うりずん(6月)の季節には月桃の花が咲きます。

 丁度、沖縄戦が終結した季節です。

 この沖縄戦で、じつに県民の四分の一の方が命を奪われました。

 それゆえに、この花に纏(まつ)わる平和の歌が、沖縄で愛唱されています。

 この歌の最後には、

 香れよ香れ 月桃の花
 永遠に咲く身の 花ごころ
 変わらぬ命 変わらぬ心

 ふるさとの夏


というフレーズがありました。

 その戦から72年余が過ぎた今も、月桃の花が密やかに咲いていました。

 ここ、宮城島を案内してくださった方が、この花の香りがよいというので私も嗅いでみました。

 驚くほどによい香りで、とても印象深い花の記憶が刻まれました。

 後ろの長い葉っぱは、この花のもので、餅を、この葉っぱに包んで食べる風習があり、葉っぱのよい香りが餅のなかに沁み込みます。

 これは「ムーチー」と呼ばれ、内地の甲府の孫たちが大好きな餅菓子です。

 沖縄にいる時に、その孫たちからせがまれ、「ムーチー」をどっさり送りました。

 きっと、月桃の葉の香りと餅の味を喜んだことでしょう
(つづく)。

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                      月桃の花