ZECCOは和風のレストランですが、その真ん中のホールには、グランドピアノが置かれていました。

 また、その奥には2つの畳の間があり、そこに机が置かれ、立食式の料理が並べられていました。

 まず、参加者の度肝を抜いたのが、その料理でした。

 大きな鯛やエビの刺身が目を引きました。続いて、郷土料理である「りゅうきゅう」という魚を細かく切った和え物が野菜と一緒にあり、その横にはスパゲティー、握り鮨ほか、たくさんの料理が所狭しと並んでいました。

 「これは、すばらしい料理だね。オーナーシェフの心が籠っている!」

 「そうですよ。普通の結婚式で出てくる料理とは、相当違いますね!」

 「そうだね、この会場が選ばれたことが正解だったね!」

 「なにしろ地元ですから、オーナーシェフのNさんがとても喜ばれていましたよ」

 パーティーは、やや緊張した司会者の発生で始まりました。

 まずは、主人公のお二人の紹介を関係者が行うという異例のスピーチから始まりました。

 今度は反対に、主人公たちが、参加者の紹介を行いました。

 その後、乾杯の音頭があり、ここまでは、すいすいと進んでいきました。

 そして、しばらくは歓談と交流の時間となりました。また、この間も、温かい料理の追加があり、それらを堪能することができました。

 宴もたけなわとなり、ここで登場したのが、孫たちでした。

 特別のお揃いの衣装に蝶ネクタイ、さっそうと登場してきたのが、5歳になった「しらたまちゃん」と3歳と1歳の妹たち、それに5歳の「ほの君」でした。

 「ポッキーダンス」と「愛をさけべ」の曲に乗って、この4名が踊り出したものですから、そのみごとさに驚き、かわいらしさに感激しながら、拍手大喝采の連続でした。

 踊りのリーダーは「しらたまちゃん」、その踊りを見よう見まねで踊る「ほの君」、じっと立ったたままで、踊る時が来ると踊り出した「りり」、とにかく身体を動かして踊る「みお」、いずれもが、元気に踊っていました。

 もちろん、主人公のお二人が喜んだのはいうまでもありませんでした。

 そして、この踊りが、パーティーの雰囲気をガラリと変えてしまいました。

 続いて、そのしらたまちゃんによる独唱がありました。

 幼き頃から、人前で唄うのが好きだったしらたまちゃんでしたので、この独唱も楽しみでした。

 その曲目は、「上を向いて歩こう」でした。

 これも、あとで聞いたのですが、事前の練習はわずか2回、張りのある声で、そして高音域も上手に、歌詞も3番まで唄いきりました。

 みなさんは、これを静かに聞き入り、涙ぐむ方もおられました。

 もちろん、唄い終えた後は、拍手大喝采を受けて、当のしらたまちゃんも、大いに満足した顔になっていました
(つづく)。
ajisai20160531
紫陽花(2016年5月31年、筆者撮影)