もともと、きれいな、すなわち、汚れが付着していない、砂や粘土の粒子、そして金属の破片などはマイナスに帯電していますので、同じくマイナス帯電の光マイクロバブルとは反発し合い、互いに付着することはありません。

 ということは、被毛もマイナス帯電をしていますので本来ですと砂や粘土は被毛に付着しないはずです。

 こういうと、トリマーの方は首を傾げられることでしょう。

 「実際には、砂や粘土がたくさん被毛にくっついている!」

 これは、普段からワンちゃんを洗浄しているトリマーのみなさんにとっては常識中の常識に値する事実だからです。

 「なぜ、本来はマイナス帯電しているはずのものが、同じくマイナス帯電している被毛にくっ付くのか?」

 このような疑問が湧いてくるはずです。

 じつは、きれいだと思っている砂や粘土の粒子であっても、実際はかなり汚れていて、その汚れた物質のほとんどはプラス帯電の有機物系の物質といってよいでしょう。

 たとえば、きれいな浜辺の砂であっても、小さな砂の粒子の周りには、有機物系の膜が形成されていて、そこに何万個の微生物が生息しています。

 この微生物が、砂浜に押し寄せてきた汚れを食べてきれいにしているのです。

 この膜もプラス帯電ですから、光マイクロバブルが付着することができます。

 それでは、砂や粘土の粒子がどんどん小さくなると、どうなるのでしょうか?

 これまでの経験から、トリマーのみなさんは、大きな砂や汚れはすぐ落ちますが、非常に細かい汚れほど落ちにくいと思われているでしょう。

 じつは、きめ細かい土、すなわち粘土、その粘土が小さい粒子であればあるほど、油などの有機物に付着しやすく、それが被毛や皮膚に付着すると、その汚れを落とすのが難しくなります。

 そして、やっかいなことに、この細かい汚れが臭いの主原因になります。

 簡単に洗って臭いが落ちるのであれば、何も苦労はないのですが、臭いを残さないように丁寧に洗う、何度も繰り返して洗う、これがトリマーさんのに行っている常識です。

 じつは、汚れが細かいほど電気的には、マイナスにしろ、プラスにしろ、より大きな値を示すという性質があります。

 たとえば、炭素の粉は数㎛以下の大きさであり、これが繊維に付着するとなかなか洗い落とすことができません。

 それは、炭素の粒子が強力にマイナス帯電しているからで、これがプラス帯電の油にくっ付きますと、いくら洗ってもなかなか落ちないという現象が起こります。

 厄介なことに、このように強力なマイナス帯電の粒子は、プラスの帯電のものだけでなく、その電位において大きな差異があると、マイナスの帯電したものに付着して剥がしにくくなります。

 以上をまとめますと、細かくて汚れは、みな脂質の被毛にはみな付着してしまうことから、その汚れ落としが大変なのです。

 そして、飼い主さんでは、その汚れを簡単に落とすことができないので、トリマーとしての専門職が成り立つようになってきたのです。

 その意味で、トリマーさんは、ワンちゃんの汚れやすさ、そしてその汚れの落ちにくさに感謝すべきではないかといっての差し支えないでしょう。

 そうはいっても、そのしつこい汚れを簡単に洗い流す方法はないか、それを見出すことがトリマーさんの願いでもありました。

 じつは、その願いに答えたのが光マイクロバブルP3とP4だったのです。

 次回は、その願いをいかに叶えていったのか、その詳細に分け入ることにしましょう(つづく)。

マイクロバブルフォーム0124
    マイクロバブルフォームを顔にかけて洗浄している様子(トリマーはMさん)