それでは、前記事において示した3つの溶解パターンについて、より深く分け入ることにしましょう。

   ①第一仮説:

 これは、マイクロバブル内の気体成分がすべて溶解して液化してしまうというパターンです。当然のことながら、ナノサイズのバブルさえ無くなってしまうことになります。

 その際、非常に重要なことは、このマイクロバブルの収縮に伴って、そのマイクロバブル内が高温高圧化していくことで特別の化学反応が出現することを考慮しなければならないことです。

 そして、この高温高圧化現象による化学反応が、どのように、そしてどの程度に起こるかによって、そのナノバブルも消えてなくなるのかという問題が出てきます。

 そのナノバブル生成説は、次の2通りがあります。

 1)マイクロバブルが収縮して、マイクロナノバブルを経て、ナノバブルになる。

 2)上記の1)とは異なる独自の生成メカニズムによってナノバブルが生成する。

 この1)のケースであれば、上記の収縮に伴う高温高圧化・化学反応の生成が重要に関係します。

 一方で、ナノバブルの有無については、発生させる液体の純粋度、すなわち汚れの度合いによっても左右され、さらには、その有無を検証するために、どのような計測機器を用いるかにも依拠することになります。

 つまり、液体中に細かな粒子の汚れがあると、それに気泡核と呼ばれる気体が付着している可能性があり、その場合は、ナノバブルを完全に除去できないこともあり得ます。

 そして現在のところ、高さ11ⅿの日本で2台しかない高額の顕微鏡を用いないかぎり、ナノバブルの存在や個数、挙動を正確に把握することができません。

 その有無を簡単に調べようとしても、それは容易ではない、このような難問も横たわっています。

 以上を考慮すると、マイクロバブル内の気体の完全溶解を問題にするのはあまり現実的ではないかもしれませんね。

 ②第二仮説:
 
 マイクロバブルの収縮に伴い、その内部気体が溶解を遂げて液化するが、その一部はナノバブルとして二次的に生成される挙動のことをいいます。

   これに関連して、マイクロバブル、マイクロナノバブル、ナノバブルの相互関係をより深く考察するために、次の概念を示します。



 マイクロバブルは、その発生後に、すぐに、周波数9ヘルツで振動しながら収縮を徐々に遂げていきます。

 最初はゆっくりとした収縮速度で収縮し、これが後期になると、その速度が急激に増大していきます。

 ここに、超高速旋回式装置において発生したマイクロバブル特有の現象が生まれます。

 普通の泡から、特別の泡への変化が起こります(つづく)。
20160719kamakiri
カマキリさんが、こちらをやや意識されているようです