野菜の無農薬栽培において,天敵といわれている害虫のひとつにアブラムシがあります.
昨年から,この虫が徐々に増え続け,どうしたらよいのか,頭を悩ますことになりました.
すでに,手を用いての駆除では追いつかない段階に至っていましたので,あれこれと調べてみました.
しかし,これといってよい方法が見つからず,思案に暮れていました.
以下は,その検討結果です.
①アブラムシの天敵はテントウムシだそうですが,これを探し出すことができませんでした.
あの「奇跡のリンゴ」農家の木村さんは,ほんとうにテントウムシが有効かを確かめられたそうですが,その折に,テントウムシに,ご飯粒を塗って番号を付けて観察したそうです.
しかし,テントウムシ1匹が,アブラムシをどの程度駆除したのか,その話はありませんでした.
②ネット上では,牛乳をかけるとよいとの話がありました.牛乳液が呼吸口を塞いでしまい,死んでしまうということのようでした.
しかし,牛乳を水耕栽培の水路に流し込みますと,水が腐って汚れる原因になりますので,この実行はできませんでした.
➂各種の物質を液体に混ぜて吹きかけるとよいという説もあり,これも私以外の栽培者によって試されましたが,ほとんど効果がなく,そのうち中断となりました.
④そこで,野菜を一旦根も含めて外に取り出し,水洗いによって駆除することを試みました.たしかに,水によってアブラムシはよく落ちていきましたが,ここで困ったことが起きました.
今度は,苗そのものが弱り,ほとんどすべてが枯れてしまいました.
--- これでは,だめか?
その思案は続けど,妙案は浮かばずで,目の前には,ますます気持ちよさそうに増えるアブラムシの生態がありました.
--- もっと,よい方法はないのか?
⑤少々苛立ちながら,ガムテープに付着してアブラムシを撮り続けました.まことによくアブラムシがくっ付いて,どんどん取れましたが,これでもアブラムシの増殖速度を押さえることはできませんでした.
そのことを理解すると,この方法を長く続けることはできなくなりました.
⑥そこで,無い知恵を絞って思いついたのが,ハンディ掃除機でアブラムシを吸い込む方法でした.
これですと,アブラムシをよく吸い込んだのですが,それを上手くやらないと,葉っぱまで吸い込んで傷めてしまうことがありました.
また,長時間掃除機を抱えていると,腕が疲れてきて,困ってしまうこともありました.
辛抱強く,粘りに粘って,駆除を遂行する前に,何か楽して実行できる方法はないかと考えてしまうので,結局は長続きしないという状態を繰り返していました.
ーーー 立春も過ぎ,これからハウスの中もより温かくなり,野菜たちも成長するであろうが,しかし天敵のアブラムシもさらに勢いよく増えるであろう.いったい,どうしたらよいのか?
アブラムシ対策を考え続けて1カ月が過ぎた頃でしょうか.
あるアイデアが浮かんできました.
--- なるほど,それは理に適っている.
そのアイデアとは,水路に浮かんでいる野菜の上から,直接水をかけて洗い流す方法でした.
この方法だと,簡単にアブラムシを洗い流して,水路の水の中にアブラムシを押し流すことができました.
問題は,水の中に落ちたアブラムシが,再び這い上がってくるかどうか,これを確かめることでした.
結果は,よい方向に転んでいきました.いったん水の中に落ちると,アブラムシは再び,這いあがってくることができなかったのです.
この方法を見出して,気分がだいぶよくなり,私のアブラムシの生態研究が進むことになりました.
その第1の成果は,野菜の種類によって,アブラムシが巣くう場所が異なることでした.
サニーレタスの場合は,中央の新芽の部分に集中してくることでした.
やはり,そこが柔らかくて美味しいということを,アブラムシもよく知っているのでしょう.
そこで,このアブラムシが集中して黒くなった部分に水をかけて押し流すと,あれよあれよいう間に,アブラムシが洗浄されました.
わざわざアブラムシの方で集まってくれるのですから,これほど効率よく洗浄できる方法はないという思いを強めました.
またサラダ菜においては,最初に中央部の新芽の部分を洗い流すと,次からは,そこに現れずに,周囲の葉っぱの裏側によく増殖していました.
ここでも水を噴射するとアブラムシがよく落ちていきました.同時に,その周辺の葉っぱは,頃合いを見て収穫することにしました.
そこの葉っぱの収穫によって,かえって中央部分の葉っぱがよく成長を遂げるようにもなりました.
第2の成果は,アブラムシの洗浄が進むにしたがって,野菜たちがすくすくと成長を遂げるようになったことでした.
--- やはり大事なところに巣くっていて,成長を阻害させていたのか!
このことが判明してくると,こちらの方も,より一層アブラムシ駆除に励むようになりました.
身体をきれいにして,すくすくと育つ,この好循環サイクルが回り始めたのです.
また,この水かけは,根を空中に晒すという行為をしませんので,その根と葉を弱らせるということを防ぐことができ,かえって,洗浄と水かけで,野菜がきれいになり,その水分補給で元気になる方に作用したようでした.
写真は,その洗浄と成長の効果によって,生き生きと伸びはじめたサニーレタスです.
葉っぱの細部において盛り上がっているのが特徴であり,ここでの細胞分裂が盛んになされて成長していることが窺えます(つづく).
