東京や大阪のような大都市ではなく、地元大分で新型コロナウイルスの新たなクラスターが発生しました。

 その最初は、臼杵市の男性であり、風邪気味で地元の病院に通っていました。

 なかなか原因がわからず、4回の診療を繰り返していました。

 そこで、同じ市内の別の病院に行き、CT検査で肺の陰影が確認されたそうです。

 翌日、大分県の環境衛生研究センターにおいて検査を行い陽性が判明しました。

 同時に、この男性の妻も、同じようにこれらの病院の診断経路をたどった後に陽性が明らかになり、夫と同じ「国立病院機構大分医療センター(大分市)」に入院しました。

 この男性の発熱は8日だそうで、それ以前の2~7日は、同じ国立病院機構大分医療センターに心臓の病気で入院されていました。

 その間、その妻は、同センターの夫のところに数回見舞いに行き、接触をなされていました。

 このセンターにおける医師や看護師、患者の感染者数は12名になり、しかも、ここから転院した患者の入院先の5つの病院においても感染が判明しています。

 問題が深刻なのは、この感染において、それまでの1名の感染者から本日で21名の感染者に増加していることです。

 また、検査の結果待ちが220名いるそうで、この結果も近いうちに明らかにされるでしょう。

 さて、このクラスター現象を考えるうえで、以下の問題点が指摘されます。

 ①最初の夫婦二人の感染源が不明なままであること、これによってその背後を追跡できなくなっていることです。

 ②感染者が入院、通院、見舞いに行っていた国立病院機構大分医療センター(大分市)」において感染が広がり、ご本人だけでなく、患者や医師をはじめとする関係者が感染していたことです。

 ③しかも、これらの感染患者が5つの病院(大分県知事の記者会見で病院名が公表されています)に転院し、そこでも感染が判明していることです。

 これらの病院は、大分を代表する機関ですので、いわばその中心ゾーンで発生したことは重大な事態だという認識が深まっています。

 ④これによって、大分市、臼杵市をはじめとする大分東部の7つの病院で感染が発生し、点から面へのクラスターの広がりが見られることです。

 ⑤先日、大分県では、最初の患者と関係者、訪問者を含めて5人の感染者がいてクラスターが発生していると公表されていました。

 これについて大分県は不服として抗議を行い、その削除がなされていました。

 しかし、その削除後、今度は、深刻なクラスターの発生によって、それが再び記入される可能性が出てきました。

 この数日、大阪、兵庫をはじめとする大都市における感染爆発(オーバーシュート)の恐れが指摘されるようになりましたが、その新たなクラスター発生の先駆けが、大分の病院を中心に起こってしまったことについては、真剣な検討と共に、有効な防御策がなされる必要があります。

 このように、これまで感染者数が1名に留まっていた大分県において、急増して21名のクラスター群が発生してしまったことを踏まえますと、どこでも、このような事態を招いてしまう恐れがあり、それは大都市だけでなく、地方都市においても十分に起こりうることであることが深く認識される必要があるように思われます。

 発病の前においても感染力がある新型コロナウイルス、この目に見えない敵をどう防いでいくか、大きな課題が目の前に示されているのだと思います。

 1名から、あっという間に21名に増加、これはまだまだ広がっていく可能性がありますので、「自粛疲れ」が入り込む余地はないのではないでしょうか。

 今朝のテレビでは、6500人が集まるイベントやライブハウスで熱狂する若者の様子が報道されていました。

 これは明らかに、「科学的コミニュケーションの貧困さ」、ひいては「政治の貧困さ」の反映であり、鬱屈した世相の蔓延の証でもあるように思われました。

 この貧困さが、じわじわと人々の理性を麻痺させているのではないでしょうか。

 ますます、しっかりすることが問われていますね(つづく)。

komatunanohana
                  菜の花