始めました。
それは次の2つの課題に関することでした。
1)既往の材料の根本的な問題点を明らかにする調査
2)新たな現象を誘起させた物理的メカニズムに関する調査
前者に関しては、ある専門学会における「解説」が有益で、これで一挙に問題の把握が可能になりました。
こんな時、インターネットの活用が便利で有益であり、これを参考にして学習を重ねる予定です。
また、後者に関しては、その解説文がヒントになって、現象を支配している物理的メカニズムの基本が何かをほぼ特定することができました。
さらに、そのことを確定するために、その現象に関する簡単な検査法を思い付き、これも早速試してみると、その現象で支配されていることが判明しました。
この簡単検査法、まことにおもしろく、これから、その優位性に関しての尺度として使えそうです。
この厳密な検査は、それこそ何千万円もかけて購入した計測装置でしか可能になりませんが、ここではその必要はなく、私が作成したサンプルの優位性が、その簡単検査法を可能にすることを助けてくれました。
金よりもアイデア、あるいは金がないとよいアイデアが生まれる、これは本当の話ですね。
とにかく、これから目指すは、目の前の青い峰、ここに颯爽と分け入ることにしましょう。
(つづく)
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