Mさんとの論議は、さらに弾んでいきました。

 それは、私がブログで書いた記事において、ある政治家が指摘された、「今の日本社会においては年収300万円でも生活が大変である」という引用に関することでした。

 この指摘は、都会で生活をなさっている方を想定してのことでしたが、Mさんによれば、国東の事情は、これとは大きく異なるそうで、次のような持論を展開されました。

 「国東では、贅沢をしなければ年収100万円で生活することができます。これによって都会に住む方々が、国東に移り住んで生活することが可能になります。とくに年金生活者にとっては非常に切実な問題です」

 たしかに、その通りです。

 単純計算すれば、国東での生活物価が都会の3分の1であれば、年収100万円でも生活が可能になります。

 はたして、そのようなことは可能なのでしょうか。

 これまで述べてきたように、魚については、それが可能なことを示してきました。

 国東お魚便や野菜の購買の経験を踏まえますと、次のような比較が可能です。

          国東              大都会

 真蛸      1㎏あたり600円      1㎏あたり2000円~3000円 国産の真蛸がない

 天然鯛     体長20㎝ 500円     1500円

 ニンジン    1本17円           1本200円   

 野菜       一束100円         一束300円

 その他の食品についても、このような事例がありました。

 それは、O市の中心街で買い物をしている主婦を、国東市武蔵町のスーパーに案内した時のことでした。

 彼女によれば、O市での買い物と、そのスーパーでは、約3倍違うといわれていました。

 私の実感でも、これに近いものがあります。私のばあいの比較対象は山口県のS市でした。

 それでは、コンビニはどうでしょうか。

 ここでも同じような比較を行いますと、その3倍が成立つのではないかと思います。

 このような差異が生まれますと、自ずとそこを利用しようという気にはなれません。現に、年に1度か2度しか行かないようになりました。

 ですから、このMさんの実感は、かなりの確度で正しいのではないかと思います。

  「国東では年間100万円で暮らせる、これは私の生活実感にも合っていますね。年収300万円の話は、都会での生活のことでしたとブログで追記しておきます」

 こう述べると、Mさんは「わが意を得たり」という表情を示されていました。

 この年収問題以外にも、「国東お魚便」のみに留まらず、「国東お野菜便」の話についても、かなり突っ込んでの検討も行われました。

 そして、最後は国東文化論に関する論及もなされ、約3時間半があっという間に過ぎてしまいました。

 今年は、Mさんと一緒によい地域づくりができそうで、とてもゆかいな新春対談となりました
(つづく)。
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                 国東安岐町の街角で見つけたピラパンサス