昨日は、早く就寝したせいか、4時前に目が覚めて机に向かっています。

 現在の室温は16.6℃、湿度48%、だいぶ温かくなってきました。

 もう、春ですね。

 さて、昨日は、6年を経た「3.11」の日でした。

 今思い起こしますと、教員生活の最後の年に、この震災復興のプログラムに取り組めたことは、じつに幸いなことであり、とても勉強になりました。

 これはある意味で「マイクロバブル」にとっても「試練」であったことから、次の教訓を得ることができました。

 ①地震と津波の被災地には、破壊されたコンクリートや木くずしかなく、何もない状態からの震災復興に挑まねばならず、それを可能にする「技術」において、考えられる限りの知恵を絞りだし、現場でも優れた工夫が必要であり、これらによって克服することが求められた。

 ②しかも、大船渡湾においてわずかに残っていたカキとカキ筏のある場所は、通常ではカキがほとんど育たない漁場であり、いわば、現地の漁師の言によれば「最悪の漁場」においてカキ養殖改善の実験を行うことになった。

 ③現地には、小さいモーターボート船が一つしかなく、これに装置を人力で運び、乗船させて設置するしかなかった。そのため、小型で軽量、コンパクトな装置の開発が必須であった。この実現のために、従来のマイクロバブル装置を全面的に検討し直し、新装置を開発した。

 ④その結果、マイクロバブル装置の小型化(3×4㎝)か、軽量化(34g)、コンパクト化(水中ポンプとの一体型で60×50×60㎝立法に収まる)、集積化(マイクロバブル装置32機を配備した装置を2セット、20機配備を2セット、合計で104機配備)などの新工夫が可能になった。

 ⑤装置を2011年8月3日に現地設置、以後2012年2月まで連続的に運転、その過程においてカキの成長促進を観察、無放卵カキの「バージンオイスター」の誕生、アミノ酸分析などを行った。同時に、マイクロバブルの影響範囲を調べた。

 これらを踏まえると、それは、マイクロバブル(装置)にとっても重要な試練であったことが明らかであり、当然のことながら、私たちも大いに鍛えられました。

 限られた時間内で、それに追われての作業、忍耐力が求められた観測作業、現場に則した対応、寒さと余震、交通、いずれも尋常なことでは立ち向かえないことばかりでした。

 そして、最後にたどり着いた課題が、新技術によって地域をどのように再生させるのか、この課題をどう把握し、達成していくのかを究明していくことでした。


 この震災復興プログラムは、その期間内にかなりの成果を得て、終了することになりましたが、今振り返れば、それらの成果とともに、「さらに、こうしておけばよかった」という反省も見えてきています。

 その後、私が大病を患ったこともあり、この復興支援の活動は中断してしまいました。

 報道によれば、この震災復興には、あれから6年を経ても、まだまだ多くの問題を残しています。

 今後も、機会を得て、それに寄与していきたい、これが私の希望でもあります。

 その際、今度は、それを行う際には、日本各地と連動させて、日本の再生とともに、被災地でもそれを発展させる、このような連携の輪を広げていくことが大切ではないかと思っています。

 なぜなら、衰退から危機へと発展しつつある地域において、その再生問題は、どこにでも共通する課題であり、その解決のために、この緊急支援の再生プログラムにおける成果と教訓を、どう最高度に生かしていくか、これが問われているのではないでしょうか。

 「どっこい、その教訓と思いは生き続けている!」

 6年を経過した「3.11」の日の朝に、以上のような思いを新たにしました(つづく)。

seroinoha
セロリの葉っぱが元気です