前回に続いて、
『血流がすべて解決する』堀江昭佳著(サンマーク出版)
における第5章「『静脈』の血流をよくするための生活習慣5つの方法」についての感想を述べておきましょう。
動脈と静脈を流れる量の比率は1対4、静脈において動脈よりも4倍血液量が多いことに、まず注目させられました。
しかも、血液量が多いために、そして速く流すための動脈とのバランスを保つために、ゆっくりと流さざるをえない、そのため逆流が起こらないように弁も設置されているのが静脈です。
多量の血液をゆっくり流すという静脈においては、それが円滑に流れている時には何も問題が起こりませんが、それがさまざまな障碍によって可能でなくなったときには身体にいくつもの変調が出てきます。
また、男性と比較して女性の場合は、この静脈における血液を流す力が弱く、それによって足のむくみや下半身の冷えが起こりやすいのです。
著者は、そのことを次のように表現されています。
「女性の血流を左右するのは『静脈』です」
「女性の場合は、・・・静脈の血流をよくすることが鍵なのです」
そして次の5つの身体的改善の必要性が指摘されています。
①第二の心臓、ふくらはぎを鍛える
ご存知のように、「ふくらはぎ」は第二の心臓とよくいわれています。
人間は立って生活していますので、血液がふくらはぎに溜まりやすく、夕方になるとふくらはぎがむくんでしまう女性が少なくありません。
著者によれば、これは血液が血管に溜まり、そこから水分が漏れ出して起こる現象だと説明されています。
女性の血液の量は体重の約7%であり、300~800㎖の血液がふくらはぎに溜まるのだそうです。
これによって足が重くなり、パンパンに腫れた状態にいたるのです。
しかも、このふくらはぎに溜まった血液は、酸素が消費されていますので、いわば汚れた血液ですので、これが身体中の血液の2割が溜まって、入れ替わらなくなりますので、足が重くなるだけでなく身体中に疲労感が生まれてしまいます。
こう考えると、ふくらはぎに血液を滞留させずに、それを汲み上げて心臓へと円滑に送り返してやることが、いかに大切なことかがよくお解りになるでしょう。
私どもは、N介護老人保健施設において、84歳の女性高齢者の足浴の実験を行ったことがあります。
彼女は、普段から普通に歩けず、歩行器を押しながら歩いておられました。
足浴前の状態を観察すると、足がパンパンに腫れ、足のくるぶしと同じ大きさ、すなわちずんどう状態のふくらはぎになっていて、皮膚も赤みを帯びていました。
その彼女に初めて15分間の光マイクロバブル足浴を行いました。
時間は、わずかに15分、水温は39~40℃でした。
15分の足浴後は、足の腫れがかなり無くなり、足首付近のくびれが顕著になり、足が細くなっていました。
その周囲を実験前と比較すると、その周囲長さにおいて1.5㎝もの短縮がなされていました。
ご本人は、足浴中に「気持ちがよい」と仰られ、足浴後は「足が軽くなった」といってといても喜ばれていました。
この足浴だけでなく、身体全身における光マイクロバブル浴によって、浸潤された皮膚表面の末梢血管の血流が大幅に促進されますので、ここで滞っていた血液が一気に流れ出します。
これらのほとんどは、静脈系統の血管における血液の流れの促進に相当しますので、光マイクロバブル入浴や足浴は、このふくらはぎや、その周辺の下肢における血液の流れの停滞の改善に非常に重要な役割を果たしているように思われます。
私の場合も、根を詰めて1、2週間机の前で文書作りを行なうと、ふくらはぎや足首がパンパンに腫れてしまうことが何度かありました。
こうなると、単なるマッサージでは、それこそ1時間、2時間行っても簡単には改善されません。
そうなると、私は、光マイクロバブルに入って、そのパンパンになったふくらはぎに光マイクロバブル水を近接噴射させます。
すると数分間でふくらはぎが柔らかくなり、元の状態にまで改善しはじめ、それをさらに数分間継続すると、すっかりよくなります。
その証は、ふくらはぎが柔らかくなり、腫れがなくなって小さくなっったことでよく解ります。
さらに、光マイクロバブル温浴の良さは、その大幅な血流促進効果が、温熱効果によってより促進されることにあります。
このように、光マイクロバブル温浴は、ふくらはぎをはじめとして血流が停滞している静脈系統に従来にないよい作用効果をもたらすことが明らかになっています。
次回は、以下の②~⑤についても考察を加えることにしましょう。
②「かんたん丹田呼吸法」でむくみを改善する
③足を温めて「冷却システム化」を防ぐ
④「三陰交」「血海」を押せば血流の泉がわく
⑤静脈の血流改善こそ、心と身体に調和をもたらす
(つづく)。
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