初回の記事から、少し時間が過ぎてしまいました。

 まもなく3000回記念の記事も始まりますので、これから急ピッチで連載を進めることにしましょう。

 おかげさまで、前回の10月3日の記事は、よくみなさまに読まれたようで、今月の人気記事のトップを占めています。

 この間、第1次の竣工(10月7日)、第2次の竣工(10月21日)があり、その一部においては、未だ工事が継続しております。

 本日は、中庭における第3次の工事が本格的に始まり、切断や掘削の音が近くから聞こえてきます。

 加えて、竣工した各部屋への家具の搬入も開始されましたので、真に慌ただしい日々となっていました。

 さて、前置きは、このくらいにして、「マイクロバブルフォームブレイクスルー」の第2回目の記事を認めることにしましょう。

 「マイクロバブルフォーム」とは、少量の界面活性剤を含む液体のなかで、超高速旋回式マイクロバブル発生装置(注①)を用いて「光マイクロバブル(注②)」を発生させた際に発生する、極小で大量の泡(フォーム)のことです(注①、②ついては前回記事を下記に再録する)。

 この「マイクロバブルフォーム」による「ブレイクスルー(突破、打破)」、これが本記事の主題です。

 今回から、その具体論に突入しますが、それは、次のステップを辿ることになるでしょう。

 ①マイクロバブルフォームを科学の目で考察する。

 ②マイクロバブルフォームの優れた「洗浄力」を究明する。

 ③ペットにおけるマイクロバブルフォーム洗浄法の特徴を明らかにする。

 注①:超高速旋回式マイクロバブル発生装置とは、筆者らが1995年に世界に先駆けて開発したマイクロバブル発生装置のことです。

 超高速旋回とは、毎秒500回転前後の旋回速度を有することに特徴があり、このような旋回速度を有しないと、極微細なマイクロバブルを大量に発生させることができません。

 注②:「光マイクロバブル」とは、上記の超高速旋回式マイクロバブル発生装置によって発生したマイクロバブルのことです。本装置は、一連の特許構築がなされています。

 また、「光マイクロバブル」という用語は、株式会社ナノプラネット研究所によって「商標」取得がなされています。

 それでは、①のマイクロバブルフォームの科学の世界に入って行くことにしましょう。

 その最初の課題は、マイクロバブルフォームの物理化学的性質を明らかにすることです。

 その性質を明らかにするために、実際にマイクロバブルフォームを発生させたときの様子を示しましょう。
 
mbf-9
マイクロバブルフォームが発生し、水面付近に積層化された様子

 この写真からも明らかなように、このマイクロバブルフォームの次の特徴を有しています。

 ①極細かいフォーム(泡)が大量に発生している。この泡同士の付着は、電気的にプラスの電位を有する汚濁物を介して実現される。

 ②フォーム(泡)の寿命が長いために、水中で発生したマイクロバブルフォームが浮上し、水面付近で幾重にも積層化されて形成されている。

 ③マイクロバブルフォームの発生後は、フォーム(泡)の層とその下の液体の部分とに分離される。また、マイクロバブルフォーム発生中は、マイクロバブルフォームと液体が混合した状態で存在する。

 そこで、このマイクロバブルフォームを200倍に拡大してみましょう。

 これには、高性能のマイクロスコープという顕微鏡のような拡大可視化装置を用います。

 
マイクロバブルフォームまいくろすこーぷがぞう-1
マイクロバブルフォームの200倍可視化画像

 写真の右下に、実際のメモリが示されています。この場合、0.1㎜は100㎛ともいうことができます。

 この画像から、大きめのマイクロバブルフォームはおよそ100㎛前後の大きさであり、より小さいものは、20~50㎛前後であることが明らかです。

 しかも、注目すべきことは、単位ミリメートル四方に、マイクロバブルフォームが60個前後も形成されていることです。

 これを単位平方センチメートルに換算しますと、その数は約6000個にも達することになります。

 この数字から、極小さなマイクロバブルフォームが狭い範囲で大量に形成されていることが明らかです。

 ここに、マイクロバブルフォーム発生における重要な特徴が存在していることを確かめておきましょう。

 このマイクロバブルフォームの特徴は、まだまだありますが、それらについては、次回において詳しく解説いたします(つづく)。