第7回ナノプラネットゼミの後半は、次の2題についての話題提供がありました。

 10:40~11:10 ④「平安時代の男性衣装」 松井武明

 11:10~11:40 ⑤「最近沖縄15の印象」 大成博文

 11:40~12:10 総合討論


 ④は、非常におもしろい話題提供でした。

 どうやら、この報告者は、近くにある宗教組織の総代として、行事にご参加なさる予定があるそうで、そのために、平安時代の男性装束について調べられたとのことでした。

 当時の布には絹と麻があり、上流階級の衣装は前者を用いて裁縫されていました。

 また、その絹の衣装は、汚れても洗濯されることはなく、古くなると、下位のものに払い下げられたそうです。

 上から、烏帽子、狩衣、単、そして腰から下では指貫や袴などのパーツによって構成されています。

 これらの衣装をゆったり来て、和歌を詠む、このような姿を想像しますが、戦争のない平和な時代であったことが、このような衣装での生活を可能にしたのではないかという意見が交わされました。

 この報告の中で、私が注目したのは烏帽子についてでした。

 これを被らないで人と面会することは、袴も下着も付けないで人に会うことと同じだということが述べられ、これには、少々驚いてしまいました。

 そういえば、韓国の歴史ドラマの中でも、室内において面会する場合も、両者は必ず帽子を被っています。

 その理由が解らないままでしたが、上記の平安時代の事情を聞いて、ある程度解ったような気がしてきました。

 烏帽子を付けること、帽子を被ること、これは「必須の礼節」姿勢であったということができるでしょう。

 また議論においては、平安時代は風呂に入る習慣がなかったことから、その体臭を消す努力が必要であったことについての意見交換もなされました。

 真に意外なテーマでしたが、楽しい勉強ができました。

 最後の⑤については、6月からの三度の沖縄訪問を踏まえての印象が示されました。

 ここでは、その15項目のすべてを紹介することはできませんので、3つの項目について紹介することにしましょう。


 
 その第1は、沖縄県民の平均寿命の変遷に関することです。

 この図からも明らかなように、かつては第1位を占めていた沖縄県は(①赤線)、この20年間に46位にまで落ち込んでしまいました。

 よく調べてみると、②(長野県)、③(青森県)のように、その順位はほとんど変わっていません。これに対し、沖縄県の経過は異常といえ、このように急激な変化を示した他府県はありません。

 これは、この20年間に沖縄県では、社会的、経済的に急激な変化が起こっていることを示唆しています。

 このことを踏まえて、沖縄県では、サトウキビを除いた食料自給率はわずか6%であるという重要な指摘を、ある県議がなされていたことを思い出します。

 これは、まさにシンガポール並みの自給率であり、県や国を挙げて解決していかねばならない重点課題ということができるでしょう。

 第2は、沖縄に設置されている野菜工場を見学したことです。

 沖縄の中部に北中城村があります。

 ここに大きなイオンモールが建設されています。以前から一度見学したいと思っていましたので、沖縄入りした初日に見学に行きました。

 その水耕栽培の様子を示しておきましょう。

 コンテナのなかで、蛍光灯の照明下でレタスが栽培されていました。また、このレタスは、収穫時刻が書かれたパッケージで店頭に並べて販売されていました。
 
 この価格と売れ具合を想像し、果たして、これで採算性が確保できるのか、実際には苦戦しているのではないか?

 そんな思いが過りました。

 次の機会には、この野菜を試食してみたいと思います。

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レタスの水耕栽培

 第3は、海産物です。

 ここでは、モズクの天ぷらを示しておきましょう。

 外側は、さつま揚げのような天ぷらで、モズクの風味と柔らかさが保たれた状態で揚げられていました。

 これは真においしく、初めて経験する味でした。

 これは、一連のモズク研究において、非常に有益な情報収集となりました。

 以上にように、最近の沖縄に関する印象において3つの事例を紹介しました(この稿終わり)

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モズクの天ぷら