脚本家の倉本総が、NHKの100年インタビューのなかで、一番おいしいと思ったものは、戦時中の疎開先で腹を空かせているときに食べた、ご飯とフキノトウの入った味噌汁だったとしみじみ語られていました。

 「このフキノトウの味噌汁はどんな味だったのであろうか?」

 こう思いながら、宇佐市院内にある道の駅に立ち寄ったら、そのフキノトウが店頭にありました。

 うれしくなって、思わず3パックも買いました。その値段は1パックで210~184円と格安でした。

 その日の夜は、作家池波正太郎が愛して食べた、我が家でも定番になっている「天ぷら」としていただきました。

 天ぷらにすると、やや香りや苦味が落ちますが、それがよく、たちどころに2パックのフキノトウがなくなってしまいました。

  2日目は、どうしようかと思っていたら、フェイスブックでKさんの記事を読み、「これはすばらしい」と喜びました。

 あの白洲次郎夫妻が、春になると決まって、このフキノトウを食べていたそうで、その記事のことが書かれていました。

 この白洲方式は、生のフキノトウを細かく刻んで、ただ醤油をかけて食べるというものでした。

 生のフキノトウを食べることはあまり聞いたことがありませんでしたので、早速、私も試してみました。

 そしたらどうでしょうか。

 生のフキノトウの香りとここちよい苦味が、口の中に一斉に広がっていくではありませんか。

 「これは、なかなか旨い」


と感激し、早速彼女にお礼のコメントを送信させていただきました。
hukinotou20160219
フキノトウの醤油かけ

 しかし、この頃から、購入したフキノトウがやや乾燥してきて元気がなくなっていました。

 そこで、私流の元気回復法(読者のみなさんは、それがどのような方法かは、お解りのことと思いますので、ここでは省略)を用いて、それを生き返らせました。

 その様子は、捥ぎたてのフキノトウのようになっていました。

 この蘇生を確かめ、3日目
は念願の味噌汁に挑みました。

 まず、アサリを買ってきて、アサリの味噌汁にし、そこにフキノトウを細かく刻んでたっぷりと降りかけました。

 さらに、宇佐市院内にある櫛野農園の柚子胡椒の「極々上」(これが最高の柚子胡椒、756円)を入れ、ちょっと贅沢仕込みにしました。

 おかげで、この組み合わせは最高水準に到達した味となりました。

 なかでも、フキノトウは、あの独特の香りと生き返ったシャキ
シャキ食感を醸し出す重要な役割を果たしていました。

 あまりの美味しさに、思わず「お代わり」をするほどでした。

 久しぶりに、美味しい味噌汁と出会いました。

 これもKさんのおかげでしたから、最高の味噌汁のひとつができたことを報告させていただきました。

 写真はその時の味噌汁です。

 みなさんもいかがですか
、これは「お勧め」です(つづく)。
misohuki20160220
 
                     フキノトウ入りアサリの味噌汁