「ここちよさ」、種々の光マイクロバブル入浴装置を開発してきから、ずっと、この概念に関する研究を一貫して探究してきました。

 整形外科医としては、非常に著名なK整形外科病院(中津市)のK先生は、いつもこのようにいわれています。

 「私たち整形外科医の目標は、患者さんを『ここちよく』することです。これが実現されるかどうか、整形外科医としての目安なのです」

 当然のことながら、これを感じ、認識するのはヒトの脳です。

 しかし、私たちが感じる「ここちよさ」には、さまざまな種類と水準の違いがあります。

 たとえば、風呂上がりに吹いてくる風は、ここちよい。

 これは、誰もが納得できる「ここちよさ」です。

 新たな発見、それから技術開発を為し得たときの「ここちよさ」、これらは、それを味わったことがある方のみが理解できるものかもしれません。

 一方、この「ここちよさ」の反対は、なんというのでしょうか。

 あるとき、山口県周南市で有名なT整形外科医院の院長に尋ねたことがありました。

 「それは、違和感」と仰られました。

 広辞苑によれば、この「違和」とは「身体の調和が破れる」こととあり、その時の破れた感情のことのようです。

 齢を重ねると、この違和感が顕著になりますので、その身体的調和が破れた状態を改善し、その調和を復元させることが整形外科医の仕事であるという意味のことを教えてくださいました。

 これらを総合すると、「各種の違和感を和らげ、ここちよさを感じるように改善する」、これが整形外科医のめざすところといってよいでしょう。

 私も古希を迎えて、高齢者の仲間入りをしましたので、この違和感を随所に実感できるようになりました。

 その違和感の典型が「冷え」です。

 私の場合、数年前から、手足がよく冷えるようになり、光マイクロバブル入浴時に、それが幾分改善されるものの、それが長時間持続せず、時の経過とともに消えて無くなってしまっていました。

 また、この冷えは、軽い痺れも併発させていましたので、これを何とか改善できないかと、その改善法を研究してきました。

 まず思いついたのは、湯船のなかに光マイクロバブル発生装置を複数据え付けることでした。

 たしかに、その数を増やすと、その段階ではより作用効果が現れたと認識できるのですが、その状態でしばらく経過を見守っていると、おそらく身体が慣れてくるのでしょうか、それが「普通」になってしまって、それ以上の作用効果の発揮ができなくなるようでした。

 そこで、さらに、その発生装置の数を増やす、という新たな状況を作り上げると、より効果的にはなるのですが、それを突き抜けた(ブレイクスルー)状態にまで高めることは、なかなかできませんでした。

 おそらく、単純に光マイクロバブル発生装置の数を増やせばよいと考えたことが、少々浅はかだったのではないかと思います。

ーーー ここは、まったく新たなブレイクスルーが可能なアイデアを見つける必要がある!

 その際、この「違和感」の解消と「ここちよさ」の関係も考えてみることにしました。

 単純に、ここちよさの水準を上げていけば、「違和感の解消」に至るのか、そうであれば、より「ここちよさ」の強度を強めていけばよいことになります。

 そうであれば、何をどうすればよいのか?

 ここで、しばらく考え続けることになりました。

 違和感を覚える「ツボ」はどこか?

 そもそも、「ツボ」とは何か?

 東洋医学によれば、「ツボ」とは、血液やリンパ液、さらには気などが滞るところだそうで、そこに灸や針を打ち込み、マッサージを行なう必要がある場所であると表されていました。

 それでは、このツボを光マイクロバブル刺激してみたらどうか?

 「これによって、違和感が解消され、さらに、ここちよさが増すことになればよいのだが、はたして、どうなるのか?」

 そこで、「ツボ」の勉強を始めました。

 手足には、たくさんの重要なツボがあるようで、その場所と効能、さらには、医学的メカニズムを究明していく必要性を深く感じたのでした。

 身体のツボを押さえ、理解のツボを知る、いずれも、とても重要なことですね(つづく)。
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ビオラ