サニーレタス
昨年から,この虫が徐々に増え続け,どうしたらよいのか,頭を悩ますことになりました.
すでに,手を用いての駆除では追いつかない段階に至っていましたので,あれこれと調べてみました.
しかし,これといってよい方法が見つからず,思案に暮れていました.
以下は,その検討結果です.
①アブラムシの天敵はテントウムシだそうですが,これを探し出すことができませんでした.
あの「奇跡のリンゴ」農家の木村さんは,ほんとうにテントウムシが有効かを確かめられたそうですが,その折に,テントウムシに,ご飯粒を塗って番号を付けて観察したそうです.
しかし,テントウムシ1匹が,アブラムシをどの程度駆除したのか,その話はありませんでした.
②ネット上では,牛乳をかけるとよいとの話がありました.牛乳液が呼吸口を塞いでしまい,死んでしまうということのようでした.
しかし,牛乳を水耕栽培の水路に流し込みますと,水が腐って汚れる原因になりますので,この実行はできませんでした.
➂各種の物質を液体に混ぜて吹きかけるとよいという説もあり,これも私以外の栽培者によって試されましたが,ほとんど効果がなく,そのうち中断となりました.
④そこで,野菜を一旦根も含めて外に取り出し,水洗いによって駆除することを試みました.たしかに,水によってアブラムシはよく落ちていきましたが,ここで困ったことが起きました.
今度は,苗そのものが弱り,ほとんどすべてが枯れてしまいました.
--- これでは,だめか?
その思案は続けど,妙案は浮かばずで,目の前には,ますます気持ちよさそうに増えるアブラムシの生態がありました.
--- もっと,よい方法はないのか?
⑤少々苛立ちながら,ガムテープに付着してアブラムシを撮り続けました.まことによくアブラムシがくっ付いて,どんどん取れましたが,これでもアブラムシの増殖速度を押さえることはできませんでした.
そのことを理解すると,この方法を長く続けることはできなくなりました.
⑥そこで,無い知恵を絞って思いついたのが,ハンディ掃除機でアブラムシを吸い込む方法でした.
これですと,アブラムシをよく吸い込んだのですが,それを上手くやらないと,葉っぱまで吸い込んで傷めてしまうことがありました.
また,長時間掃除機を抱えていると,腕が疲れてきて,困ってしまうこともありました.
辛抱強く,粘りに粘って,駆除を遂行する前に,何か楽して実行できる方法はないかと考えてしまうので,結局は長続きしないという状態を繰り返していました.
ーーー 立春も過ぎ,これからハウスの中もより温かくなり,野菜たちも成長するであろうが,しかし天敵のアブラムシもさらに勢いよく増えるであろう.いったい,どうしたらよいのか?
アブラムシ対策を考え続けて1カ月が過ぎた頃でしょうか.
あるアイデアが浮かんできました.
--- なるほど,それは理に適っている.
そのアイデアとは,水路に浮かんでいる野菜の上から,直接水をかけて洗い流す方法でした.
この方法だと,簡単にアブラムシを洗い流して,水路の水の中にアブラムシを押し流すことができました.
問題は,水の中に落ちたアブラムシが,再び這い上がってくるかどうか,これを確かめることでした.
結果は,よい方向に転んでいきました.いったん水の中に落ちると,アブラムシは再び,這いあがってくることができなかったのです.
この方法を見出して,気分がだいぶよくなり,私のアブラムシの生態研究が進むことになりました.
その第1の成果は,野菜の種類によって,アブラムシが巣くう場所が異なることでした.
サニーレタスの場合は,中央の新芽の部分に集中してくることでした.
やはり,そこが柔らかくて美味しいということを,アブラムシもよく知っているのでしょう.
そこで,このアブラムシが集中して黒くなった部分に水をかけて押し流すと,あれよあれよいう間に,アブラムシが洗浄されました.
わざわざアブラムシの方で集まってくれるのですから,これほど効率よく洗浄できる方法はないという思いを強めました.
またサラダ菜においては,最初に中央部の新芽の部分を洗い流すと,次からは,そこに現れずに,周囲の葉っぱの裏側によく増殖していました.
ここでも水を噴射するとアブラムシがよく落ちていきました.同時に,その周辺の葉っぱは,頃合いを見て収穫することにしました.
そこの葉っぱの収穫によって,かえって中央部分の葉っぱがよく成長を遂げるようにもなりました.
第2の成果は,アブラムシの洗浄が進むにしたがって,野菜たちがすくすくと成長を遂げるようになったことでした.
--- やはり大事なところに巣くっていて,成長を阻害させていたのか!
このことが判明してくると,こちらの方も,より一層アブラムシ駆除に励むようになりました.
身体をきれいにして,すくすくと育つ,この好循環サイクルが回り始めたのです.
また,この水かけは,根を空中に晒すという行為をしませんので,その根と葉を弱らせるということを防ぐことができ,かえって,洗浄と水かけで,野菜がきれいになり,その水分補給で元気になる方に作用したようでした.
写真は,その洗浄と成長の効果によって,生き生きと伸びはじめたサニーレタスです.
葉っぱの細部において盛り上がっているのが特徴であり,ここでの細胞分裂が盛んになされて成長していることが窺えます(つづく).
サニーレタス
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