⑧そとん壁
 
 「そとん壁」とは、緑砦館に適用されている外壁のことです。

 この壁の材料は、鹿児島の桜島から噴き出た「シラス」です。

 この特徴は、その「防水性」と「透湿性」に優れていることにあります。

 前者は、雨が降っても中まで水分が沁み込まないことに優れているようで、セメントモルタルよりも、その雨水の浸透をより防御できることに特徴があるようです。

 雨は降っても深くは沁み込まず、そして雨で濡れても湿気が籠らずに乾きやすいというのですから、この壁は、非常に優れものということができるでしょう。

 聞くところによれば、最近、この「そとん壁」は、大分においても需要が増えているとのことでした。

 ところで、私が興味を抱いたのは、その工法であり、まず、外壁パネルの上に特殊なシートが全面に敷かれ、それに金網が付設されたことでした。

sotonn-5
特殊なシートの上に金網が付設されている(これを上から打ち固め、より強固にする)

 この金網が大きなホッチキスのような金具を打ち留められ、その後、今度は、この金網厚を約半分まで薄く打ち込んで、パネル壁との接合をより強固にする作業が行われていました。

 次に、金網の上に、再度、網状のシートが被せられ、その上に下塗り材がペースト状にされて塗布されました。 

  この厚さは、金網が隠れるほどですから、5㎜~1㎝はあったでしょう。

 その塗りたての頃は、灰黒色でしたが、それが乾くと徐々に灰色へと変化し、養生がなされることになりました。

sotonn-6sitanurikannryou
養生中の外壁
 
 写真は、その下塗りが終わって養生中の壁の様子です。

 当初は、写真中の影の色に近い灰黒色でした。

 まもなく、この上から仕上げの塗がなされ、「そとん壁」が仕上がることになります。

 ⑨天井クロス貼り

 内装における石膏ボード壁を貼り終わると、作業は天井のクロス貼りに移っていきました。

 この業者はなかなかの熟練工であり、そのことは作業の手つきでよく理解することができました。

 「この道、何年やって来られていますか?」

と尋ねると、「40年」という返答がありました。

 さすが、40年の歳月をかけて鍛えてきた技が、そのクロス貼りの手際の良さ、巧みさに現れていました。

 写真は、ロフトの天井においてクロス貼りがなされた様子です。
 
 真に、みごとな仕上がりです
(つづく)。

kurosu-1
天井のクロス貼り